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新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
 2009年1月に志の輔らくご@パルコを皮切りに落語にはまったので、落語歴はまだ3年……2010年に出くわしたライブがとてもよかったので年間30から50の寄席や落語会を聴きに行くような落語オタクになってしまった(^_^;)。2010年に出会った中で今でも印象が強烈に残っているのは、志の輔らくご@パルコ、にぎわい座の志の輔『百年目』、志の輔『江戸の夢』、そして談春『佐平次』@神奈川音楽堂。自分には「紅葉坂の佐平次」として、談春さんのベスト・オブ・ベストな高座として記憶している。
 だから談春師がネタ出しで『佐平次』をかけるとなったら、それも地元といっていい大井町のきゅりあんでの高座となったら、万難を排しても聴きに行くのだ。

こはる『千早ふる』
 直近で文左衞門師の『千早ふる』を聴いたばかりだったので、同じネタなのに演者によって魅力が違うのをしみじみ感じた。文左衞門師版は、文師らしく、兄ぃと弟分(百人一首のかるたとりに凝ってる娘がいる)という関係性に対して、こはるちゃん版は、スタンダードなご隠居と熊公の関係。自分が聴いてきたいくつかのバージョンと比較してこはるちゃんオリジナルかなと思うのは、竜田川関が吉原で千早太夫に出会う経緯に絵画的な描写があったところ。
 この後に上がった談春師曰く、18時半というちょっと早めな開演でわさわさと遅れて座席に着くお客様もいる中で、実に淡々と演じていたと。万難を排して最初から聴けた自分には、ゆったりした心持ちで楽しめた『千早ふる』だった。

談春『味噌蔵』
 最近聴いた中では市馬師の『味噌蔵』がスタンダードなので、期待レベルが高くなってしまうのだけど……さすが談春師、市馬さんの楽しげな「ドガチャガ」と礒節にはとても及ばなかったものの、それ以外のところは談春さんらしい膨らませ方も含めて聴かせてもらった。
 赤西屋の旦那が結婚して子供を設ける経緯は思い切りよくカット。旦那の留守を幸いにご馳走を注文して盛り上がる番頭以下使用人たちのはじけっぷりも、見込みに反して早く帰宅した旦那にうろたえる使用人たちの反応も面白かった。寄席ではトリネタになり得るネタではあるけど、談春さんには軽めに中入り前でやっていただくのが合っているなぁ。

談春『居残り佐平次』
 デリハル2013のシリーズでは、東京各地を回る中でなるべく地元に近いネタをかけるそうだ。そして、品川区の大井町での今回口演は『居残り佐平次』……2010年9月の神奈川県立音楽堂での、自分的には通称「紅葉坂の『佐平次』」を聴いて以来、いまだに衝撃が記憶に残っている名演が比較対象になってしまうので、なまじの落語家さんの『佐平次』では満足できないだろうと思っている。談春さんが、その時の口演を超えられるかどうかって基準で聴くファンがいるって、談春さんの落語家人生は常にハードル高いよなぁ……。
 こってりと一時間にわたって饒舌かつ気まぐれな佐平次に振り回されて、満足。翻弄される牛太郎と同じように、言いくるめられたり、恫喝されて怯えたり、ちょっとした気遣いにほだされたり、毒気に当てられてしまう。強いて云えば、紅葉坂の佐平次が襖から顔を出して周囲を見渡してブラックに笑った(表現しづらいのだけど喪黒福造がシシシと笑うのが近い)場面があって、祟り神のこわさと魅力を感じたのだけど、その一点がちょっと足りない感じ。でも佐平次が百戦錬磨のおばさん始めとする登場人物のすべてを振り回す『居残り佐平次』の面白さを伝えて余りある口演だった。さすが談春。

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