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新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。


サイト「歌舞伎美人」より、みどころ。
第二部

一、吹雪峠(ふぶきとうげ)

極限に追いつめられた三人の心理ドラマ
 荒れ狂う吹雪の中、必死の思いで山小屋に辿り着いた助蔵とおえん。そこへ、助蔵の兄貴分だった直吉が現れます。おえんは昔、直吉の女房でしたが、助蔵と密通を重ね、駆け落ちをしたのでした。二人を許した筈の直吉でしたが、仲睦まじい様子に耐え切れず、二人に出て行くように命じます。しかし外は猛吹雪。固く結ばれていたはずの二人が、死への恐怖から互いに罵り合い、自らの命乞いをしはじめ…。
 心に潜む感情を剥き出しにする人間の本能を鮮やかに描き出した作品をご覧ください。

二、菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)

  寺子屋

忠義のはざまで苦悩する夫婦の姿
 武部源蔵は、妻戸浪とともに寺子屋を営みながら、菅丞相の子、菅秀才を匿っています。しかしそのことが時平方に知られてしまい、菅秀才を討つように命じられます。思い悩んだ源蔵は今日寺入りしたばかりの小太郎の首を検分役の松王丸の前に差し出し、なんとか窮地を切り抜けます。しかし、小太郎の母千代が迎えに来てしまい、源蔵が千代に斬りかかろうとしたところへ、松王丸が現れて…。
 時代物のなかでも屈指の名作で、今回は寺入りからの上演となります。重厚感のある一幕にご期待ください。
 落語でいえば新作と古典ぐらいの違いはある。あるいは、近代小説と古典小説の違いの方が近いかも知れない。近代小説は自我を持つ個人の欲望と関係性の中での葛藤で、古典小説は、親子、主従、忠義という建前と親子の情愛という本音の間で葛藤する。

 どちらも面白かった。「吹雪峠」は落語の「鰍沢」を思い出す、見延山詣りの帰り道で雪に降り込まれて小屋に逃げ込む駆け落ち者に、女の夫であり男の兄貴分である直吉が加わり、三人三様のドロドロに。何と言っても七之助のおえんが、不倫という蜜の味に触れて色艶の凄絶なこと。直吉に刀を突き付けられるとコロリと命乞いして助蔵を罵る浅はかさもいい。
 密室劇で自分可愛さに他人を売る本音が剥き出し合って、たまらない。松也も第一部のめいとはまったく違う、病気で気弱になり、女を裏切って兄貴に媚びる、ちゃらいイケメンがうまい。中車は、現代的な作風のこの作品によく合っているが、現代劇で見せている鬼気迫る快演ぶりは感じられず。

 「寺子屋」は今年五月の園菊祭で海老蔵の松王丸、松緑の源蔵、菊之助の千代を見ているのだけど、今日の勘九郎の松王丸、松也の源蔵、七之助の千代の方がずっといい。特に勘九郎は初役だそうだけど、松王丸が首実検して我が子の首を菅丞相の子と言わねばならない悲劇、そして後半は犠牲になった子の立派な死に際をあっぱれと褒めながら、ついにこらえきれず男泣きに泣く場面に武士らしさ漢らしさがある。第三部の玉三郎さんとの共演を見るのが楽しみ。
 七之助さん、松也さんも際だってて、新鮮ながら役に負けていない演技力が冴え、この作品の難しさをきちんと受けとめて消化していたと思う。

<評>歌舞伎座「十二月大歌舞伎」 絢爛豪華 芸の継承
(略)
 第二部の「菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ) 寺子屋」は「寺入り」のつく形で、市川寿猿の下男三助と市川弘太郎の涎(よだれ)くりがいい。中村勘九郎初役の松王丸は、正体不明の奇怪な役ではなくキッカリと描線の太いのが新鮮で、特に前半を敵役として明確に造形しているので後半の愁嘆が引き立つ。中村七之助の千代は母性もさることながらどこかクールな苦悩が際立つ独特の感触。市川猿弥の玄蕃、中村梅枝の戸浪(となみ)。他に市川中車、松也、七之助の「吹雪峠」。
(略)
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 これは中村獅童にとっての当たり役になるだけでなく、歌舞伎の裾野を大きく広げるコンテンツとして発展させていくことができる大きなコンテンツだと思う。絵本や映画で原作に親しみを持っている子供、歌舞伎は敷居が高いと思っているネット民、など。
 そして、海外公演もこの普遍的なメッセージとシンプルなコンテンツ、獅童さん初めとする役者の表現力と情熱はとてもいいと思う。ディズニーの「ライオンキング」の主人公は父の敵を討ってジャングルの王になるのだけど、「あらしのよるに」のがぶは「友達だけど美味しそう」という食物連鎖の本能とたったひとりの友との友情に葛藤しながら、父の敵討ちはしたけど長にはならず、禁断の友人とともに生きることを選ぶ。狼なのに草食系ながぶは、とても日本的なキャラクターかも知れないけど、民族や人種、宗教、性別、性的嗜好に分断された多民族環境でセンセーショナルなファンタジーとして受ける可能性がある。私が歌舞伎の海外公演をプロデュースできる立場だったら、これはまずヨーロッパ公演でやりたい。そして、南北アメリカだけでなく、中近東やアフリカでもアジアでも展開してみたい。

【伝統芸能】<歌舞伎>異色作 嵐起こす獅童 12月歌舞伎座「あらしのよるに」
 十二月の東京・歌舞伎座で、絵本を原作にした新作歌舞伎「あらしのよるに」が上演される。昨秋、京都・南座の初演で大成功を収め、その再演となる。企画を主導した中村獅童は「新しいお客さまを開拓していくのが一つの僕の使命。持っているものを、すべてぶつけることができたら」と、さらなる挑戦に力を入れる。 (前田朋子)
 「あらしのよるに」は、子どもや外国人にも分かりやすいシンプルな展開ながら、深みと普遍性を持つ物語。NHK・Eテレの子ども向け番組「てれび絵本」で取り上げられた際は獅童が語りを務めたほか、劇場アニメ版でも今回演じる狼(おおかみ)「がぶ」の声を担当し、思い入れもひとしお。
 「NHKは僕が(義経千本桜の)『四(し)の切(きり)』で狐(きつね)を演じているのを見て起用をひらめいたみたい」と明かし、今回の歌舞伎化には「逆にファンタジーでアナログな精神が歌舞伎になる」と感じたという。歌舞伎化は、二〇一三年に亡くなった母・陽子さん=享年(73)=と目指した長年の夢でもあった。
 異色作ゆえに「本当に不安だった。どうなるか分からなかった」と初演を振り返る。だが、学校行事で観劇した学生たちが泣き、笑い、声援を飛ばし…とストレートに反応するのを見て自信がついた。「授業だからつまんなかったら寝ちゃうだろうし。それが若い人やお子さんたちも退屈せずに見てくれたのが非常にうれしかった」
 初心者に分かりやすく工夫する一方で、古典調の演出を強く意識。名作からの引用を随所に施し、歌舞伎上級者にも楽しめる仕掛けにもこだわった。
 狼が山羊(やぎ)の「めい」と友情をはぐくむ物語は、相いれないもの同士の融和という読み方もできる。「もしかしたら人種問題につながるかもしれないし、男女でも、理想と欲望のはざまで戦う自分でもいい。いろいろな角度で捉えることのできる深い物語だからこそ、子どもにも大人にも愛される」と魅力を語る。
 がぶやめいが互いを必要とするように、獅童にとって「なくてはならないもの」が歌舞伎。未来の歌舞伎に何が必要か、自分に求められるのは何かを常に考えている。「皆さんに名前を知っていただこうと、三十代のときに必死でやってきた歌舞伎以外の仕事で受けた刺激を、歌舞伎の形にしていくのが僕の生き方」。四十四歳の今、その積み重ねが次々に花開いている。
 二~二十六日。外国人や歌舞伎になじみのない観客も意識し、一部あたりの上演時間が短い三部制公演。第一部(午前十一時開演)「あらしのよるに」はめいに尾上松也、ほかに市川中車らが出演。第二部(午後三時)は「吹雪峠(ふぶきとうげ)」「菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ) 寺子屋(てらこや)」で、中村勘九郎、七之助ら。第三部(午後六時半)は坂東玉三郎らの舞踊「二人椀久(ににんわんきゅう)」「京鹿子娘五人道成寺(きょうかのこむすめごにんどうじょうじ)」。チケットホン松竹=(電)0570・000・489。
◆狼と山羊の友情
<あらしのよるに> 1994年に絵本作家きむらゆういちさんとあべ弘士さんが発表。嵐の日、暗闇の小屋で一夜を過ごした狼のがぶと山羊のめいが意気投合。互いの姿も見えぬまま「あらしのよるに」を合言葉に翌日の再会を約束するが…。「友達なのにおいしそう」と葛藤するがぶと、がぶを信用し切れないめいが友情をはぐくむ物語は大きな反響を呼び数々の絵本賞を受賞。続編や特別編も出版され、映画やゲームでも展開されている。

【鑑賞眼】「あらしのよるに」番外の面白さ 歌舞伎座「十二月大歌舞伎」 
 年末では珍しい3部制。新作と古典、各部に特色ある演目を配置、歌舞伎の多彩な魅力を満喫させた。

 第1部の新作歌舞伎「あらしのよるに」が番外の面白さだ。平成7年、第42回産経児童出版文化賞JR賞などを受賞した、きむらゆういちの絵本。舞台化、アニメ化(映画、テレビ)が先行しているが、昨秋、今井豊茂脚本、藤間勘十郎演出・振り付けで京都・南座で初演された。

 狼のがぶ(中村獅童)と山羊(やぎ)のめい(尾上(おのえ)松也)が嵐を避け、避難した小屋で互いに素性を知らずに心を通じ合い、翌日、再会を約す。声だけの手掛かりしかない2頭の合言葉が「あらしのよるに」。食う側と食われる側。黒系の狼、白系の山羊とビジュアル面でもシンボル化され、義太夫と下座音楽を効果的に使って進む。獅童の思い入れが沸騰している。気が弱い優しい狼を愛嬌(あいきょう)と台詞廻(せりふまわ)しにたっぷり託す。松也も現代的な活発なめいで、雄なのか雌なのか曖昧な甘さで効果を発揮。市川中車(ちゅうしゃ)(香川照之)が悪役狼、ぎろ。
(以下略)

12月、歌舞伎座で「狼」を演じる中村獅童──「伝統」を今に生かす
 12月2日から、東京の歌舞伎座で、注目の歌舞伎が上演される。主演は中村獅童。演目は絵本を歌舞伎化した『あらしのよるに』である。歌舞伎に革新のエネルギーを吹き込みつづける獅童にフォーカスした。

写真・篠山紀信 スタイリング・長瀬哲郎(UM)
ヘアメイク・masato(marr) 文・山下シオン

新作歌舞伎『あらしのよるに』のオオカミ、がぶ役に扮した中村獅童。2015年9月、南座。

革新のエネルギー

中村獅童を知ったきっかけが、2002年に上映された映画『ピンポン』のドラゴン役だったと答える人は少なくないだろう。そのとき、獅童は30歳。映画俳優として注目された新進の歌舞伎役者も、今では歌舞伎界を牽引するキー・プレイヤーの一人である。

歌舞伎は、400年以上にもおよぶ歴史によって鍛え上げられた伝統を守りつつも、常に役者や戯作者が革新のエネルギーを生み出すことによって、時代とともに進化してきた。中村獅童はそんな「進化」のための「革新のエネルギー」の発生装置である。

中村獅童という名跡(みょうせき)は、獅童の祖父である三代目中村時蔵の俳名(はいみょう)で、獅童の父親が初代である。ところが初代は歌舞伎を辞めてしまったため、息子である当代が二代目中村獅童を名乗ることとなった。

父親が歌舞伎を廃業したことは、獅童が後ろ盾を失ったことを意味した。それでも獅童は、自らの意志で歌舞伎役者の道を選び、母の故・小川陽子さんとの二人三脚もいとわず、あらゆることに挑戦した。獅童という名跡を大きくしたいという思いが、その原動力となっていたのかもしれない。

しかし、その挑戦の道のりは、決して平坦なものではなかった。歌舞伎の舞台に立つようになっても、最後列の端っこに並んでいるだけの役しかないような下積みの時代がつづいたのである。そこで獅童はあらゆるオーディションを受け続け、ようやくのことでかちとったのが『ピンポン』の準主演ともいえるドラゴン役だった。

当時、『ピンポン』を観た故・18代目中村勘三郎から、「お前さんは歌舞伎を観たことのない人たちを振り向かせることができる役者なんだよ」といわれたのを、獅童は今もはっきりと覚えているという。この映画での強烈な好演によって、獅童の知名度は一気に上がり、歌舞伎でもいい役がつくようになる。そして、今では主役を演じる立役者の一人だ。

しかし、獅童は現在でもチャレンジをやめない。最近では絵本を歌舞伎化した『あらしのよるに』で主演を勤めるいっぽうで、バーチャルアイドルの初音ミクと共演しもした。

『あらしのよるに』

獅童が絵本『あらしのよるに』に出合ったのは2002年。NHK教育テレビで放映された番組で、ナレーションをしたうえ、全キャラクターの声優を務めた。番組プロデューサーは、『義経千本桜』の「四の切」で獅童が演じる狐忠信を観て出演依頼したという。その後2005年に、原作が映画化されたのだが、そのときにも、獅童はオオカミのガブ役で声優として出演している。

この作品の歌舞伎化は、獅童本人はもとより、母・陽子さんの切望でもあった。

『あらしのよるに』というお話は、狼(喰うもの)と山羊(喰われるもの)という和解の困難な、非対称的な集団同士の関係のなかで、一頭のオオカミ(ガブ)と一頭のヤギ(メイ)が、ある「あらしのよる」の出会いによって「ひみつのともだち」となったことを軸に展開する勇気と友情の物語である。それぞれが属する集団同士の関係の軋轢によってもたらされるさまざまな試練を受けながらも、ガブとメイはたがいの友情をどこまでも貫いていく。この作品は、人情物の演技に冴えをみせる獅童にふさわしい、と陽子さんは考えた。そして、すでに10年以上も前に、『あらしのよるに』を歌舞伎化して獅童にやらせてほしい、と制作会社に懇願していたという。この母の願いのことは、2015年に京都・南座で『あらしのよるに』の歌舞伎がはじめて上演されることになったとき、獅童に明かされたという。

さて、「四の切」の例にもあるように、動物を擬人化する演出手法は歌舞伎にはもともと存在する。原作の絵本の台詞については義太夫節や長唄によって置き換え、風や浪の音は大太鼓で表現したりして、歌舞伎の魅力を存分に生かした歌舞伎版の『あらしのよるに』が誕生した。果たして、会場となった南座には、小さな子どもだけでなく、高校生などをふくめ、ふだんとは様相の異なる観客の姿があった。12月以外の歌舞伎公演は厳しいとされる京都で、9月だったのにもかかわらず札止めとなったのである。

歌舞伎すげー

初音ミクと「超歌舞伎」で共演したのは2016年4月のこと。獅童は『義経千本桜』の忠信に扮し、映像の初音ミクに合わせて演じた。生身の人間ではない共演者と息を合わせるのは難しかったが、ふだん歌舞伎を目にすることのない初音ミク・ファンたちの反応に歌舞伎のエネルギーの強さを再認識した。奇抜な衣装と派手な化粧に驚いた観客が書き込んだ「歌舞伎すげー、歌舞伎超かっけー」という文字がニコニコ動画で次々と流れた。

獅童はこうして演技の幅をひろげ、奥行きもふかめながら、新しい、素晴らしい才能との出会いを蓄積してきた。そうして、歌舞伎界におけるその独特の存在感の強度を増している。亡き勘三郎がいみじくも言ったように、獅童は今もなお、「歌舞伎を観たことのない人たちを振り向かせることのできる役者」だ。歌舞伎という大衆演劇の伝統と革新を一身に体現することによって、歌舞伎を知らない人に歌舞伎に触れてもらう場をつくりつづけていくこと、このことこそが、おそらくは獅童の使命なのだろう。

中村獅童 歌舞伎俳優
1972年生まれ。東京都出身。1981年、歌舞伎座で初舞台を踏み、二代目中村獅童を名乗る。2002年、映画『ピンポン』のドラゴン役で注目を集め、映像や舞台で活躍。近年では映画『硫黄島からの手紙』『レッドクリフPARTⅠ&Ⅱ』『振り子』、NHK大河ドラマ『八重の桜』、舞台『青い瞳』などに出演。歌舞伎役者としても幅広い役に挑み2016年は『四谷怪談』の民谷伊右衛門役、『勧進帳』の富樫役などを勤める。屋号は萬屋(よろずや)。

『あらしのよるに』
十二月大歌舞伎
第一部 11:00開演
新作歌舞伎『あらしのよるに』
オオカミだけどおひとよしな、がぶ役には中村獅童。やぎのめい役は尾上松也。子どもから大人まですべての人が楽しめる新作歌舞伎。
第二部 15:00開演
『吹雪峠』『寺子屋』
第三部 18:30開演
『二人椀久』『京鹿子娘五人道成寺』
期間:12月2日(金)〜26日(月)千穐楽
場所:歌舞伎座
出演:坂東玉三郎 中村獅童
中村勘九郎 中村七之助
市川中車 尾上松也 ほか
観劇料:3000〜17000円
〈チケットホン松竹 Tel.0570-000-489
http://www1.ticket-web-shochiku.com/〉

中村獅童がニコ生で、超歌舞伎「今昔饗宴千本桜」&「あらしのよるに」を語る
中村獅童が、12月22日22:00よりニコニコ生放送にてオンエアされる「中村獅童と超歌舞伎『今昔饗宴千本桜』振り返り生実況」に登場する。

これは、現在、東京・歌舞伎座にて行われている「十二月大歌舞伎」の第1部「あらしのよるに」の上演を記念した番組。同作で主人公・がぶ役を演じ終えた獅童の楽屋から生中継を実施し、4月に上演された獅童と初音ミクの主演作「超歌舞伎『今昔饗宴千本桜』」を観ながら、解説や裏話を披露する“振り返り実況”を行う。さらに獅童が主演を務める「あらしのよるに」についても迫り、作品の魅力を伝えていく。
 ニコ生実況も弾幕張って(途中からは重くなって投稿できなくなりましたが)楽しかったです。
国立劇場50周年記念特設サイトより。
第八段 道行旅路の嫁入
あらすじ 
 許嫁の間柄であった大星力弥と本蔵の娘・小浪(二段目)。しかし、刃傷事件(三段目)で塩冶家がお家断絶となり、力弥と小浪の縁談も流れるはずでした。しかし、小浪は力弥と添い遂げたいと願い、母の戸無瀬とともに、由良之助一家の住む京都・山科へ向かいます。その道中を綴ったのが「道行旅路の嫁入」です。
みどころ
 力弥との生活に想いを馳せる小浪と、継母でありながらも娘を温かく見守る戸無瀬の姿が、義太夫節の名曲で綴られます。義理の母娘の道行という趣向が珍しく、華やかな曲調の中にも二人の哀感が漂う舞踊劇です。

第九段 山科閑居の場
あらすじ
 祇園から山科の自宅へ帰ってきた由良之助。酔っ払ったように振る舞っていますが、力弥と討入りの計画を練ります。
 戸無瀬と小浪が訪れます。由良之助の妻お石に対面した二人は、小浪と力弥の婚姻について切り出しますが、お石は、本蔵のことが許せないので、祝言を挙げることはできないと言い放ち、立ち去ります。本蔵が師直に賄賂を贈ったことが刃傷事件の遠因となり、さらに刃傷事件の時に判官を抱き止めたため、判官は師直を打ち果たせず、無念の想いを残すことになったのです。
 小浪は、力弥と添うことができなければ死んでしまいたいと告げます。戸無瀬は、小浪を殺した後で自害するつもりです。戸無瀬が刀を振り上げると、お石が止めます。力弥への想いが本気であるなら、本蔵の首と引き換えに祝言を許す、と言います。困惑する戸無瀬と小浪ですが、そこへ虚無僧に身をやつした本蔵本人が現れます。
 本蔵は、お石に向かい、遊興に耽る由良之助を嘲笑います。怒ったお石は、槍で本蔵に襲い掛かりますが、反って組み敷かれてしまいます。その様子を見た力弥が本蔵を槍で突いて止めを刺そうとした時、由良之助が制します。本蔵の真意を見抜いたのです。
 本蔵と由良之助、両者の苦衷と覚悟が明かされます。

みどころ
 九段目では、登場人物の各々の事情が絡み合い、複雑で人間味溢れるドラマが展開します。
 今回は、由良之助が祇園から帰宅する“雪転し(ゆきこかし)”の件から丁寧に上演します。昭和61年12月国立劇場での上演以来30年ぶりです。
 小浪と力弥の祝言をめぐる戸無瀬とお石の応酬では、二人の武家の妻としての義理と人情が感じられます。
 戸無瀬と小浪が死を覚悟する件は、生さぬ仲だからこそ、お互いを強く思い合う親子の情愛を描いており、前半のみどころです。
 主君を思ったための行動が結果的に塩冶家を苦しめただけでなく、娘の幸せを奪ってしまったと、武士として父親として苦悩する本蔵。その想いを胸に秘めた本蔵に対し、その心中を察した由良之助が見せる深い思慮。後半は、同じ家老という立場でありながら、運命が別れた二人を軸に、両家の交流が描かれます。

第十一段 天川屋義平内の場
あらすじ
 摂津・堺の廻船問屋の天川屋では、主人の義平が由良之助から頼まれて、討入りに必要な武具を調達しています。義平は妻のお園を病気療養と称して実家に帰らせています。というのも、お園の父・太田了竹はかつて斧九太夫(七段目)に仕えており、了竹が師直方へ情報を流すことを、懸念したからでした。
 その晩、了竹が娘への離縁状を要求します。不意な願いに義平が断ると、娘と天川屋に居座ると言い出したので、離縁状を書きます。了竹は、支度金目当てに、お園を他所へ嫁がせようとしていたのでした。
 了竹を追い出した後、捕手が押し入ります。捕手たちは、義平が由良之助の討入りに加担し、武具を調達しているのではないかと疑います。さらに、義平の息子・由松に刀を突き付け、自白を強要します。しかし、義平は抗い抜く姿勢を見せます。
 すると、由良之助本人が現れ、驚くべき事実が明かされます。

みどころ
 町人でありながら武士にも勝る義俠心に徹する天川屋義平。「天川屋義平は男でござる」と言い放つ件が最大のみどころで、聞きどころでもあります。また、その俠気に応える由良之助の義平・お園夫婦に対する温かい配慮も、見逃せません。

第十一段
高家表門討入りの場、同 広間の場、同 奥庭泉水の場、同 柴部屋本懐焼香の場、花水橋引揚げの場

あらすじ
 降り積もる雪の中、師直館の表門には、大星由良之助率いる塩冶浪士が集結し、いよいよ討ち入ります。

みどころ
 揃いの雁木模様の装束を着た塩冶浪士たちの姿は圧巻です。討入りへの緊張感と大願成就への期待が高まります。
 高家の手練の付人・小林平八郎と塩冶浪士の竹森喜多八の二人が繰り広げる激しい立廻り、師直の息子師泰と力弥の立廻りなど、入り乱れる浪士と師直方の戦闘は手に汗握る展開に。また、今回は、原作の“財布の焼香”をアレンジした「柴部屋焼香」も上演し、悲運の死を遂げた勘平への追慕の念を見せます。
 幾重にも重なり合う登場人物たちの様々な願いや想い。壮大な人間ドラマがついに「討入り」で完結します。大望を果たした浪士たちが晴れ晴れとした表情で引揚げる大団円「花水橋引揚げ」までお見逃しなく!
 児太郎ちゃんの小浪が凄いよかった。お父さんの福助さんが入院して親子襲名が実現していないけど、娘ながら色気のある小浪で綺麗だった。

 全体には梅玉さんのすっきり由良之助でまとめられているのだけど、加古川本蔵の幸四郎さん(三代まとめてご襲名おめでとうございます)が入るとこってり濃い味になってしまう、というような内容のtwitter投稿を見かけて笑ってしまった。そう、第一部で由良之助を演じておられた幸四郎さんが花道に立った瞬間、歌舞伎にミュージカルが乱入してきたような違和感を感じたのでした。まさにその通り。

 そして、討ち入りの場面は、いつもは女形の米吉くんが力弥を演じて斬り合いがあったりするのが、とても嬉しい。花道の楽屋に近い座席だったので、アップで引き上げる凛々しい力弥ちゃんを見られたのもよかった。四十七士勢揃いは圧巻。錦之助の寺岡平右衛門(おかるの兄)が田舎丸出しで目立つ。でも宿願かなって早野勘平のために焼香できてよかったね。

 あと、配役には入っていないのだけど、子役がよかった。義平の息子(2歳児?)、高家の茶坊主。
諸般の事情で文蔵師匠の襲名披露興行、寄席には行けなかったので四派から私好みの豪華ゲストが集結する落語会へ。普通の披露興行はベテランの師匠が口上に並ぶのでフォーマルな感じになるけど、この若さでこの面子となればかしこまった口上にはなるまいと踏んだ通り……いや、それ以上にはじけた高座と口上だった。

真田小僧/かな文
 文左衞門、いや文蔵師匠の影響を強く受けている上に、さらに現代劇っぽい間合いと台詞回し。何だろう、微妙に落語と演劇の境界線を演劇寄りに行っているような、ふた昔前だったら落語じゃなく一人芝居と分類されるような、演劇的な感覚がある。でも落語観が自由な今だったら、寄席でも落語として受け入れられる気がする。

蝦蟇の油/一之輔
 千葉県の中学生の修学旅行は日光だし、遠足は筑波山で、さらに鋸山とマザー牧場って千葉県ネタだけで笑える関東人。そこから筑波山の蝦蟇から取ったという蝦蟇の油の口上。一之輔さんの「蝦蟇の油」は何回か聴いてるけど、この大箱で、なんてゆったり、まるで自分のホームグラウンドのように(笑)口上をやってくれるんだろう。
 そして、酔っ払った後の口上のはっちゃけぶりは、たぶん文師のお祝い興行だから通常の3倍増し(汗)。いくつか自分的に受けた中で、正楽師匠の紙切りをぶっこんでくれるのが嬉しい。そして、この落語会が四派による火花散らす爆笑ネタの競演となる、その前振りになったね。

漫談/ロケット団
たぶん寄席の漫才の中で一番好きなコンビ。久しぶりだと思ったのだけど、三浦さんが膝の半月板を骨折して入院していて暫く上がれてなかったらしい。
 四文字熟語ネタとか、あぶない北朝鮮ネタとか、好物です。

かぼちゃ屋/談春
 そーか、ロケット団からTVドラマ『下町ロケット』で中小企業の経理の殿村さんを演じた談春さんが「ロケット」つながりで出て、同ドラマで殿村と阿部ちゃん演じる主人公に融資を拒否した銀行の貸し付け担当者を演じた昇太さんに繋ぐのか♪
 文師のお祝いのせいか、いつもよりも爆笑ネタになるように与太郎をやる春師。

力士の春/昇太
 そして『下町ロケット』で貸付を断る小者な銀行員を楽しく演じた昇太師。城好きであちこちに呼ばれているという近況から、来年の大河では今川義元を演じるという案内と宣伝。でも、あまり感情が顔に出ない上に、台詞ほとんどなし……?
 ひょっとしたらライブで聴いたのは初めてかも。お祝い気分があっていいですね。

中入

口上
 そもそも落語協会代表で仕切りが一之輔さんというところからして、グダグダ。初めて文師と会って初めてのイベントが先代文蔵師のお通夜で、トランプを買いに走らされて、買ったのがハム太郎のトランプセットだという、爆笑噺。というか、口上と司会進行としては、すでにぐだぐだ。大丈夫か、落語協会。
 兼好師はNPO法人圓楽一門会として挨拶。
 談春師は宗教法人落語立川流として挨拶。何か途中で「宗祖が亡くなった後の宗教法人は楽だぞ」と言っていたのは聞き逃さなかった(笑)。
 昇太師は公益法人落語芸術協会の理事として挨拶。一之輔さんからずっとぐだぐだな口上が続き、いちいち文師が突っこみを入れていたのだけど、最後の昇太さんは一応形になる挨拶とお手を拝借。そして、寄席だと本人挨拶はないと思うのだけど、これだけフリーダムな落語会だと本人挨拶も。

宗論/兼好
 小三治さんの演じるものはじめ好きなネタなのだけど、テキストに準拠しながら、これだけ笑いが多い『宗論』はなかなか出会えないかも知れない。もうほんと爆笑。すばらしい。

転宅/文蔵
 以前より女性の演じ方が色っぽくなったかも。流れで、今回は爆笑系。
『真田丸』再放送見ながら、まとめています。前回の信伊叔父上・昌相さま再登場含めた充実したドラマ、今週は堺さんの『あさイチ』出演と、充実しておりました。

北海道
「日本初」幕末の国産ストーブに火入れ 北海道 函館
北海道函館市の資料館で復元された、日本で最初につくられたとされる国産ストーブに火をともす恒例のイベントが行われました。
国産初のストーブは、今から160年前の江戸時代末期に、五稜郭の築城で知られる武田斐三郎が、函館に停泊していたイギリス船のストーブを参考に設計したと言われています。

11月25日は、そのストーブに火がともされた日で、函館市内の資料館では、まず小学生や市民が火打ち石を使って火花を飛ばし、江戸時代の火のつけ方を体験しました。そして、復元された、日本で最初に作られたとされる国産ストーブに資料館の館長が火をともしました。

ストーブは高さおよそ90センチ、直径およそ50センチの筒型で、当時と同じく鋳物で作るなど、忠実に再現されています。参加した人たちはストーブに手をかざしながら幕末の当時に思いをはせていました。

参加した小学生は、「火がぼうぼう燃えていて、とても温かくてすごかったです」と話していました。このストーブは函館市の箱館高田屋嘉兵衛資料館で展示されています。

福島
丹羽家当主ら戊辰戦争語る 『奥州三大名』歴史座談会、福島・二本松
 二本松藩の歴史を広く知ってもらおうと、丹羽家をはじめ、親交のある米沢藩上杉家、盛岡藩南部家の当主らによる歴史座談会が23日までに、二本松市の安達文化ホールで開かれた。震災復興支援事業で市教委の主催。

 「奥州三大名の維新前後」をテーマに、二本松藩丹羽家18代当主丹羽長聰氏、米沢藩上杉家17代当主上杉邦憲氏、盛岡藩南部家46代当主南部利文氏が東北の悲劇となった戊辰戦争などに思いをはせた。

 座談会では、各家の家訓やしつけに関する話題にも及んだ。丹羽氏は二本松を訪れ「殿様だったら愚直であってほしい」と言われたことに触れ「最近はこの言葉が(自分に)合うような気がする。東北の大名には通じるものがあるのでは」などと述べた。

「喜多方」ゆっくり楽しんで 県外サイクリストに向け自転車観光推進
 東京電力福島第1原発事故で離れた観光客を呼び戻そうと、福島県喜多方市は、自転車で訪れた観光客にゆっくりと名所を回ってもらう取り組みを進めている。名物の喜多方ラーメンが全国的な知名度を誇る一方、観光客の滞在時間が短いことが悩み。市は駐輪所やサイクリングコースの地図を作り「自転車でじっくり回り、魅力を体感してほしい」としている。

集客増へ「しまなみ海道」手本

 市によると、訪れる観光客数は原発事故後の平成23年度で157万人と前年度より30万人近く落ち込んだ。27年度は182万人とほぼ震災前に戻ったが、観光関係者には事故で観光客が依然として訪問を敬遠しているとの声もある。

 約110のラーメン店がひしめくが、同市での観光客の平均滞在時間は1日約4時間で、人口規模が近い都市と比べ約1時間短い。鮮やかな水の色を楽しめる五色沼(北塩原村)や、戊辰戦争の舞台となった鶴ケ城(会津若松市)など著名な観光地が近隣市町村にあり、ラーメンを食べた後は市外へ出てしまう観光客が多いとみられる。

 こうした現状を打開するため、市は、起伏のある山間部や高台から景色が楽しめる盆地の特徴を生かして自転車で訪れる観光客を増やそうと考えた。

 愛媛県と広島県をつなぐ瀬戸内しまなみ海道(西瀬戸自動車道)での自転車観光モデルに着目し、27年春には専用の駐輪機を市内の観光施設など約50カ所に設置。さらに、サイクリングに適した観光コースをまとめた地図も製作し、県外の自転車関連店舗に配った。

 主に東京や神奈川、埼玉など首都圏からの観光客をターゲットに、秋の紅葉や、レトロな形状で鉄道ファンに人気の一ノ戸川鉄橋も楽しんでもらう考えだ。

 市内の愛好家らでつくる任意団体「サイクルシティ喜多方協議会」もコースの選定などで協力。同団体の会長で、旅館を営む原重範さんは「喜多方を存分に楽しんでもらうきっかけにしたい」と期待をのぞかせた。
(共同通信)

茨城
日記で読み解く幕末~昭和初期 古河市で資料展
 江戸時代末から昭和の初めにかけ、書かれた日記を紹介する資料展「日記の世界」が古河市の市三和資料館で開かれている。約140点の資料から、時代の流れによる、当時の習慣や様子などが分かり、興味深い。12月25日まで。 (原田拓哉)
 江戸時代、日光東街道の宿場町だった市内の諸川地区で、代々組頭を務めていた舘野家の重左衛門の日記には、幕末から明治初期にかけての暮らしぶりが克明に記録されている。天気や奉公人たちの行動など、一年間の出来事を一冊にまとめ、十八年間書きつづった。
 正月の一日はうどん、二日はそばなどを食べ、三が日の食卓に、もちが上らなかった当時の習わしが分かる。また、戊辰戦争の際に、江戸から北上した多くの旧幕府軍の軍勢が諸川宿に宿泊したことも記されている。
 当時の庶民の娯楽だった伊勢参りの様子が分かる「道中記」も展示されている。数人連れで東海道をたどって鎌倉、京都などを巡り、帰路は中山道で善光寺を参拝した。一~三月にかけて五十三日間の長旅だったようだ。
 大正から昭和初期、子どもたちが夏休みの宿題として付けたと思われる「夏季休暇日誌」には、教師が添削した跡が赤字で残っている。女子学生の日記には、夜空に天の川がかかったり、ホタルが舞ったりする様子が描かれている。
 学芸員の小林靖さんは「子どもの日記は、思いのまま自由に書かれていて興味深い。誰でも一度は付けた日記を見直す機会にしてもらいたい」と話している。入場無料。

静岡
女子高生ガイド好評 反射炉の魅力、私の言葉で 伊豆の国
 世界遺産の韮山反射炉をはじめとした伊豆の国市内の史跡で、ベテランガイドに交じって1人の女子高校生がガイドを務め、来場者の注目を集めている。「伊豆の国歴史ガイドの会」に所属する橋塲(はしば)南美さん(18)=韮山高3年=。「全国各地から訪れる観光客に歴史的価値をしっかり伝えたい」と、平均年齢68歳のメンバーの中で奮闘する。
 「想像と違うね、地味だね、と感じるかもしれませんが、すごいものだということをこれから説明します」。10月下旬の日曜日。韮山反射炉で、橋塲さんが30人ほどの団体客を前に声を張り上げて案内を始めた。反射炉を1周しながら、炉の仕組みや時代背景、築造を手掛けた江川太郎左衛門英龍(坦庵)について解説。約15分の案内を終えると、団体客から「聞きやすくて良かったよ」「頑張って」と声を掛けられ、笑みをこぼした。
 ガイドの会に入会したのは4月。進路に悩む中、歴史が好きだったこともあり、ガイドになることを思いついた。必要な知識を身に付け、独り立ちしたのが6月。以降、土日を中心に月2~3日、韮山反射炉や国指定重要文化財「江川邸」、国宝の仏像がある「願成就院」などに立つ。
 韮山地区で生まれ育った橋塲さんにとって、ガイドの経験は近代化の礎になった韮山反射炉など、身近な史跡に対する見方を変えるきっかけになった。年間数十万人もの観光客が訪れる中で、「ガイドの力でどれだけ伊豆の国市を楽しんでもらい、滞在時間を増やせるか」という使命感も生まれた。
 年明けには大学受験を控えるが、年内はガイドを続ける予定。大学に進学しても、定期的に地元に戻り、活動に参加するつもりだ。「伊豆の国歴史ガイドの会」の小松逸夫会長(80)は「評判も良く、大事な戦力。若い視点で活動してくれれば」と期待する。

 <メモ>韮山反射炉のガイド態勢は、平日は「伊豆の国歴史ガイドの会」の会員5人が対応。休日は同会のガイド3人に加え、「伊豆の国外国語ガイドの会」の会員1~2人が常駐する。外国語での案内の要望がない時には日本語でもガイドを行う。外国語ガイドの会には中学生1人、高校生4人が所属し、活動に加わる。

愛知
幕末ネタ帳204冊の解読進む 尾張藩家老の家来が筆
 江戸時代後期、尾張藩の家老の家来が半世紀にわたり藩内外の出来事を個人的に書き留めた「青窓紀聞(せいそうきぶん)」(全204冊)の解読作業が大詰めを迎えている。幕末の動乱からうわさ話まで収録しており、解読に当たる蓬左(ほうさ)文庫(名古屋市)の木村慎平学芸員は「1人でニュースを集め、新聞を作っていたようなもの。当時の世相を知る第一級の史料だ」と話している。

 筆者は、尾張藩の家老を務める大道寺家に文書係として仕えていた水野正信(1805~68年)。青窓紀聞…
 以降は有料記事にて。

三重
伊賀市史通史編「近世」来月発売 江戸期の営み一冊に 藤堂藩治世の暮らしを描く /三重
 伊賀市は「伊賀市史」の通史編で最後に残っていた第2巻「近世」を12月1日に発売する。江戸時代の伊賀の人々の営みを一冊に凝縮した。これで古代から現代までの通史編(1~3巻)と資料編(4~6巻)の計6冊がそろう。未刊は「年表・索引」だけになる。11月中に予約すると通常価格(5000円)より安い4000円で購入できる。【大西康裕】

 通史編の「近世」も他巻と同じA5判。「伊賀市史」の題字も伊賀出身の松尾芭蕉が書いた文書から一文字ず…
 以降は有料記事にて。

兵庫
幕末の儒学者が食したカステラ 生野高生が再現
 幕末の儒学者池田草庵が兵庫県朝来市・生野に滞在した際、振る舞われたとされる「か寿(す)てら(カステラ)」にちなんだ商品開発に生野高校家庭科部が取り組んでいる。当時、カステラは武士や豪商など上流階級だけが享受できた高級品。江戸期の鉱山町の豊かさを物語るエピソードで、生野の歴史に興味を持ってもらう目的もある。

 草庵は同県養父市出身で、1866年3月3~14日、生野に滞在。生野代官は生野銀山町の南隣にあった森垣村の地主・石川家にもてなし役を命じた。

 同家の古文書には、草庵に振る舞った献立が記録されており、草庵は滞在中に2回「か寿てら」を食べている。3月7日夕の献立からは、吸い物と一緒に食べたことがうかがえる。

 6月の料理教室で草庵の好物「とうふめし」を再現した生野公民館が、献立再現の第2弾としてカステラ作りを企画。「生野の歴史の面白さに加え、商品化を通じたビジネスの基本も学んでもらいたかった」と同公民館の田中通代さん。

 当時の作り方までは分からないため、明治時代のカステラ店のレシピも参考に、市内の公民館で菓子作りを教える東育子さん(68)=朝来市和田山町=が製法を考案し、指導。高級品だった砂糖や卵、蜂蜜、小麦粉を混ぜ合わせ、オーブンでふっくら焼き上げる。

 商品は「江戸幕府直轄 生野代官おもてなしシリーズ か寿てら」と名付け、今後イベントなどで販売予定。26日、JR生野駅前で開かれる「生野うめぇもんフェア」にも出品する。2年の女子生徒2人は「生野の歴史を知ってもらうきっかけになれば」と話している。税込み200円。

宮崎
島津発祥まつり武者行列など多彩に きょう都城で /宮崎
 都城の歴史絵巻を思わせる「島津発祥まつり」のパレードが23日、都城市中心部である。市を代表する一大行事。約250人が連なる武者行列のほか、伝統芸能披露など多彩なイベントがある。

 観光協会などで構成する実行委主催。地元の歴史や文化を伝える華やかな「明道館パレード」は、都城島津邸-神柱宮間約1.5キロ…
 以降は有料記事にて。

平日の昼公演は志の輔さん中入前出演のためか満席。夜公演はなぜか5時開演で8時15分終演という普通ではあり得ない時間帯設定のせいか、中入前が談笑志らくというB面ラインナップだったせいか、2階席は6割空席かというぐらい、哀しいほど入りが悪かったです。私は平日でも時間が遣り繰りできる職業だからいいけど、今日の昼夜公演は勤め人にはかなり無理筋でしたね。

【昼の部】
権兵衛狸/談吉
 やっぱ狸ものはいいですね、立川流といえども、小さんの系統なので。

尻餅/小談志

反対俥/キウイ
 よみうりホールを走り回ってましたが……以下略

手水廻し/雲水
 関西落語が混じるとアクセントになっていいですね。

みどりの窓口/志の輔
 平日昼間の公演なのに売り切れなのは、やっぱり志の輔さんでしょうか。
 そして、鉄板ネタの「みどりの窓口」でどっかんどっかん湧かしてくれました。

座談会/小談志・キウイ・雲水・志の輔・龍志・左談次

短命/龍志
 ふだん聴いているよりも、ちょっと際どい感じでした。

バイオリン漫談/マグナム小林

阿武松/左談次
 癌の闘病中であることを告白された師匠。お痩せになっていますが、声はよく出ていました。


【夜の部】
一眼国/談修

唖の釣り/談慶

イラサリマケー!/談笑
 ちょっとスカスカなよみうりホールにかましてくれました(個人的にはシシカバブ問答希望でしたが、よみうりホールのような大箱ではいろいろな観客がいるので、やっぱ難しいんだろうな)。でもけっこうみんな笑っているのは、B面中心OKなお客様だったから?

洒落小町/志らく
 声の質が私の耳には合わないせいか、きんきん声のおかみさんは耳うるさいだけで駄目でした……談志があの時代にやっていたから受けた歌もギャグも寒い。

座談会/談修・談慶・談笑・志らく・ぜん馬・里う馬

黄金餅/ぜん馬

スタンダップコメディ/松元ヒロ
 談志とは政治的思想が真逆だけど談志に愛されたコメディアン。今日は永六輔トリビュートなのか談志トリビュートなのかわからないけど、面白かった。

禁酒番屋/里う馬


生きている談志がステージに上がっているのを見るには間に合ったけど(市馬師匠の歌謡ショーのゲストだった)、談志の高座は聴けずじまいだった(行けなくてチケットを友人に譲ったのが、最後の高座「蜘蛛駕籠」だった)。そうか、亡くなって5年になるのか。
 2010年に落語を聴き始め、2012年の談志一周忌の立川流落語会から、11月のこの時期は談志まつりに毎年出向いている。立川流は志の輔・談春・談笑メインで聴いているので、一門の他の落語家さんを聴く機会でもある。

振り込め詐欺に気をつけろ〜安来節/平林

鮑のし/志遊

看板のピン/生志

慶安太平記〜吉田の焼き討ち/談春
 自分の前に上がった落語家たちは談志とは関係ないネタをかけている、談志の遺産で食っているというような趣旨(正確ではありません)のきついパンチを食らわせ、談志しかやっていなかったネタをやります、と。
 うん、小猿七之助とか慶安太平記をさらっとやっちゃう談春が好きです。

談志生誕80周年記念座談会/談四楼・談之助・談春・生志・志遊
 生前の談志の高座の録音が流れる。今回商品化された音源の一部から。2009年、亡くなる2年前。声は嗄れていたけれど、かなり出ていた。
 談志が選挙に出ていた頃の弟子である談四楼・談之助の思い出話が面白かった。

笑点史/談之助
 談志が立ち上げた笑点をリアルタイムで見ていた者にとっては、とても楽しいネタ満載。

歌謡漫談/東京ボーイズ
 寄席では30年でも40年でも同じネタで受け続ける落語家さんや芸人さんは結構います。たとえば圓歌師匠の「中沢家の人々」は何十年も同じネタですが、必ず笑わせます。
 それを思うと、私には全然ダメでした。

浜野矩随/談四楼
 しっとりと聴かせる。お母さんの自死を止めて間に合う圓楽版。
 息子の才能が開花して、なぜ死ななければならないのか。お母さんはたぶん、観音様に自分の命と引き換えに息子の才能が開花するように祈っていたのだと思う。だから、水杯で別れを交わした。
 講談ぽい話なので、昔は自死して死ぬバージョンがメインだったろうと思う。でも、現代人の感性には哀しすぎるので、自死するのを息子が止めて大往生というバージョンが受けいれられやすくなったのだろう。
 でもまぁ、やっぱり談四楼さんだから、しっとり聴かせて満足感。
昨日BS11の「尾上松也の古地図で謎解き」で老中阿部正弘と第36代江川太郎左衛門(英龍、坦庵)と林述斎が取り上げられていました。

第55回 黒船来航~ペリーに立ち向かった3人の武士
今回のテーマは、「黒船来航」

▼ひも解く歴史の謎
①1年前に知っていた「ペリー来航」その時、幕府は・・・
②「江戸湾の砲台」黒船に向けられたものではなかった!?
③ペリーの脅しと対等に渡り合った男とは

今から約160年前、ペリー率いる巨大な蒸気船の艦隊が日本の海に現れました。いわゆる「黒船来航」は、日本を大きく揺るがし、江戸時代の「終わりの始まり」となりました。「突然やってきた」と思われている黒船ですが、実は幕府は来航の情報を1年前にはつかんでいました。事前にペリー来航を知った幕府がとった作戦とは。
2度目の来航に備え、江戸湾に砲台を作り始めた幕府。しかし、それは黒船に向けられたものではありませんでした。砲台の本当の目的とは。
そして、ペリーの強烈な脅しに屈せず、対等に渡り合い交渉をまとめた人物とは?
「黒船」に立ち向かった3人の活躍を、歌舞伎俳優・尾上松也と中村隼人が古地図でひも解きます。

古地図案内人:西川武臣(横浜市開港資料館)

 BSなので視聴率は低いかも知れませんが余り脚色せずに歴史を紹介する番組です。

 坦庵公関連で新聞記事もクリップ。

お台場生みの親「坦庵」PR 伊豆の国の小学生、都内で
 伊豆の国市立韮山小の6年生104人がこのほど、修学旅行先の東京都内で地元を紹介する手作りのパンフレットを配布した。江戸時代の韮山代官江川太郎左衛門英龍(坦庵)が現在の東京都港区に「台場」を築いた縁などをまとめ、韮山を広くPRした。
 児童は総合学習の時間で4月から地域の歴史を学んできた。世界遺産の韮山反射炉や江川英龍などについて調べ、7月にまとめた内容をパンフレットにして韮山反射炉と三島駅で配布。「韮山の宝を全国に広めたい」という思いから修学旅行先での活動を決めた。
 東京の人たちに興味を持ってもらうため、台場と韮山の関係を盛り込んだ内容で新たに製作。韮山にゆかりの深い北条政子も取り上げるなど関心を高める工夫を凝らした。5~6人の班ごとにB4判の紙の両面に説明文や絵などを手書きし、3クラスで計18種類のパンフレットを完成させた。
 配布活動はゆりかもめの台場や新橋など4駅で実施。児童は声を掛けながら駅を行き交う人たちに配り、約30分で用意した660部をほぼ配り終えた。受け取った人たちからは学校に電話やメールがあり、「新しいことを知る機会をくれてありがとう」「自分も高校時代に反射炉と江川英龍をテーマに作品を制作した」などの感想が寄せられたという。
 児童は今後、地元の魅力を直接伝える試みとして、市内の史跡でのボランティアガイドに挑戦する。担当の駒坂俊夫教諭は「活動をきっかけに子どもたちが地元に愛着を持ってくれたら」と話した。

偉人、武将隊姿でパレード 伊豆の国時代まつり
 伊豆の国市の歴史や文化を発信するイベント「伊豆の国時代まつり」(同実行委員会主催、静岡新聞社・静岡放送後援)が6日、同市の韮山時代劇場周辺で開かれた。仮装行列「時代パレード」やステージイベントが繰り広げられ、盛り上がりを見せた。
 パレードには団体や学校などの単位で市内外から約千人が参加。江川太郎左衛門英龍、源頼朝、北条政子などの市ゆかりの偉人や、武将隊、鉄砲隊などに扮(ふん)し、時代順に約850メートルのコースを練り歩いた。江川英龍が普及を図った高島流砲術の研究組織「西洋流火術鉄砲隊保存会」(東京都)など、他県からのゆかりの参加者も加わった。
 ステージでは、市内外の団体が伝統芸能や音楽演奏を披露。特産品などを販売するコーナー「楽市楽座」も設けられ、多くの来場者でにぎわった。
 まつりは市民の一体感や郷土愛を高める目的で2015年に初開催され、今年が2回目。
歌舞伎通のTwitter友が、10月から12月の仮名手本忠臣蔵の中でも、11月のが一番お勧めだという。すなわち、吉右衛門の大星由良助か。引用元は国立劇場特設サイトから。
浄瑠璃 道行旅路の花聟 清元連中
【道行旅路の花聟】
 早野勘平      中 村 錦之助
 鷺坂伴内      坂 東 亀三郎
 腰元おかる     尾 上 菊之助
 おかると共に落ち延びた勘平は、自分の不忠を悔み自害しようとします。しかし、忠義を果たす時を待つべきであると説得するおかるの言葉を聞き入れ、勘平はおかるの実家に身を寄せることを決意します。すると、師直の家来・鷺坂伴内が現れます。伴内は、勘平を捕まえて、おかるを自分のものにしようとしますが、勘平は見事にこれを退けるのでした。
五段目 山崎街道鉄砲渡しの場
      同   二つ玉の場
【五段目】
 早野勘平      尾 上  菊五郎
 千崎弥五郎     河原崎 権十郎
 斧定九郎      尾 上  松 緑
 勘平はおかるの実家に身を寄せ、猟師として暮らしています。
 山崎街道で、勘平が雨宿りをしていると、偶然にも、同輩だった千崎弥五郎と再会します。主君の大事に居合わせなかった(三段目)勘平は、その失態を恥じながら、師直館への討入りの計略に参加したいと伝えます。弥五郎は、判官の石碑建立の費用という名目で、討入りのための資金と徒党を集めていると伝えます。勘平は、金を用意することを約束し、弥五郎と別れます。
 その晩、おかるの父・与市兵衛は五十両を持ち、夜道を急いでいました。その五十両は、おかるの身売りの前金でした。おかるは、勘平を侍に戻してやりたいという気持ちから、勘平には内緒で、祇園の一文字屋へ身を売ることにしたのです。
 しかし、山賊の斧定九郎が与市兵衛を殺害し、五十両を奪います。その直後、定九郎は、勘平が猪を狙って放った銃砲に撃たれ、絶命します。暗闇の中、自分が撃ち殺したのが猪ではなく人間だと気付いた勘平は、動揺しながらも、亡骸の胸元にあった五十両を取り、その場を後にします。
六段目 与市兵衛内勘平腹切の場
【六段目】
 早野勘平       尾 上 菊五郎
 原郷右衛門        中 村 歌 六
 勘平女房おかる    尾 上 菊之助
 千崎弥五郎       河原崎 権十郎
 判人源六         市 川 團 蔵
 与市兵衛女房おかや 中 村 東 蔵
 一文字屋お才      中 村 魁 春
 勘平は、おかるが身を売ったことを知らず、家へ戻ります。すると、おかるを迎えに来た一文字屋のお才と判人源六に事の経緯を聞かされます。昨夜入手した財布と与市兵衛が前金の五十両を入れた財布が同じであると、勘平は気付きます。舅を殺害したと思い込み、絶望に打ちひしがれる勘平。おかるは、勘平と別れる悲しみを堪(こら)えながらも、両親の世話を頼み、祇園へと出立します。おかるに与市兵衛殺害を打ち明けようか迷った勘平ですが、何も言えずに見送るのでした。
 おかるが去った後、与市兵衛の亡骸が運び込まれます。突然の夫の死を嘆く妻のおかや。そして、与市兵衛が持っているはずの財布を勘平が持っていると知り、厳しく責め立てます。そこへ、塩冶家の家来だった原郷右衛門と弥五郎が現れ、勘平から渡された五十両を返却し、不忠者からの五十両を受け取ることはできないという由良之助の言葉を伝えます。勘平が与市兵衛を殺害したとおかやから聞かされた二人は、勘平を責めて、その場を立ち去ろうとします。亡君への恥辱と言われた勘平は、腹に刀を突き立て、「いかなればこそ勘平は……」と昨夜の出来事を語り始めます。
七段目 祇園一力茶屋の場
【七段目】
 大星由良之助    中 村 吉右衛門
 寺岡平右衛門    中 村 又 五 郎
 赤垣源蔵       坂 東 亀 三 郎
 矢間重太郎      坂 東 亀  寿
 竹森喜多八      中 村 隼  人
 鷺坂伴内       中 村 吉 之 丞
 斧九太夫       嵐   橘 三 郎
 大星力弥       中 村 種 之 助
 遊女おかる      中 村 雀右衛門
        ほか
 京都の祇園町にある一力茶屋。由良之助は遊興に耽っています。その噂を聞いた塩冶家の元家臣・斧九太夫が、師直の家来・鷺坂伴内を連れて現れます。九太夫は師直方に寝返っています。二人は、由良之助の様子を窺いに来たのです。由良之助の真意を知りたい塩冶の元家臣たちや、以前は判官の足軽で討入りに加わりたい寺岡平右衛門が訪れますが、由良之助は全く相手にしません。
 息子の力弥が届けた顔世からの密書を読もうとした由良之助のもとへ、九太夫が現れます。九太夫は、気の抜けた由良之助に討入りの意志はないと判断し、伴内を帰します。
 遊女になったおかるが、酔い醒ましのために二階の座敷に現れます。それに気が付かず、縁先で密書を読み始める由良之助。おかるは、恋文だろうと思い、手鏡に映して密書を盗み見ます。縁の下には、九太夫が潜んでおり、垂れ下がってくる密書を読み始めます。
 おかるが簪を落としてしまい、おかるに気が付いた由良之助は、慌てて密書を巻き取ります。しかし、その先がちぎれていたので、縁の下で何者かが密書を盗み見ていたと知ります。
 由良之助は、密書を全て読んだと言うおかるを身請けすると、いきなり言い出します。
 おかるの兄である平右衛門は、身請けと密書のことを聞くと、由良之助の真意を悟り、おかるを殺そうとします。果たして由良之助の真意とは?また、おかるや平右衛門の運命は?
先月の千穐楽を見に来た折に3階席で空いてるチケットを探したら2日の昼の部と某日の夜の部しかない。配役と見どころはお馴染み歌舞伎美人より。
一、四季三葉草(しきさんばそう)
翁 梅玉
千歳 扇雀
三番叟 鴈治郎

荘重さの中に清元の軽やかな名曲を乗せた祝儀舞踊
 翁、千歳、三番叟が登場し、それぞれの座に就くと翁がおごそかに舞い始め、四季折々の花を読み込みながら千歳とともに連舞となります。そして三番叟が鈴を手に五穀豊穣を祈り、拍子を取りながら軽快に踊ります。最後は三人そろってめでたく舞納めるのでした。
 数多くある「三番叟物」の一つで『式三番叟』の語音をもじり、四季の花々が詞章に巧みに織り込まれた晴れやかな襲名を祝う舞台に相応しい舞踊です。
  
二、歌舞伎十八番の内 毛抜(けぬき)
粂寺弾正 染五郎
秦秀太郎 松也
腰元巻絹 梅枝
小野春風 萬太郎
八剣数馬 廣太郎
錦の前 児太郎
小原万兵衛 亀鶴
小野左衛門春道 門之助
秦民部 高麗蔵
八剣玄蕃 彌十郎

奇抜な趣向が楽しいおおらかさが溢れる一幕
 小野春道の屋敷では家宝である小野小町の短冊が盗み出されたうえ、姫君錦の前が奇病にかかり伏せっています。そこへ、文屋豊秀の家臣粂寺弾正が、豊秀への輿入れが遅れている錦の前の様子を窺いにやって来ます。髪の毛が逆立つ姫の奇病を見て考え込んだ弾正ですが、手にした毛抜がひとりでに踊り出したことから、姫の奇病の仕掛けを見破り、悪人から小町の短冊も取り戻すと、意気揚々と引き上げていきます。
 愛嬌と知性を兼ね備えた弾正を描く古風な味わいの荒事をお楽しみください。

 弾正が頭良くて槍や剣も使えてヒーローなんだけど気に入った女にも男にも手をだす両刀遣いのセクハラ大魔王なのに驚いた。時代物なので平安時代の殿上人は男にも女にもまめなのがOKというのを時代観に取り入れているのかも知れないけど、予備知識がなかったので一瞬目が点になった。

河竹黙阿弥 原作より
今井豊茂 脚本
三、祝勢揃壽連獅子(せいぞろいことぶきれんじし)
狂言師後に親獅子の精 橋之助改め芝翫
狂言師後に仔獅子の精 国生改め橋之助
狂言師後に仔獅子の精 宗生改め福之助
狂言師後に仔獅子の精 宜生改め歌之助
長楽坊 萬太郎
萬年坊 尾上右近    
昌光上人 梅玉
慶雲阿闍梨 仁左衛門
文殊菩薩 藤十郎

親子がみせる情愛と勇猛な毛振り
 霊地清涼山の麓にある石橋では、四人の狂言師が手獅子を携え、石橋の謂れや親が仔を千尋の谷へ蹴落とすと、自力で這い上がってきた仔だけを助けるという文殊菩薩の霊獣の故事を踊って見せます。その後満開の牡丹の中、親獅子と仔獅子の精が現れ、豪放な狂いを見せ、勇壮な毛振りで舞い納めるのでした。
 能の「石橋」をもとに親子の厳しくも温かい情愛を描いた一幕。襲名披露狂言として、新芝翫、新橋之助、新福之助、新歌之助の親子四人で踊る舞台をご堪能ください。

 シネマ歌舞伎で亡き勘三郎と勘九郎・七之助の三人連獅子を見ているため、仔獅子の不揃い感は今いちだなぁと。
 オリジナルで加えた場面は仁左衛門様の阿闍梨が美し過ぎて溜息が出るばかりだ。

河竹黙阿弥 作
盲長屋梅加賀鳶
四、加賀鳶(かがとび)
本郷木戸前勢揃いより
赤門捕物まで
天神町梅吉/竹垣道玄 幸四郎
女按摩お兼 秀太郎
春木町巳之助 染五郎
魁勇次 松也
虎屋竹五郎 巳之助
磐石石松 尾上右近
お朝 児太郎
数珠玉房吉 国生改め橋之助
御守殿門次 宗生改め福之助
昼ッ子尾之吉 宜生改め歌之助
道玄女房おせつ 芝喜松改め梅花
おつめ婆 歌女之丞
伊勢屋与兵衛 錦吾
金助町兼五郎 男女蔵
妻恋音吉 松江
天狗杉松 亀蔵
御神輿弥太郎 友右衛門
雷五郎次 左團次
日蔭町松蔵 梅玉

粋な鳶と小悪党のやり取りを鮮やかに描く人気作
 本郷界隈の人々は、大名火消しの加賀鳶と旗本配下の定火消しとの喧嘩を恐れて木戸を閉め切っています。ここへ鳶頭の松蔵をはじめ若い加賀鳶たちが勢揃いしますが、親分の梅吉がこれを止めてその場を収めます。一方、盲長屋に住む竹垣道玄は、実直な按摩を装っていますが、実は人殺しも厭わない悪党ぶり。姪のお朝が奉公先の旦那に金を恵んでもらったことから悪巧みを思いつきます。伊勢屋へやって来た道玄は、店先で主人を脅しますが、そこに松蔵が現れて…。
 河竹黙阿弥が江戸の市井に生きる人々を巧みに描く世話物の名作をご覧ください。

 さすが河竹黙阿弥で、小悪党が人殺ししたり大店を恐喝したり姪を風俗に売ったりした挙げ句に捕まるという三面記事のようなストーリーをスタイリッシュかつリアルにドラマ化。七五調の台詞の美しさ、そして最後の場のだんまり捕り物の緊迫感とユーモラスな感じ。
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