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新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
まとめ記事その2です。

山口
花神 大河ドラマの「原点」/松村邦洋さん
 祖父の影響で、小さな頃からNHKの大河ドラマが大好きな子供でした。山口に住んでいたこともあって、一番印象に残っているのは、幕末の長州の志士たちを描いた「花神」です。
 昭和52年、僕がまだ小学4年生の時の作品で、当時ウルトラマンタロウでおなじみの篠田三郎さん演じる吉田松陰が、言葉も通じないであろうペリーに会いに船をこいでいくシーンは、忘れられません。弟子の金子重之助役は、岩国出身の岡本信人さんでした。その後捕らえられ、金子重之助は身分が低いため、雨の中かごにも乗れず、体調を崩して亡くなるシーンには、子供ながら涙がこみあげてきました。
 大人になってからは、松陰神社にお参りしたり、金子重之助と松陰の銅像を見たり、野山獄跡地を訪ねています。時代を変えた人たちの思いが、今も形になって残っているのは、感慨深いものです。
 中村雅俊さん演ずる高杉晋作はかっこよかった。「われら青春!」でデビューしたばかりで、荒々しく、新鮮でした。将軍家茂に「いよっ征夷大将軍」と叫んで逃げるシーン、神代直人から追われ、秋吉久美子さん演じるおうのさんを連れてあわてて四国へ逃げるシーンなど、人間臭く描かれていました。小倉城を落とし、これからという時に亡くなる高杉の最後、おうのさんの「だんさーん」と叫ぶシーンに涙しました。辞世の句「面白きこともなき世に面白く」を詠んだ後に、吉田へと話した高杉。下関の吉田町なのか、吉田松陰のことなのか、今でも定かではない、というナレーションの言葉を覚えています。
 かつて中国地区を治めていた毛利家が、関ケ原の戦いで西軍につき、防長2州に追いやられ、260年のうっぷんを一気に吐き出したのが倒幕のエネルギーだったのではと思います。260年寝かせたワインのように感じられます。
 松陰が処刑された小塚原に、桂・伊藤が自分の服を脱いで着させるシーン。その日、同じく小塚原で人間の解剖の実験をしていた村田蔵六を桂が見て「松陰先生の生まれ変わりだ」と言うシーン。司馬遼太郎さんの作品は、史実とは多少異なっているかもしれませんが、まるで自分が見てきたように描いています。
 ほぼその原作通りに映像化した「花神」。最近は過剰に脚色した大河ドラマが続く中、原点とも言える面白さを持った作品です。

■まつむら・くにひろ■
  お笑いタレント。67年、田布施町生まれ。大学在学中にアルバイトをしていたテレビ局で、片岡鶴太郎氏にものまねを認められ、芸能界入り。歴史が好きで、特に中世から幕末・維新の歴史に興味がある。


吉敷の平 和生さん 服部章蔵の伝記を出版
 「郷土の偉人として、後世まで末永く語り継いでほしい」 吉敷在住の平和生さん(81)が、激動の幕末から明治を駆け抜け、日本のキリスト教(プロテスタント)伝道と女子・幼児教育に寄与してきた吉敷出身の服部章蔵(享年67)の生涯を物語風につづった伝記「郷土の偉人・熱血と祈りの人 服部章蔵」(A5判、356ページ)を自費出版(非売品)。市内の小中学校や地域交流センター、図書館などに寄贈した。
 70歳の時、メニエール病と診断された平さんは、体調を崩したのを機に、今の自分にできることは何かを真剣に考え、本格的に伝記の執筆に取りかかった。3年前には「澤山保羅」の伝記を出版しており、今後は「成瀬仁蔵」の執筆に取りかかかる予定だ。


高知
四国ミュージアム回廊:三十六館目 絵金蔵/1 /四国
三十六館目 絵金蔵/1 /四国
◆絵金蔵(高知県香南市)

 ◇幕末の絵師・金蔵の作品、おどろおどろしい屏風絵の数々--町民有志が管理運営
 その筆先から描かれた独特な世界観は、「おどろおどろ」と評された--。幕末の土佐を生きた絵師、金蔵(通称・絵金(えきん)、1812~76)の屏風(びょうぶ)絵を収蔵する「絵金蔵(えきんぐら)」は、近世の町並みを残す高知県香南市赤岡町にひっそりとたたずむ。管理運営は町民有志。「町民の宝物であり、居場所」(蔵長の横田恵さん)となっている蔵の魅力や、それを支える人々の思いなどを4回に分けて紹介する。【千脇康平】

 家屋と家屋のすき間に延びる幅1メートル程度の路地を抜けると、真っ白な壁と木戸のコントラストが映えるかわらぶきの建物が姿を現す。絵金蔵は、1929年建築の朽ち果てた米蔵を改修し、05年2月に開館した。状態がいい材木ははりや棚などに再活用。館内は木の香りに満ちている。

 玄関口は、蔵に関連する資料が並び、コーヒー(200円)やラムネ(150円)などを注文できる「土間ホール」。約20席が用意されている。通りがかりの町民がぶらりと立ち寄り、職員や地域ボランティア「蔵守(くらもり)」と談笑する姿も。

 目玉は「闇と絵金」と名付けられた展示室1。入り口に用意されている「ちょうちん」を手に扉をくぐると、中は闇。ろうそくを模した明かりに照らされ、何枚もの屏風絵が目前に現れる。ちぎれて転がる死体、地面にしたたる血、絵の中の人物が今にも飛び出してきそうな躍動感…。展示品はレプリカだが、恐る恐る顔を近づけると、鮮やかな色遣いや計算し尽くされた構成が見事だ。室内に赤岡海岸の潮騒が流れる仕掛けになっている。

 展示室2は、絵金が赤岡町で生活していたころにアトリエにしていたとされる酒蔵をイメージしている。壁に開けられた「蔵の穴」をのぞくと見えるのは、裏の収蔵庫に納められた屏風絵の貴重な原画。常時2枚が見られ、1カ月ごとに展示品が差し替えられる。

 また、絵金独特のぱっと目を引く強烈な赤、通称「血赤(ちあか)」の詳細な説明や、創作中の絵金を表現した木製のオブジェを用意。絵金という人物にもっと迫りたくなる内容だ。

 2階に上がると、「絵金百話」と題した展示室3。謎に包まれた絵金の生涯を資料や作品とともにひもといていく。ボタンを押すと、隠し落款(一見すると無署名の屏風絵の中に隠された落款)の位置が分かる仕掛けや、手でレバーを回して年譜を読む装置、絵金蔵に収蔵されている全23点の屏風絵を画面で閲覧できるタッチパネル式の検索機など、“体験型ミュージアム”の性格も有している。

 開館から4年半。今年7月には来館者5万人を突破した。町民らが代々受け継いできた貴重な屏風絵を守る蔵は、周囲の町並みに見事に溶け込み、静かに時を刻んでいる。

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 ◇ミュージアムガイド
【住所】高知県香南市赤岡町538

【電話番号】0887・57・7117

【観覧料】大人500円、高校生300円、小・中学生150円

【開館時間】午前9時~午後5時(入館は午後4時半まで)

【休館日】月曜日(祝日の場合は翌火曜日)

【行き方】土佐くろしお鉄道「あかおか駅」から徒歩約10分。高知市のはりまや橋から車で約40分。高知自動車道南国ICから車で約30分。




大分
「日本近代洋画への道」展
日本近代洋画の一大コレクション、「山岡コレクション」を中心に幕末から明治時代にかけて活躍した洋画家の作品を集めた特別展が大分市で開かれています。
「山岡コレクション」はヤンマーディーゼルの創業者、山岡孫吉のコレクションで、日本近代洋画史の宝庫といわれています。
今回の特別展では山岡コレクションの作品を中心に幕末から明治時代にかけて活躍した日本洋画の先駆者たちの作品180点が展示されています。
中でも日本洋画の父といわれる高橋由一をはじめ青木繁や藤島武二など著名な作家の作品は見る人の目を引いていました。
山岡コレクションの展覧会は2001年から全国で巡回されていますが県内で開催されるのは初めてです。
「日本近代洋画への道」展は10月18日まで大分市美術館で開かれています。


佐賀
三重津海軍所跡:ドック跡で「木杭護岸」発見 佐賀市「世界遺産登録に弾み」 /佐賀
 佐賀市が世界遺産リストへの登録を目指している幕末期の三重津海軍所跡(同市川副、諸富町)の発掘調査で、市教委文化振興課は10日、海軍所のドック跡とみられる「木杭護岸」が見つかったと発表した。海軍所の主要施設の一つであるドックの構造を知る手がかりで、同課は「登録に近づく発見」と位置付けている。
 海軍所跡は、国の世界遺産の暫定リストに入った「九州・山口の近代化産業遺産群」への追加登録を目指す遺産の一つ。追加登録に向けた専門家の提言が10月に出るため、市教委が改めて発掘調査を進めている。
 今回見つかった遺構は、修理などの際に船を入れるドックの護岸の一部とみられ、直径約15センチの木杭が一列に並んでいる。そこから突き出た胴木2本は、停泊した船に渡した架け橋の土台だった可能性があるという。
 文化振興課は「近代的な石やれんが組みではなく、在来の技法が使われたことを示しており、ドック構造が具体的に分かる発見」と話している。
 木杭護岸の遺構は崩れる恐れがあるため、一般公開をせず、近く埋め戻すという。【姜弘修】


佐賀藩の三重津海軍所跡、ドックの壁一部を発見
 佐賀市教委は10日、幕末佐賀藩の遺跡「三重津海軍所跡」(佐賀市川副町、諸富町)で、深さ約2メートルの地中から、蒸気船の修理などを行ったとされるドックの壁の一部が見つかったと発表した。木製のくい(長さ約80センチ)約20本が一直線に打ち込まれて壁を形成しており、市教委はドックの存在を裏付ける証拠の一つになるとしている。
 木ぐいが見つかったのは、1920年頃に描かれた絵図でドックなどがあったとされる現在の早津江川河川敷。これまでも周りの土との違いから、ドックがあったと推定されていた。木ぐいが形成する壁の上部から2本の木の柱(直径約20センチ)が突き出しており、ドック内に固定した船に架けた橋の土台部分として使ったとみられるという。
 前田達男・市教委文化振興課文化財係長は「ドックは、後にヨーロッパから伝わる石やレンガを使う方法ではなく、木を使った江戸時代以来の護岸工法で造ったとみている。創意工夫を重ねていた日本の近代化の最初の姿ではないか」と話している。
 市教委は、文化庁が世界遺産の国内候補地リストに入れた「九州・山口の近代化産業遺産群」に三重津海軍所跡を追加登録することを目指している。前田係長は「(追加登録に向け)前進」と評価しているが、佐賀藩が建造したとされる日本初の実用蒸気船「凌風丸」をこの場所で造ったと断定できる形跡は見つかっておらず、調査を続ける。
 前田係長は11日に上京し、「九州・山口の近代化産業遺産群」の世界遺産登録を目指す推進協議会(6県12市)が遺産についての意見を求めている国内外の専門家委員会のメンバーに、今回の発見を報告する。


ドックの壁一部を発見 産業遺産群追加登録へ前進
 佐賀市教委は10日、幕末佐賀藩の遺跡「三重津海軍所跡」(佐賀市川副町、諸富町)で、深さ約2メートルの地中から、蒸気船の修理などを行ったとされるドックの壁の一部が見つかったと発表した。木製のくい(長さ約80センチ)約20本が一直線に打ち込まれて壁を形成しており、市教委はドックの存在を裏付ける証拠の一つになるとしている。
 木ぐいが見つかったのは、1920年頃に描かれた絵図でドックなどがあったとされる現在の早津江川河川敷。これまでも周りの土との違いから、ドックがあったと推定されていた。木ぐいが形成する壁の上部から2本の木の柱(直径約20センチ)が突き出しており、ドック内に固定した船に架けた橋の土台部分として使ったとみられるという。
 前田達男・市教委文化振興課文化財係長は「ドックは、後にヨーロッパから伝わる石やレンガを使う方法ではなく、木を使った江戸時代以来の護岸工法で造ったとみている。創意工夫を重ねていた日本の近代化の最初の姿ではないか」と話している。
 市教委は、文化庁が世界遺産の国内候補地リストに入れた「九州・山口の近代化産業遺産群」に三重津海軍所跡を追加登録することを目指している。前田係長は「(追加登録に向け)前進」と評価しているが、佐賀藩が建造したとされる日本初の実用蒸気船「凌風丸」をこの場所で造ったと断定できる形跡は見つかっておらず、調査を続ける。
 前田係長は11日に上京し、「九州・山口の近代化産業遺産群」の世界遺産登録を目指す推進協議会(6県12市)が遺産についての意見を求めている国内外の専門家委員会のメンバーに、今回の発見を報告する。


蒸気船建造の遺構か ドック護岸跡確認/三重津海軍所跡
 幕末佐賀藩の近代化史跡の世界遺産登録を目指し、三重津海軍所跡(佐賀市川副、諸富町)の発掘調査を続ける佐賀市教委は9日、新たにドック跡の遺構とみられる木杭(きぐい)護岸を確認した。ドック跡は国産初の実用蒸気船「凌風丸」を建造した遺構の可能性も高く、確定されれば登録へまた一歩近づく。
 調査場所は早津江川河川敷の一角約400平方メートル。三重津海軍所絵図によると、一帯は船渠(せんきょ=ドック)とされ、奥行き70メートル、幅は最大で50メートルと推定される。
 見つかった護岸跡は、その一部で、地表から約1・6メートル掘り下げた地点で確認。長さ約3メートルの間に、約20本の木杭(長さ約80センチ、直径約15センチ)が直線に並んでいた。護岸とともに、船を固定し作業のため橋をかける胴木2本も見つかった。木杭は横木を渡し縄で固定されていた。
 市教委はさらに約3メートル掘り下げ今後、ドックの床構造を探る。石やれんがなど重量物に耐えられる床が確認されれば、船が建造された証拠となる。周辺では既に金属加工設備の存在が裏付けられており、市文化振興課の前田達男係長は「床が確認されればリスト入りに大きく前進する」と期待する。
 海軍所跡について「九州・山口の近代化産業遺産群登録推進協議会」の専門家委員会は、造船施設などの確定が課題と指摘していた。

【写真】絵図に記された船渠跡に沿って確認された護岸。東西方向に木杭20本が並び、中央部には胴木と見られる木材が交差していた=佐賀市川副町の佐野記念公園(佐賀市教委提供)



鹿児島
西郷、書の師匠は島役人!? 沖永良部島 流罪中に学ぶ 坦晋の書や蔵書 手本か 郷土史家先田さん 日記から考察
 「敬天愛人」の遺訓で知られる西郷隆盛(1827-77)の書の師匠は、西郷が幕末の1年半、島流しされた鹿児島県沖永良部島の薩摩藩島役人坦晋(たんしん)(1800-61)だった‐。地元和泊町国頭の郷土史家、先田光演(みつのぶ)さん(66)が坦晋が残した日記などを解読し明らかにした。
 坦晋の日記は、「渡琉日記」や鹿児島に上った時の「上国日記」など3冊が現存する。先田さんは原文を解読し、5月に「坦晋の日記三部作‐琉球・薩摩を生きた島役人の記録」(A4判、66ページ)としてまとめた。
 坦晋は22歳のころ、鹿児島で医術を修め、唐通事(中国語の通訳)も兼ねた知識人。中国交易船の調査のため琉球に渡っており、当時漢詩と書道の古典といわれた書物を持ち帰っている。
 一方、西郷(島では大島吉之助)は坦晋が没した翌年の1862(文久2)年に沖永良部島へ遠島される。2人は出会ってないが、先田さんは西郷と、坦晋の孫で明治になって島の村長になる操坦勁(みさおたんけい)との関係に注目する。
 西郷は広さ4畳半の牢屋(ろうや)の中で読書に励み、漢詩と書道に打ち込んだとされ、牢の外では坦勁ら島の若者たちが西郷の教えを受けた。有名な「敬天愛人」の言葉は、沖永良部島流罪中に生まれたと伝わる。
 先田さんは「三部作」の中で、西郷が坦勁にあてた漢書の借用書2通を紹介しながら、「西郷が借りたのは、坦晋が琉球で買い求めた漢書の蔵書だった」と記す。
 また、操家に残る坦晋の書についても触れ、「肉太で力強い坦晋の書体は、西郷の書体と似ている。西郷は坦晋の書や蔵書を手本に書を学んだのではないか」と考察している。


維新半ば…斉彬に面目ない 西郷隆盛辞世の漢詩? 医師の日記に記述 内容から「本人作」 
 西郷南洲顕彰館(鹿児島市)は11日、西南戦争で自刃した西郷隆盛が残したと考えられる辞世の漢詩が札幌市内で見つかったと発表した。漢詩は同時期に鹿児島に勤務していた医師の日記の中にあり、西郷の名前が添えられていた。直筆ではないが、内容などから西郷作の可能性が高いという。
 西郷は約200首の漢詩を残しながら辞世は確認されていなかった。同館の高柳毅館長は「西南戦争終盤の西郷の心境が記された貴重な発見」として、直筆の漢詩を探している。
 漢詩があったのは、鹿児島県仮病院副院長を務めていた山崎泰輔医師が記した日記で、西郷が自刃した1877(明治10)年9月24日の記述。維新を完遂できなかったむなしさなどが詠まれ、藩主だった島津斉彬にあの世で合わせる顔がないと締めくくっており、挫折感も表れている。内容から、俵野(宮崎県延岡市)に追い詰められた西郷が同年8月17日夜、包囲網を突破する前に詠んだとみられる。
 札幌市の古文書研究家から1月に同館に問い合わせがあり調査。(1)斉彬を師と仰ぐ西郷ならではの表現がある(2)負傷した西郷の長男菊次郎は県仮病院延岡支病院で手術を受けたため、漢詩が医師に渡った可能性がある‐などから、辞世を見た山崎医師が日記に書き留めたと結論づけた。
 鹿児島大の松尾善弘名誉教授(中国文学)は「漢詩のルールを厳格に守る西郷の漢詩の特徴がみられ、西郷の作と考えられる」と話している。



ブックレビュー
幕末明治 百物語 [編]一柳廣孝、近藤瑞木
■信じるかどうかあなた次第

 現代の怪談話芸のマエストロ(巨匠)である稲川淳二氏なら、こう語りだすだろう。

 「いきつけの本屋で、妙だな~、首筋が冷たいな~、怖いな怖いな~と思って、ふと振り返ると……あったんです……この本が」

 オリジナルの扶桑堂版は1894(明治27)年刊というから2世紀をまたぐ復刊となる本書は古式ゆかしい百物語形式にのっとった怪談集だ。しかも、実話ばかりと銘打った際どさが、たまらない。

 百物語は、100の灯火を点じて一つ語り終えるたびに吹き消し、語り尽くされると暗闇に亡霊が現れるとされる。本書は1893年末に東京・浅草で「やまと新聞」が催した「百物語怪談会」を基に同紙に連載された怪談の競作をまとめたもの。語り手も三遊亭円朝、五世尾上菊五郎ら当代一流の通人をそろえた。

 文明開化の明治時代、幽霊などは、病んだ「神経」の作用による錯覚だと啓蒙(けいもう)する反オカルト思想が広まった。

 その合理主義の是非をめぐる心のゆらぎが、この百物語の端々にも見受けられ、そこがすでに「信じるか、信じないかは、あなた次第」という現代の都市伝説の語り口にも通じている。(保科龍朗)

■もっとはまりたい人へ 書店員のおすすめ

 リブロ池袋本店(マネージャー) 矢部潤子さん

〈1〉真景累ケ淵(かさねがふち) [著]三遊亭円朝

〈2〉円朝芝居噺(ばなし) 夫婦幽霊 [著]辻原登

 青山ブックセンター六本木店(文芸担当) 間室道子さん

〈3〉吹雪の山荘――赤い死の影の下に [著]笠井潔他

〈4〉9の扉 [著]北村薫他

〈5〉魔よけ百科 かたちの謎を解く [著]岡田保造

 近代落語の祖である三遊亭円朝は、幕末から人情噺(ばなし)の自作自演を手がけたが、最初のオリジナル作品が怪談の〈1〉だった。

 浄瑠璃の富本節の女師匠が、親の敵の息子と恋仲になり、悪業のたたりがふりかかる。「後半は因果応報の連鎖。その入り組んだどろどろ加減が怖い」と矢部さんはいう。

 円朝も、幽霊「神経」説は心得ていて、〈1〉の話の枕で「幽霊は神経病とされ、近年、廃れてしまった」と語っている。「真景」は「神経」にかけている。

 芥川賞作家の辻原登の〈2〉は円朝を題材にした手のこんだ知的ミステリー小説。円朝の幻の落語「夫婦幽霊」の口演速記録を辻原自身が発見したという設定で、速記から起こされた形で入れ子になっている落語が通人をうならせる迫真の出来である。

 ミステリーでは、百物語のように複数の作者が書き継ぐリレー小説が見逃せない。

 間室さんによれば「リレー推理小説は先に書く人ほど勝手し放題。最後の作家が犯人やトリックの説明などを一手に引き受けねばならなくなる」という。

 〈3〉はその不平等をなくすために、最初から最後の作家までがそれぞれ、「自分が書いた時点で設定した犯人、動機、トリック」を創作ノートで明かし、読者も巻末で楽しめるようになっている。〈4〉はひとつのストーリーを書き継ぐのではなく、次の作家に新たなお題を投げる形式。不連続な短編集のはずなのに、ミステリー作家特有のサービス精神で奇妙な連続性を帯びている、と間室さんはいう。

 〈5〉はイワシの頭から五芒星(ごぼうせい)まで、悪霊や邪鬼を退散させる魔よけの「かたち」大全。百物語の会の必携品だ。

 怖がりでホラーやスプラッタは駄目ダメな自分(行きつけの針灸の先生によると、自分は霊感体質だそうですが)には、手が出ません……^_^;。

文化芸能
“草食男子”じゃない男の姿を 要潤、増上寺で「燃えよ剣」
 幕末を舞台に新撰組副長の土方歳三の生涯を描いた司馬遼太郎の小説「燃えよ剣」が朗読活劇になった。13日、東京・芝の増上寺の屋外特設ステージで行われる舞台で語り手を務める俳優、要潤は「土方の35年の生涯を語り継ぐことで、男子たるものの生き方を現代に照らし合わせられるのではないか」と話す。

 舞台に登場するのは、語り手の要とフラメンコギターの沖仁、歌手の高岸弘樹の3人。当日は晴れれば増上寺本殿に沈む夕日や星空を背景に、土方が武州石田村(現東京都日野市)の農村を出て、新撰組副長として最強の集団を作り、北海道・函館で散るまでを、朗読、ギターと歌声、時には殺陣も交えて表現する。

 「7月に京都・壬生寺でも同じスタイルでお寺の本殿前でやりました。新撰組の本場ですし、作ったセットではないですから身の入り方が違いました」と振り返る要は「龍馬がゆく」で司馬作品を初めて知り、次いで「燃えよ剣」を読んだという。「初めて読んだのは20歳のときでしたが、読み返すに従って発見がある。石田にも行って、上演前に報告しました」と土方への思い入れは強い。当日は原文を再構成した台本を使い、要が土方だけでなく近藤勇ら何人もの浪士となる。ナレーションも担う。

 平成13年に仮面ライダーシリーズのヒーロー役でデビューして8年後、今度は幕末のヒーローを演じる。「今風の“草食系男子”じゃない、男の姿勢を見せたい」と要。現存する土方の写真にならい、洋装に長靴姿の硬派な土方が見られそうだ。

 午後6時開演。雨天決行、荒天中止。(電)03・3498・9999。(飯塚友子)

 要潤さんの洋装土方、壬生寺で上演した時の記事で小さく写ってましたが、まさしく「萌え~♪」な、かっこいい土方さんでしたね。

Crossroads:乱歩歌舞伎「人間豹」 続編の「京乱噂鉤爪」来月上演
◇幸四郎と染五郎が主演「面白い部分取り入れて創作」
 松本幸四郎と市川染五郎の主演で昨年11月に東京・国立劇場で上演された「江戸宵闇妖鉤爪(えどのやみあやしのかぎづめ)-明智小五郎と人間豹(ひょう)」は、江戸川乱歩作品の初歌舞伎化として話題を集めた。その続編「京乱噂鉤爪(きょうをみだすうわさのかぎづめ)-人間豹の最期」(岩豪友樹子脚本、九代琴松演出)が10月に同劇場で上演される。【小玉祥子】

 前作では原作の「人間豹」の設定を昭和から江戸に移し、明智小五郎は探偵から町奉行所同心に置き換えられた。人間豹と呼ばれる怪人、恩田乱学(染五郎)が次々と女性を殺害。最後に明智(幸四郎)に追いつめられ、大空へ姿を消す。

 続編はすべて新たに創作。幕末の京に恩田が現れ、明智は探索のため京へ向かう。明智と恩田は再び闘うが、陰に天下の転覆をはかる陰陽師(おんみょうじ)、鏑木幻斉(中村梅玉)の姿が見え隠れする。

 岩豪は「前作をご覧になった方にも初めての方にも面白くなくてはいけない。乱歩のいろいろな作品から題材を取り入れました」と続編ならではの苦労を語る。

 映画には続編やシリーズ物が多いが、歌舞伎ではあまりない。戦前では六代目尾上菊五郎が木下藤吉郎を演じた「太閤記」シリーズ(1940年)など。近くは市川猿之助によるスーパー歌舞伎「新・三国志」3部作(99年から)や幸四郎の「夢の仲蔵」シリーズ(2000年から)が挙げられる。

 ところが、染五郎は現在もシリーズ物に主演している。東京・歌舞伎座の昼の部で上演中の「竜馬がゆく 坂本竜馬最後の一日」(司馬遼太郎作、齋藤雅文脚本・演出、26日まで)だ。07年9月の同劇場の「竜馬がゆく 立志篇(へん)」を皮切りに、08年9月に同劇場で「風雲篇」が上演され、「最後の一日」で3部作が完結する。演じる役はもちろん竜馬。

 「『立志篇』は、まだ何もなしていない竜馬をどう面白く見せるか。『風雲篇』の竜馬は既にいろいろなことをしている。それをどう整理するか。『最後の日』は竜馬の死までをどう見せるか。それぞれに難しさがあります」と話す。

 「人間豹」の歌舞伎化を提案し、今回の原案を考えたのも染五郎だ。「前作で面白かった部分は、今回も取り入れるようにしました。いいものには普遍性がある。それを探し出すのが、連作の難しさかもしれません」

 宙乗りや炎の場面、鏑木の妖術など、視覚的なおもしろさも味わえそうだ。梅玉も「あいつさえいなければと思っていただけるように憎々しく演じたい」と張り切る。

 幸四郎は九代琴松として演出にもあたる。「新作歌舞伎では珍しい第2弾ができた。『仲蔵』からの積み重ねが乱歩歌舞伎に結びついたと思います」。10月4日から27日まで。問い合わせは0570・07・9900へ。【小玉祥子】<月末を除き毎週火曜日に掲載します>



エンターテインメント
歴史×イケメン王子、話題沸騰の幕末活劇『はじめて幕末王子』ここに登場!
ケイブは、2009年9月7日(月)より、来年の「大河」を先取りしたiモード向けアプリゲーム『はじめて幕末王子』のサービスを開始しました。

『はじめて幕末王子』は、同社が発売してきた「はじめてシリーズ」の第三弾で、常識となりつつある歴史の“ちょっと気になる”“知らなきゃヤバい”といった内容を、ゲームで楽しみながら、ついつい誰かに話したくなるような歴史ネタ、会話を盛り込んだ作品です。

本作は、来春放送予定のNHK大河ドラマ『龍馬伝』、過去に放送された『新撰組!』など、露出も多く、小説や漫画など幅広くメディア展開されている幕末時代をピックアップして、女性向けに作成したアドベンチャーゲームです。

1日たったの5分と、電車の中やお昼休み、就寝前などのちょっとした時間に簡単進められて、選りすぐりのイケメン王子達の歴史を垣間見ることができます。

登場するイケメン王子達は、幕末動乱を鮮やかに駆け抜けた幕末の志士たち。『新選組!』で有名な近藤勇、土方歳三、沖田総司、『龍馬伝』にて主役の坂本龍馬たち。彼らの日常の掛け合いにドキドキしたり、真剣な事件にハラハラしたりと、幕末志士たちが最も輝いた時期を華麗に描き出されています。

ゲームを進めて理想のイケメン王子と恋仲になってみたり、颯爽と歴史を一緒に駆け抜けてみたり、それはプレイヤー次第です。さらにゲームを進めると王子たちに関係するアイテムや美麗イラストをゲットすることもできます。

また、物語の進行によっては二つの異なるシナリオを読むこともできます。一つは、歴史に名を残す志士たちの弱い面が垣間見える「夜シナリオ」。もう一つは、謎の「妖刀」を巡る、史実の裏の顔を堪能する「妖シナリオ」です。通常とは違うシナリオで、一味違うキャラクターの魅力を存分に楽しめます。

そのほか、あの西郷隆盛が連れていた犬(名称:ツン)を育成することもできます。愛らしいツンにかまってあげることによって、王子たちの特殊なシナリオを読むことができるようになるので、育成する楽しみもグッと盛り上がります。

『はじめて幕末王子』は、NTTドコモiアプリ対応機種でダウンロードでき、価格は月額315円(税込)です。

 いかにもな受け狙いのタイトルにニヤニヤして読んでいたら、西郷隆盛の愛犬ツンを育てるモードがあるところで爆笑。
 で、画像見たら伊達政宗と武田信玄が闘ってるんですが、どこが幕末なんだろう(笑)……違うゲームの画像ですかね^_^;。

幕末志士と歴史を勉強『はじめて幕末王子』9/7サービス開始
ケイブは2009年9月7日(月)、iモード向けアプリゲーム『はじめて幕末王子』のサービスを開始した。

 本作は、同社がリリースした女性向けアプリ『はじめて戦国王子』『はじめて三国王子』に続く「はじめてシリーズ」の最新作。同シリーズでは、1回のプレイ時間が5分程度で、電車での移動時間や休憩中など、少しの時間でゲームを楽しむことができる。

 『はじめて幕末王子』では、近藤勇や土方歳三、沖田総司といった「新撰組」のほか、坂本龍馬や西郷隆盛など、幕末の乱世を舞台に活躍した志士達との日常を楽しみながら、幕末の歴史を体験することができる。
 また本作では、物語が進行すると、「夜シナリオ」「妖シナリオ」と呼ばれる特殊シナリオを読み進められるようになり、通常シナリオとは異なる志士達の一面を見ることができるようになる。

 さらに『はじめて幕末王子』には、西郷隆盛の愛犬「ツン」を育成できるアプリが用意されており、「ツン」を育てることで、キャラクタ毎に用意された特別シナリオを楽しめるようになる。

 こっちに画像がありました。
 今風のキャラ絵ですね。「ツン」画像、笑った……何ですか、この画風の違いは(爆)。

 他にも。
幕末歴史アドベンチャー「はじめて幕末王子」本日配信!&公式サイトオープン!
来年の「大河」を先取り!今から話題沸騰の「幕末」が舞台!歴史×イケメン王子で楽しむ『はじめて幕末王子』ここに登場!
 こちらのリンク先に飛ぶといきなり音楽が流れますので注意。
 姉妹作品が「三国志王子」と「戦国王子」なのには、また爆笑。ファンが集中しているジャンルをコンプリートしてるんですね。

龍馬イズノットデッド。歴史を変える新・坂本龍馬伝
梅村真也原作による橋本エイジの新連載「天翔の龍馬」が、9月18日発売の週刊コミックバンチ42・43合併号(新潮社)にてスタートする。

幕末の政治家として歴史に名を残し、数々の名エピソードで小説や映画の題材として広く取り上げられる坂本龍馬。「天翔の龍馬」では、近江屋で暗殺されたはずの龍馬が「もしも生きていたら」というパラレルワールドを描く。暗殺が行われた慶応3年11月15日に何が起こったのか。史実にはないまったく新しい龍馬物語が幕を開ける。

9月18日発売の週刊コミックバンチ42・43合併号には、龍馬が実際に書いた政治綱領「新政府綱領八策」が付録される。下関市立長府博物館所蔵のものを実物大で再現した、龍馬ファンにはたまらないお宝だ。

 歴史ifパラレルものは嫌いではないので(いろいろ整理した後の書棚にも、もし開陽丸が沈んでなかったら、で始まる『逆転!維新箱館戦争』広瀬仁が残っています)。



[[ OZmall OZ子のホンネ調査「旅・おでかけのホンネ編」 ]]
「空前の歴史ブーム。“歴旅”に興味ある? 」についてのアンケート調査を実施

69%が“歴史的スポット”に興味アリ!
“興味はあるけれど知識が追いつかない”歴女予備軍が多数!

 女性向けWEBサイト「OZmall」を運営するスターツ出版株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:菊地修一)は、OZmall会員(会員数95万人、女性比率85%、平均年齢29.6歳)を対象とした「空前の歴史ブーム。“歴旅”に興味ある? 」についてのアンケート調査を実施しました。東京OLの人気サイト「OZmall」からOLのホンネをお届けします。

★“興味はあるけれど知識が追いつかない”歴女予備軍が多数!

旅行に関する歴史的キーワードとしてダントツ人気だったのが、坂本龍馬と新撰組。やはりなじみが深いからでしょうか? 次いで人気があったのは、その時に放映されている大河ドラマ関連。現在は直江兼続が注目されているようです。ツアーなども企画されるから、行きやすいのもポイントですよね。そして目立ったのが、「興味はあるけれど、どこになにがあるのかよくわからない」という声!「学校のような勉強はイヤだけど、初心者にも分かりやすいガイドや、ツアーがあったら参加したいな」というリクエストも多数。確かに、ちょっと歴史を知っているだけで、旅がぐーんと深いものになりますよね。秋の旅行・おでかけは、みんなが立ち寄った歴史的スポットを参考にしてみては?

 知識の壁を乗り越えてこそ「歴女」ではないかと(苦笑)。
 アンケート詳細はこちら





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