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新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
大好きな明月庵ぎんざ田中屋で蕎麦を一枚たぐって早めの夕ご飯して、夜の部へ。

たらちね/緑太

加賀の千代/一之輔
 見台に膝隠し。何と、一之輔さん、奧さんに運動不足を咎められて入会したスポーツジムの初日で膝の半月板がめくれてしまったそうな。高座で胡座をかいて「金馬師の気分」だそうな。
 甚兵衛さんが大好きなご隠居さん。何かBLっぽいじゃれあいが(汗)……いや、一之輔さんなので、高校の部室でふざけてる男子たちっぱいのかも。

船徳/鯉昇
 45年ぶりに小学校の友人と再会したマクラで、「アレ」が多くなったら老化のしるし(ぎく)。最近一週間入院されたそうですが、相変わらず脱力系の鯉昇さんです。
 そこから「二階のアレ」と、遊びが過ぎて家を追い出された質屋の徳さんの話に。腕っ節のない若旦那が船頭を志願してお客二人を巻き込む騒動なのだけど、オチが「質屋(の息子)だけに客を流した」という展開の「船徳」は初めて聴いた。

目黒のさんま/市馬
 中入り後、「前半は怪我人病人が続いておりましたが後半ふたりは健康体です」と会長らしい一言で笑わせる。
 士農工商の身分について、侍とは……「首提灯」かしら。殿様は世継ぎが大事……って、え、トリじゃないから「妾馬」じゃないよね。下肥、鯛の話が入って、わーい「目黒のさんま」しかも市馬さんだと内心→\(^O^)/。
 家臣と駆け比べをした殿様、「膝の半月板を痛めた」というオチで一之輔さんのマクラからくすぐりを入れてくれました。
 「やはりさんまは目黒に限る」と王道のオチ。物流が発達した現代、最近は目黒駅周辺でさんま祭りを目黒区と品川区がそれぞれやってますから、「目黒」「さんま」の知名度はますます広まりますが、なんでこれがオチなのかわからない人も増えるだろうなぁ……。
 市馬さんのゆったりした口跡で「目黒のさんま」を聴けて幸せにございます。はぅ。

死神/白酒
 「市馬兄さんは後半健康体と言いましたが、見ての通りの身体で……」と肥満ネタをかませる。
 そして、登場した「死神」は通常版と違って肥満体。しかもタメ口。強いていえば昇太兄さんの「人生が二度あれば」に出てくる松の精の「松の精っす!」に似た口調と表現するかな。
 いいところなしの主人公に死神が肩入れしてくれる理由は「俺、お前担当だから」という白酒版。

 くすぐり多発で爆笑させられた昼席、古典を堪能させてくれた夜席、どちらも満足です。
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なんつー長い表題(汗)。でもこのシリーズ、昼夜通しで見るのがすっかり習慣化してしまった。なんとなく文化祭的な雰囲気で、前後の演者をいじったり、高座に出てきた登場人物をカメオ出演させたり、アドリブの巧い落語家さんたちが次々と登場するのが毎回楽しい。

金明竹/小はぜ
 はん治師の弟子。

看板のピン/兼好
 自分の後の演者がみな自作を持つ新作派(喬太郎さんは古典も得意だけど)であることに引っかけ、「まともな落語は自分のところまで」みたいなことを言って笑いを取る。
 親分に風格があるなぁ。

紙入れ/喬太郎
 兼好さんのマクラで野球の話題が出たことを受け、「(49才の)山本昌は投げるけど、(51才の自分は)投げられない。高座は投げるけど」と応じて笑いを取る。
 結構長めのマクラで、さぁ古典で来るのか新作で来るのかとドキドキさせる。そして出た「紙入れ」は女将さんの色っぽい仕草や口調を思いっきり強調して座布団の上でしなをつくるキョン師が凄い(笑)。お腹が思いっきり臨月なキョン師が、セクシーな大年増に見えてしまう。しかも女将さんの誘惑に「中はピンだね」、新吉が後ずさりしながら「看板だけですから」みたいな会話で場内大爆笑。
 さらに、旦那が新吉を諭す場面で「しくじったら早く謝れ。そうしないと○○新聞になってしまう……ここがよみうりでよかった」と時事ネタを織り込む。

お血脈/百栄
 兼好師、キョン師が続けて年齢の話題をマクラに振ったので、百栄師も米国で寿司屋で働いていたこともあって落語家に入門したのが遅かったというエピソードを含めてマクラに。
 マクラが結構長かった(夜の部も含めてたっぷり聴いて、一晩寝たら記憶がほとんど残っていない・汗)ので何をかけるのかなと気を持たされた。
 で、かけたのは「お血脈」。兼好師のマクラに対してキョン師・百栄師は「今日は古典で行く」と逆張りしたのかな。地獄入りしている泥棒のリストに「アルセーヌ・ルパン」が入っているんだけど、孫(ルパン3世)を指導するために天国に行ってしまった、というくすぐりが入っていたのが百栄さんらしいかな。あまり面白いクスグリではなかったけど。
 外連味たっぷりの、五右衛門の仕草が笑えた。

牡丹の怪/白鳥
 白鳥さん、池袋で夜トリの最中なのに昼のこの回でもトリですか……しかも「今日は圓朝作品をやります」って宣言して、「牡丹灯籠」白鳥版をかけた。今日は池袋で「流山の決闘(任侠流山動物園)」をかける予定なのに、なかなかやるのう。
 売れない落語家Q蔵シリーズ。Q蔵が「牡丹灯籠」萩原新三郎の役回りで、病弱なお露ちゃんと恋仲になる。「牡丹灯籠」で医者の山本志丈(志の輔さんのバージョンではものすごく口が軽い幇間医者・汗)に当たる役回りで登場するのが、何とキョン師。しかもウルトラマンシリーズ大好きだということをネタにされており、ウルトラセブンのマスクのアイスラッガーがお露の念を利用した牡丹の精(その正体はウルトラセブン第2話に登場する緑の怪獣ワイアール星人だというのは、今日キョン師に知恵つけられたという楽屋話も織り込まれる)。さらに、お札に弟弟子の丈二さんがいじられてますが……(汗)。
 でもお露さんとQ蔵の儚い恋もちゃんと描かれており、白鳥版「お札はがし」はただのドタバタではないのがいい。
 

白鳥さんがネタ出ししてて、十日連続で「流れの豚次」シリーズ全編を通しでかけると知り、まずは初日に。十日連続で自作の通しものを演じるなんて、さすが現代の圓朝(それ褒めすぎ・汗)……でも、主人公は任侠に生きる豚という設定が、白鳥さんならでは。

掛け声指南/彦いち
 彦いちさんの代表的な持ちネタのひとつなのだけど、今回やっと聴けた(「にらみ合い」の遭遇率が高い)。最後の掛け声の場面は馬鹿馬鹿しくも清々しい。

フィ/小ゑん
 東京かわら版で今月号インタビューに登場していた小ゑん師。今日かけたのは圓丈さん作の「フィ」。言葉の端々に「フィ」をつける人が周りに増えて不安になって精神科に受診すると……。最後の方で「あばらかべっそん」「あじゃらかもくれん」「てけれっつのぱ」とか出てくるところは大笑い。

俗曲/東京ガールズ

遊び心を持ちましょう〜浮世根問い/歌之介
 表記の仕方がこれでいいのか迷うのだけど、前半は「遊び心をもちましょう」で、後半は「浮世根問い」。最後に「やかん」になったかどうか、翌日に昼席夜席通しでいろいろな高座を聴いちゃったせいか、記憶が飛んでしまって……。

ハーブやってるだろ!/天どん
 中入り中のアナウンスで前座さんが「浅草演芸ホール」と言っちゃって場内大爆笑。天どん師がフォローして「昨日まで浅草で前座やって今日から池袋なんで、癖で出てしまったんでしょう」というようなことを。そして、ここは思いっきり池袋であることを強調するようなネタ「ハーブやってるだろ!」……何というか、この人の新作落語も、白鳥さんとは別の方向性でぶっ飛んでいるんだよねぇ。鈴本で初トリを取るそうで、おめでとうございます。

家見舞/正朝
 唯一、新作をしない演者。顔付けについて「いじめですか」とかぼやいた後、「家見舞」で古典落語の香りを漂わせた。

奇術/アサダ二世
 トークがほとんどで、トランプ芸一個だけ。でも、この人のトーク大好きなので、満足。

豚次誕生秩父でブー!/白鳥
 聴けてよかった、「流れの豚次」第一話。養豚場で生まれ育った豚次が脱走し、秩父の山中でツキノワグマの親分の下で修業に励み、筋肉質の豚(笑)に成長する。母を養豚場から救い出せる腕っ節がついたと確信した豚次は養豚場に戻り、そこで番犬チロとガチの勝負を行う。再会した母豚は、養豚場で生まれ育って人間のために死ぬ生き方を選び、豚次は母と涙で別れ、任侠の旅に出る……って要約で合ってるかなぁ?
 犬は野生の狼が人間になついてペット化したものとか、人間の食糧として生まれ育つ家畜の宿命とか、登場「動物」にもキャラクターの描き分けがあって、ちゃんと「人情もの」ならぬ「畜情もの」となっているのが豚次ワールドの面白さ。
久々に新選組関連の史実が新たに出てきたようです。

新選組:待遇改善を直談判した土方歳三 西本願寺から文書
 浄土真宗本願寺派本山・西本願寺(京都市下京区)に残された幕末の文書から、新選組が西本願寺に駐屯した当時の様子を示す記録が見つかった。本願寺史料研究所が2日発表した。駐屯を始めた直後、寺に多額の借金を願い出たり、隊士の待遇改善を副長の土方歳三(ひじかた・としぞう)自らが寺側に直談判したりするなど、組織維持に苦心したさまが浮かび上がる。

 研究所が当時の日記やメモ書きを精査。新選組に関する記述が14カ所で見つかった。

 新選組は1865(元治2)年3月、壬生(みぶ)寺周辺から西本願寺の北集会所に移り2年余り駐屯。記録には駐屯を始めた11日後の3月21日に「金五百両也」「新撰組ヨリ拝借願ニ付、今日御貸下ニ相成候事」との記述があり、寺が200両、残りを商人から工面していた。同じ日に新選組が「相撲を開催するので見物に来ないか」と誘うなど気遣いも見せていた。ただ、当時このような借金は返されないことが多かったという。

 6月25日には土方が寺の担当者と面談し、「1人1畳くらいのスペースしかなく暑くてたまらず、隊士からも不満が出て抑えられない」とし、阿弥陀(あみだ)堂(本堂、現在は重文)を50畳ほど借りたいと要求。寺側は応じず、集会所の未使用部分に畳を敷き、壁を取り外して風通しを良くすることで対応した。その日のうちに土方から「無理な願いを早速聞いていただき、かたじけなく思う」とする礼状が届いていた。

 一方、寺側の警戒ぶりもうかがえる。新選組が来る前日の3月9日には、寺の各所に「隊士に不作法な態度は取るな」「隊士と出会っても直接に対応するな」と通達。また、寺のトップである門主の外出ルートが北集会所に近いため「(北集会所から離れた)車御門から輿(こし)を通過させる」としていた。

 同研究所の大喜(だいき)直彦・上級研究員は「西本願寺に駐屯していた頃は新選組の結束力が弱まり始める時期。土方が引き締めに必死になる様子が浮かぶ」と話している。

 研究所は今回の成果を受けた公開講座を11月11日に築地本願寺(東京都)、12月12日に聞法会館(京都市下京区)で開く。申し込み方法などは後日、本願寺史料研究所のホームページに掲載する。問い合わせは本願寺派(075・371・5181)。【花澤茂人】

 ◇「新選組」隊士たちの具体的な姿がきちんと裏付けられた

 「新選組」などの著書のある歴史家の松浦玲さん(日本近代史)の話 西本願寺側の当時の記録はこれまでほとんど知られていなかった。想像するしかなかった隊士たちの具体的な姿が時系列も含めきちんと裏付けられ、大変興味深い。

 ◇新選組の動き
1863年 2月 新選組の前身「浪士組」が京都に到着し、壬生寺の周辺を屯所とする

1864年 6月 池田屋事件。7月には禁門の変で薩摩、会津藩などとともに長州藩と戦う

1865年 3月 壬生寺周辺から屯所を南の西本願寺に移す

1867年 6月 西本願寺から現在のJR京都駅に近い不動堂村の新しい屯所へ移る

     10月 徳川慶喜が大政奉還

1868年 1月 鳥羽・伏見の戦い。旧幕府軍が薩摩、長州藩など新政府軍に敗れ、新選組も江戸へ敗走

      4月 近藤勇処刑

1869年 5月 函館・五稜郭の戦いで土方歳三戦死
 新選組が西本願寺に移転したのも、西本願寺の広い集会所に目をつけた新選組が押し借りしたという経緯なので、待遇改善を「要求」したというのはちょっと違和感ありますね。「もっとスペースを貸せ」と駄々をこねたということでしょうか。隊士たちを押さえられないと土方副長が言うのは、西本願寺に脅しをかけているように聞こえます(苦笑)。

 記事には「新選組の結束が弱まる時期」とありますが、隊士数的にも充実し、幕府に正式に取り立てられるまでになる西本願寺時代は新選組の全盛期じゃないかと思います……隊士の不行跡をめ
ぐって切腹などあったり、伊東甲子太郎ら御陵衛士派の分隊とか、後半はいろいろあるのですが。

 どんな交渉があったのか、さらに詳しいお話を伺いたいものです。
半年とまではいきませんが、ちょっと久しぶりの寄席。

男の井戸端会議/馬風

三味線漫談/小圓歌

青菜/文生

たらちね/扇辰

パントマイム/カンジヤマ・マイム

天狗裁き/菊之丞
 代々木公園でデング熱、のくすぐりが入る。

(中入り)

漫才/ロケット団

鈴木係長の昼食(?)/小ゑん
 のり弁シャケ弁コロッケ弁のローテーションと昼食を小馬鹿にされている鈴木係長。高級寿司店の上寿司の寿司桶を見つけた係長、小僧寿司を買って来て寿司桶に乗せ替え、高級寿司の出前を取っていると見栄を張ろうとするが……という噺。

唖の釣り/一之輔

紙切り/正楽

笠碁/市馬

 市馬師匠主任のせいか、気持ちのいい、安定した出来で安心して笑える、よい高座が続いたなぁ。
3年ぶりの練馬文化大ホールだそうです。1400人ほど収容のホールはほぼ満席だったようです(2階席までは見られなかったですが)。家元が練馬区大泉に住んでおられた、新板橋からバイクで家元宅に通っていた前座時代の思い出ゆえか、今日の志の輔師、時間も熱意もいつも以上でした。独演会なのに上がる前に弟子がふたり出てきて、えー志の輔師は遅刻したのかしらとはらはらしました。

子ほめ/志の太郎
 6番目の弟子、二つ目……厳しい志の輔門下で、筆頭弟子の晴れの輔さんが昇進し、6人目が二つ目ということは順調に育っているんだろうな。東京出身なのに志の輔師に弟子入りを願うためにわざわざ名古屋までヒッチハイクして、何人かのお世話になって無事に名古屋にたどりつけて、うち一家族から5千円を激励にもらったというエピソード、爆笑だった。この子だったら志の輔師の下でも逞しくやってけそうだな、という感じ。

かぼちゃ屋/志の彦
 独演会なのに弟子がふたりも高座に上がるんだ、とびっくり。練馬の出身なので師匠が配慮してくれたかどうかは知らないが、与太郎が「上を見る」仕草があほっぽくて、いいなぁ。でも立川流らしく、与太郎は「ばか」なんじゃなくて「生産性が低い奴」なんだって香りがうっすら漂ってくる。このあたりは、全日聴いた古今亭の芸とは違うとこ。

みどりの窓口/志の輔
 富山に新幹線が通じるというマクラは「牡丹灯籠」の時と似ていたけど、リニアモーターカーの話が次に続いた時、ツレの友人に知らせようかどうしようか迷った。でもサプライズの方がいいので、思いとどまった。
 「みどりの窓口」! 私もTBS落語研究会で一回ライブで聴いたっきり。
 やっぱり、すごいパワー。練馬文化センター大ホールが、どっと笑って地鳴りするような。
 こんな客を相手にしていたら身がもたないというような、話が通じないお客様が次から次へと来る「みどりの窓口」。私が一番好きなのは、志の輔さんの野太い声がドス利いて聞こえる最後の客。そして、オチもこの客が関係する。
 4年前に私が落語にはまってすぐに志の輔らくごに引き込んだ友人、「みどりの窓口」を生で聴く高座に誘えて私もひと安心。

長唄三味線/松永鉄九郎
 歌舞伎座でお囃子方をしている鉄九郎さん、歌舞伎の『勧進帳』と『大ざつま』中心に。

新・八五郎出世/志の輔
 この時期は季節ものが難しい(夏ともいえず秋ともいえず、また秋らしいネタといえば「目黒のサンマ」ぐらい)のだけど、短めのマクラの後に大家さんのところに乗り込んで来た八五郎からはじまるこのネタ……やった!!
つい先週、市馬さんの『妾馬』を聴いている。2月の大手町落語会でも市馬さんの『妾馬』だった。他にも、雲助、花緑、三三と、『妾馬』はちょろちょろ聴いてます。
 でも志の輔さんのは特別なのです。『八五郎出世せず』とか『新・八五郎出世』とか題される、殿様の取り立てを断る八五郎。おっ母さんを大名屋敷に呼び寄せるには「ここには井戸があっても井戸端がない」「おっ母さんを生かしているのは井戸端」と、答える八五郎。大好きです。



TBS「落語研究会」の収録を兼ねた高座なので、あらかじめネタを予定している寄席としてはあり得ない構成だったなぁ。
・中入り前「中村仲蔵」、中入り後「おかめ団子」「唐茄子屋政談」と人情噺が続く。
・とくに「おかめ団子」と「唐茄子屋政談」は主要人物のひとりが自死を図り、その了見を諫める場面がかぶる。終了した途端にご常連さんたちが「ネタがついた(かぶった)」と愚痴っていたけど、私もそう思いました。
・「唐茄子屋政談」は、よくあることだが吉原田圃で若旦那が昔の吉原での体験を思い出しながら「唐茄子屋〜」の売り声に力を入れるところで切れる。これだと「政談」じゃないんじゃ?
・しかも「仲蔵」「団子」「唐茄子屋」一本一本がトリ並みの長さ。終了時間が予定より10分延びた。ひとりひとりのパフォーマンスはよかったが、大ネタ続きでもたれる……少なくとも中入り後はさらっと軽い二つ目級のネタにすべきだったんじゃないかな。

松曳き/時松
 早とちりと勘違いを繰り返す殿様と三太夫が、植木屋ととんちんかんなやりとりをする場面と、三太夫が国表からの早馬による知らせを勘違いして殿様と大騒ぎする場面とふたつで構成。
 ネタとしてはあまり好きじゃないけど、浅い出番で軽く座を温めてくるにはいいだろう。

ろくろ首/志ん好
 昨年亡くなった古今亭志ん五師匠の弟子で、志ん橋師匠の寄り弟子となって、今年春に真打ち昇進して「志ん公」から「志ん公」に。
 まぁ志ん朝師のやり方かどうかは知らないけど古今亭の芸風ですねぇ。与太郎ネタを得意としているのはわかるけど、あまりやり過ぎると与太郎が頭の足りない子供になってしまう(汗)。

中村仲蔵/一朝
 今日のお楽しみのひとつ。名代に昇進したばかりの仲蔵、定九郎たった一役という状況に腐りかけるところを女房のお岸が「仲蔵ならではの新しい定九郎が見たい」と励ます。柳島の妙見様に癌をかけた満願日の帰り、にわか雨に降られて入った蕎麦屋で旗本くずれの浪人と出会い、そのスタイルを参考に定九郎のスタイルを一新する。
 オチは正蔵師の型?

おかめ団子/たい平
 ライブで聴いたのは初めて。音源では志ん朝師ので聴いておりました。
 おいしさと娘のおかめちゃんの愛嬌美人ぶりで流行るおかめ団子。風が強く早じまいしようとした日、毎日やって来て一串だけ買う大根売りの太助を番頭が軽く扱ったのを、主人が改めて詫びて一串サービスしながら太助の親孝行ぶりを聴く。その太助、帰宅して病気のおっ母さんに柔らかい布団を買ってあげられない自分のふがいなさを嘆き、思いあまって、おかめ団子に忍び込む。ところが、泥棒は初めて、うろうろしているうちに、おかめが裏庭で首を吊ろうとする場面に遭って、思いとどまるように諭す。団子屋の主人は、娘を助けてくれた太助の非を咎めず、逆に礼だと五両を献上する。(そのお金でおっ母さんに布団を買ってやったのかどうかは描かれていないが)これが縁で、おかめが太助を見初め、太助は婿養子に。おかめ団子は「親孝行団子」として知られるようになり、ますます繁昌。
 たい平さんの出来はピンでは十分に聞き応えがあったのだけど、中入り後、トリの膝前という寄席の流れとしてはこってり演じすぎ、時間取りすぎということになるよなぁ……まず責められるのは、ネタふりしたTBS側なのだが。あらかじめネタ出しできる落語会である以上は、企画段階で調整できたよなぁ……ぶちぶち。

唐茄子屋政談/扇遊
 さすが扇遊師、「世の中は金と女が仇なり どうぞ仇に巡り会いたい」という狂歌ではじめ、若旦那の放蕩を長めに描いて、「おかめ団子」の余韻を切りました。勘当されて金の切れ目が吉原での縁の切れ目、やがて家も金も職もないホームレスに。吾妻橋で身を投げようとして、助けたのがおじさん。このおじさん、小言ばかりだが、若旦那で働くことを知らない徳に売り商いを経験させようと、唐茄子を売らせる。徳は、吉原田圃で、かつて遊蕩した日々を思い出しながら、かんかん照りの陽の下で売り声を練習する。
 時間の関係もあって、長屋の貧しい親子を助けるために因業大家を殴って、お白洲でほめられる後半はカット……(「唐茄子屋政談」じゃなくて「唐茄子屋」じゃん、これじゃ)。うーん、前半軽くしてお白洲まで描いた方が、「おかめ団子」とのかぶりを避けられた気がしますが、すでに9時20分、後の祭りでありますね。

市馬さんが落語会長就任決まってから初めて伺う高座ですね……まぁでも市馬師のことですから、自分のことは言わないでしょう。

一目上がり/市助
 市馬さんの前座さん、先日は「狸」で今日は「一目上がり」。安定感あると思います。
 朝早く目が覚めてしまったんで、意識が一瞬途切れました。ごめんなさい。

青菜/三三
 マクラにふたつみっつ話が入ってました。そのひとつが、今年2月8日の大雪の日に交通機関が渋滞して笑福亭たまさんのゲスト会に間に合わず、電話口から小声で「鰍沢」を1分で喋ったという爆笑ネタ。
 ひと夏に一回のペースでどなたかのを聴く感じ。今年は三三さんに当たりました(≧∀≦)。
 お屋敷のご隠居と奥様の暮らしぶりに感心した植木屋の八五郎が、女房を押し入れに待機させて友人を相手に再現しようとして失敗する話。
 さすが柳家のお家芸、三三さんのは、一之輔さんのタガメの女房ほどデフォルメされず(一之輔さんのも好きだけど)、話芸で十分に爆笑版。

中入り

曲独楽/やなぎ南玉
 曲独楽は何度も寄席で見ているけど、南玉さんは初見。とても腰が低い話芸なんだけど、奇術のアサダ二世さんのように、ちょっと思い出したように付け足すところが面白い。

妾馬/市馬
 兄弟子の小三治さんが人間国宝に選ばれたという慶事に引っかけて、先代小さん師匠が人間国宝に選ばれた時のエピソード、加えて園遊会に呼ばれた時のエピソード。
 市馬さんの「妾馬」は二回目。明るく、都々逸で喉を聴かせてくれる、めでたさ満喫。
人生初歌舞伎。中村勘三郎さんがご尊命のうちに見ておけばよかった(;o;)。

歌舞伎座八月納涼歌舞伎
一、勢獅子(きおいじし)

◆華やかに魅せる江戸の大祭の風情
 山王祭で賑わう江戸の街。御神酒所には鳶頭や芸者たちが勢揃いしています。ほろ酔い気分で、鳶頭たちは曽我兄弟の仇討の物語、威勢のいい獅子舞を賑やかに披露し、皆を盛り上げます。
 祭礼を華やかに描いた常磐津の舞踊で、江戸っ子の風情を様々な踊りで魅せる変化に富んだ一幕です。

二、怪談乳房榎(かいだんちぶさのえのき)

◆早替り、本水、大立廻り、随所に見せ場のあふれる夏芝居
 絵師菱川重信には、美貌の妻お関と赤ん坊の真与太郎がいます。偶然、お関の窮地を救った浪人磯貝浪江は、一目ぼれをしてしまい、重信に弟子入りをします。そして重信が南蔵院本堂の天井画の龍を描くために留守をした間に、お関を我が物にしてしまうのでした。そんな浪江の前に現れたのはうわばみ三次。浪江の旧悪を知る男で、金の無心に訪れたのです。仕方なく三次に金を渡した浪江は、下男正助を仲間に引き入れ、ついに重信を殺害します。一方、南蔵院では、重信が霊となって現れ、画を完成させると、忽然と姿を消して皆を驚かせるのでした。悪業を隠してお関と夫婦になった浪江は、今度は正助に真与太郎を亡き者とするように命じ…。
 三遊亭円朝の口演をもとにした怪談噺で、今回は米国ニューヨーク公演の凱旋記念となります。早替りをはじめ、本水を使った滝壺での大立廻りなど先人の思いを受け継ぎ、さらに練り上げた清新な舞台をご堪能ください。
怪談乳房榎

早変わり、ホンモノの水を使った滝の迫力。
20年来の友人だけど落語に誘ったのは初めて。こども時代にテレビやラジオを通じて親しみがあった以外は、最近、談春、花緑と風間杜夫さんを生で聴いたという。

ぼやき居酒屋/はん治
 はん治さんが開口一番で出てくるなんて、前座じゃないのにいいのかなー。
 でも鉄板。

宿屋の富/小三治
 マクラをふたつみっつ。人間国宝という言葉にはひとっことも触れなかったのが小三治師らしい。
 馬喰町という地名が出たら、あぁ「宿屋の富」だなぁと思う程度にはネタを知っているのだけど、ライブでは談春師と雲助師のだけしか聴いていない、かな。雲助師の主人公は江戸弁でばぁばぁ言う感じだったと思うけど、小三治師のは落語版の田舎言葉。本宅から離れまで歩いていくと三日以上かかるので途中で引き返したとか、金持ちっぷりの盛り方は同じなんだけど、小三治バージョンの方が田舎でにっちもさっちもいかなくなった感があるかな。

かぼちゃ屋/小三治
 よみうりホールは通常18時30分開演なのだけど19時開演だった上に、中入り前のネタが『宿屋の富』たっぷりだったので、休憩時間がちょっと遅いかナーという気がしたのだけど、冒頭で小三治師が状況説明。よみうりホールは20時50分頃に終演しないといけないので、楽屋で太鼓がどんと鳴ったらそこで話を切ると……ひょー、こんな独演会初めて。
 かかったのが「かぼちゃ屋」。与太郎がかぼちゃ売り歩いて、利益乗せずに売ってきてしまったので、叔父さんにもう一度行商に出される場面で太鼓どーん。オチなし。
 お客さんの中にはぶつぶつ不満を言う人もいたけど、寄席で短い作品を聞き慣れている自分は、まぁこういう日もあるよなーと苦笑して終わり。

 友人と、有楽町のガード下で軽く飲み、たまたま隣に座った二人組がスペイン語を喋っていたので話しかけて、英語に切り替えてスペイン人ふたりの観光の感想に付き合う。日本を堪能してくれてありがとう。
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