新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
今朝、国立劇場のサイトを検索したら席が空いていたので予約入れて行ってきました。

平成28年6月歌舞伎鑑賞教室「新皿屋舗月雨暈(しんさらやしきつきのあまがさ)―魚屋宗五郎(さかなやそうごろう)―」

 中村萬太郎さんによる、わかりやすい歌舞伎入門講座つき。歌舞伎十八番のひとつ「景清」の荒事のさわりと、世話物の代表作として「髪結新三」から弥太五郎源七と新三による深川閻魔堂橋の場のアクションを実演してくれました。

 河竹黙阿弥の作品が最近好きだなと思うのも、幕末好き・幕末好きの私にはふさわしいでしょう。安政年間から幕末にかけて「鼠小僧」「十六夜清心」「三人吉三」「白浪五人男」など白浪物を続けてヒットさせたのは幕末の政情と治安の悪さを反映していますね。美しい七五調の台詞が、落語耳には心地よく響きます。
 そして、明治の世になってヒットさせた作品は「髪結い新三」「三千歳と直侍」「魚屋宗五郎」など、必ずしも盗賊や侠客とは限らないけど、市井の人で社会の底辺で生きる人たち。さらに、失われた江戸や江戸っ子に対するスタイリッシュなノスタルジーがある。落語も、明治期の作品には、薩長など田舎者に江戸を奪われた江戸っ子の意地が感じられる作品があるのと同じ。

 成駒屋こと中村橋之助さんの宗五郞は20年ぶりだそうだけど、去年平成中村座で勘九郎さんが演じた宗五郞は橋之助さんが指導していたと思われるので、デジャブ感あり。ただ、こんなことを言うのはおそれ多いのだけど、橋之助さんはこの役はまだこなせていないように思う。禁酒の誓いを破り、酒を呑みながらだんだん荒れていく場面は、何かがちょっと足りないように思う。
 梅枝さん演じるおはまは最高。すごくこなれている。間の取り方も抜群。

この顔付けは、あまりないなー。さん喬師匠と白鳥さんが楽屋に同時にいることはあっても、落語会に三人だけで集まるなんて。
 ということで、都内の城南地区から、さん喬師匠の地元深川へ。

たらちね/きいち
 おぉ、一之輔さんのところの前座さんが、うまーい。声も、喋りのリズムとか抑揚も、いい。まじでちょっと笑っちゃった。入門2年としてはかなり進んでますね。

座席なき戦い/白鳥
 白鳥さんがアメ横で偶然遭遇した出来事(5番アイアン1本1500円但し一人3本まで、マグロ中トロ刺身1万円買ったらマグロのカマもらった、そのまま帰宅ラッシュの山手線乗って大変な目に)がネタになった噺……三題噺じゃないけど、ネタ3つでどれだけ噺ができるかという挑戦。

 これが落語かといわれたら古典落語が好きな人(特にさん喬ファン)にはどう見えるかわかりませんが、私は終始息が止まるんじゃないかと思うほど笑い転げてました。

 たまたまこんな記事が東洋経済オンラインに掲載されていました。
通勤電車の座席をめぐる「仁義なき戦い」鉄道会社は改善するつもりがあるのか?
「自分の身体の幅より狭い一人分に座る」
自分の幅がわからない馬鹿や想定より太ってしまったデブに電車に乗る資格はない。
 なんか白鳥ワールド。

普段の袴/一之輔
 さすがに白鳥さんに破壊された空気のまま上がるのは難しいので、中入りに。
 高座に上がった一之輔さん、「白鳥兄さん、もらうもんもらったらさっさと帰っちゃいましたよ。独特のキャラですね〜」って感じで白鳥さんをいじる。
 「普段の袴」、市馬さんの音源では聴いたことがあるけど、ライブで聴いたのは初めてです。そして、一之輔さん版も、後半の八っつぁんが破壊力半端なく、すごーくよかったです。

唐茄子屋政談/さん喬
 白鳥さんの後に一之輔さんが上がって、空気がだいぶ落語に戻りました(暴言)。
 大店の息子の徳さんが勘当されて、「お天道様と米の飯はついて回る」と豪語するも、当てにしていた吉原の花魁も友人も金と後ろ盾をなくした若旦那には用はなく、やがて食べるものもなく炎天下を徘徊するホームレレスに。苦しさに身投げするところを助けてくれた叔父さんに唐茄子売りに出る。吉原田圃で売り声を練習し、何とか吉原時代の思い出を断ち切る。かぼちゃ20個の荷をまともに担げないながらも、下町の人たちに助けられて18個まで売ることができた。
 誓願寺長屋(せいがんじだな)の裏長屋で声をかけた貧乏なおかみさんと子供たちに同情して、売りだめと弁当を押しつけて帰ってしまうが、おかみさんは徳に返そうとした売りだめを滞納している家賃のかたに大家に取られてしまう。おかみさんは絶望して首をつるが、幸い、発見が早くて助かる。これを知った徳は大家の家に乗り込み、やかんで大家の頭をぽっかーんと。
 今の西浅草二丁目に田島山誓願寺という寺が明治初年から昭和11年まであったそうで(今は練馬に移転)、その門前に貧乏長屋があったそうです。
 素晴らしいんだけど声なのか喋り方なのか入り込めないんだなぁ、私がひねくれているからなのかしら……。
6月5日までというので、見に行きました。

ボストン美術館所蔵俺たちの国芳 わたしの国貞
2016/3/19(土)-6/5(日)
※会期中無休

テレビやグラビア雑誌がない江戸時代、浮世絵は歌舞伎スターのブロマイドであり、最新のエンターテインメントやファッションを伝える重要なメディアでした。
本展では世界に冠たる浮世絵コレクションで知られるボストン美術館より、幕末に絶大な人気を博した二人の天才浮世絵師、歌川国芳と歌川国貞の選りすぐりの作品で、江戸の世界を体感していただきます。
二人は兄弟弟子でありながらその作風は対照的で、国芳は豪快な武者絵と大胆な構図で、国貞は粋な美人画や緻密な表現で一世を風靡しました。江戸の「俺たち」は国芳が描く任侠の世界に憧れ、物語のヒーローの姿に自らを重ねあわせ、粋で鉄火な美人に恋い焦がれたことでしょう。一方で「わたし」は、国貞が描くキラキラ輝く歌舞伎役者に熱い思いを寄せ、美しい女性の艶姿に夢を馳せたのです。本展では、江戸の国芳・国貞ファンたちと現代の私たちに共通する心情を探りながら、直感的に鑑賞できることを目指します。

日本テレビ ボストン美術館蔵俺たちの国芳 わたしの国貞

 国芳のニャンコが大好きな私にとっては、眼福でありました。
初日に行ったのは初めてです……そして第三部の「狐忠信」は、ニコニコ超会議の初音ミクと中村獅童さんとのコラボ「千本桜」が当たったせいか、猿之助が新歌舞伎座で初の宙乗りをするせいか、3等席が全日売りきりで買えません(; ;)。

六月大歌舞伎
義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)

流転する義経に翻弄された三人の男たち―長編歴史ロマンを三部制で初上演―
 『義経千本桜』は、『菅原伝授手習鑑』、『仮名手本忠臣蔵』と並ぶ歌舞伎三大義太夫狂言の一つとして知られており、現在でも上演を重ねる人気作品です。
 源平争乱の後、源義経がたどる数奇な運命を軸に、平知盛、いがみの権太、狐忠信の三人の物語が描かれています。
 当月は、三人の男に焦点を当て、三部制でご覧いただくことにより、それぞれの人物を取り巻く物語を一層わかりやすく描き出します。源平争乱後の時代を舞台に繰り広げられる三者三様の人間ドラマをご覧いただきます。
第一部
義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)

流転する義経に翻弄された三人の男たち―長編歴史ロマンを三部制で初上演―
 『義経千本桜』は、『菅原伝授手習鑑』、『仮名手本忠臣蔵』と並ぶ歌舞伎三大義太夫狂言の一つとして知られており、現在でも上演を重ねる人気作品です。
 源平争乱の後、源義経がたどる数奇な運命を軸に、平知盛、いがみの権太、狐忠信の三人の物語が描かれています。
 当月は、三人の男に焦点を当て、三部制でご覧いただくことにより、それぞれの人物を取り巻く物語を一層わかりやすく描き出します。源平争乱後の時代を舞台に繰り広げられる三者三様の人間ドラマをご覧いただきます。
〈渡海屋・大物浦〉
義経への復讐を図る知盛の壮絶な最期
 兄頼朝に都を追われた義経一行は、大物浦の船問屋の渡海屋で出船を待っています。実は渡海屋の主人銀平は、壇ノ浦の合戦で死んだはずの平知盛で、典侍の局や安徳帝と共に素性を偽り、平家の恨みを晴らす機会をうかがっていたのでした。知盛は船出した義経一行を襲いますが、返り討ちにあってしまいます。典侍の局は義経に帝の守護を頼んで自害します。それを見た知盛も体に碇綱を巻きつけ、海中へと身を投げるのでした。

 染五郎さんの知盛、割と細身な方ではありますが大きく演じてよく見えました。
 義経の尾上松也さんが、美しいです。そして船宿の女将お柳実は典侍の局、猿之助さんの演じ分けが光ってました。
 また安徳帝を演じたのは市川右近の6歳タケル君。かなり長い台詞回しもありましたが、なかなか頑張っていました。
〈時鳥花有里〉
義経主従のため披露される賑やかな舞踊
 義経は、母常盤御前にゆかりの大和国へ向かおうと、家臣の鷲の尾三郎とともに奈良街道にさしかかります。そこへ、白拍子や傀儡師たちが通りかかり、義経を慰めるため、賑やかに踊ってみせます。実は、白拍子や傀儡師たちは龍田明神の使者で、義経に吉野の川連法眼を頼るようにと神託を下すのでした。

 染五郎さんが今碇を巻いて海に飛び降りたばかりの知盛、静御前、義経、弁慶と踊り分ける軽妙な舞がいいですね。
いがみの権太(いがみのごんた)

〈木の実・小金吾討死〉
権太親子の情愛と小金吾の勇壮な大立廻り
 下市村の茶屋へ、平維盛の行方を探す御台の若葉の内侍と若君の六代、その家来の主馬小金吾がやって来ます。そこへ「いがみ」と呼ばれる無法者の権太が現れ、小金吾に因縁をつけて金を巻き上げます。その後、追手に囲まれた小金吾は奮戦して内侍と六代を逃しますが、ついには討死してしまいます。偶然そこへ通りかかった権太の父の弥左衛門は、小金吾の首を持ち帰ります。

 小金吾の松也さん、哀れなり。
〈すし屋〉
一家を見舞う悲劇と権太の思い
 すし屋を営む弥左衛門は、旧恩ある平重盛の子 維盛を奉公人の弥助として匿っています。弥助に思いを寄せるこの家の娘お里は、若葉の内侍の来訪により真実を知り三人を逃しますが、その様子をうかがっていた権太は、訴人しようと駆け出していきます。そこへ詮議に現れた梶原景時に、維盛の首を携えて再び戻った権太が、内侍親子の身柄を差し出してしまいます。弥左衛門は怒りのあまり、権太を刺してしまいますが…

 いがみの権太の正音が分かるのは最後の最後。このためにある二幕といっていい。幸四郎さんが権太を江戸前のちんぴらなひねくれ者として憎々しく演じてきたから、最後は……。

4年連続の志の輔らくご@ACTシアターです。何といっても千人の観客にガッテンさせるわかりやすさ、そしてACTシアターという演劇空間に合った演出力(パルコ劇場、本多劇場とそれぞれ劇場の特性に合わせて趣向を変えている)。

赤坂ACTシアタープロデュース 恒例「志の輔らくご」

[第一部] 大忠臣蔵~仮名手本忠臣蔵のすべて
 お値段外のサービス(苦笑)。
 史実の赤穂事件と仮名手本忠臣蔵の違いを中心に、史実をもとにしたフィクションである仮名手本忠臣蔵の見どころを全幕通して解説。鉄板。

[第二部] 落語 中村仲蔵
 中村仲蔵が稲荷町出身の役者としては異例中の異例な出世を遂げて名代となるも、最初の興行は忠臣蔵五段目の斧定九郎だけ一役。苦しみながらも役柄を革新する演出を行い、後世に残る。
 今年は特に、仲蔵の葛藤や驚きなどの表現がひとり演劇を強調するように感じた。

 又、来年もチケット取れますように。
オバマ大統領の歴史的な広島訪問を生放送で観た後で。

北海道
函館・五稜郭祭、熱演競う 女子アナ“土方歳三”が優勝
 戊辰戦争最後の舞台となった北海道函館市で21日、「箱館五稜郭祭」が始まり、戦死した新選組副長の土方歳三に扮して寸劇を披露するコンテストが開かれた。29回目の今年は地元のケーブルテレビ局「NCV」のアナウンサー、高橋ともみさん(26)が優勝した。

 コンテストには北海道のほか、川崎市や愛知県春日井市、福岡市などから男女20人が出場。身のこなしやせりふで土方らしさを表現し、詰め掛けた観衆約400人を楽しませた。

 寸劇は土方が故郷の東京・日野への手紙を仲間に託した後、戦いに臨み、銃弾に倒れる設定。

土方歳三の最期 華麗に演技 名物コンテストで函館の高橋さん優勝
【函館】箱館戦争で旧幕府軍に加わり、戦死した新選組副長の土方歳三らしさを競う「土方歳三コンテスト全国大会」が21日、函館市の五稜郭タワーで開かれた。道内外の男女21人が出場し、函館市内のケーブルテレビ(CATV)アナウンサー、高橋ともみさん(26)が初出場で優勝した。

 コンテストは29回目で、この日から2日間の日程で始まった箱館五稜郭祭(同祭協賛会主催)の名物イベント。出場者がそれぞれ独自のシナリオで土方になり切り、銃弾に倒れる土方の最期を演じた。勇ましい殺陣のほかに、コントで笑いを誘う出場者もいた。

 高橋さんは札幌市豊平区出身。アナウンサーとして昨年のコンテストを取材する中で出場を決めたといい、高橋さんは「劇団に所属していたこともあり、殺陣の経験もあった。優勝は本当にうれしい」と笑顔を見せた。他の成績は次の通り。(敬称略)

五稜郭祭開幕 土方コンテストは高橋さん優勝
 戊辰戦争の最後の戦地となった五稜郭を後世に伝える「第47回箱館五稜郭祭」(協賛会主催)が21日、2日間の日程で開幕した。初日は箱館戦争ゆかりの地を巡る「碑前祭」や「土方歳三コンテスト全国大会」が行われた。

 碑前祭は「中島三郎助父子最後之地」碑(中島町)、「碧血碑」(谷地頭町)、「土方歳三最期之地」碑(若松町)、「五稜郭タワー箱館戦争供養塔」で行い、戦没した無名兵士らの冥福を祈った。

 午後から五稜郭タワーアトリウムで記念式典、引き続き今年で29回目となった土方歳三コンテスト全国大会を開催。今年は函館や道内のほか関東、福岡県から20~48歳の21人(男性15人、女性6人)がエントリー。本紙で連載中の漫画「幕末観光ヒジカタ君」のヒジカタ君も審査対象外で初出場した。

 出演者は、土方が最期を迎える場面を、自身で考えた演出でパフォーマンスを披露。容姿や演技、土方への思い入れなどが審査され、優勝は地元ケーブルテレビ局「NCV」のアナウンサー高橋ともみさん(26)が初出場で見事に栄冠に輝いた。
 高橋さんは出身地札幌で演劇活動をしていたといい、凛とした雰囲気を醸し出す中、勇ましい殺陣と、はっきりとしたせりふの言い回しが高く評価された。高橋さんは「出るからには優勝と思っていたが、まさかという気持ち。コンテスト出場を通して、あらため土方が愛されている理由が分かった」と話した。

 22日は午後1時から「維新行列・音楽パレード」で、本町の行啓通りでは旧幕府軍と新政府軍の戦闘シーンが繰り広げられる。同3時ごろから五稜郭公園の特設ステージで「開城セレモニー」を行う。

21、22日「五稜郭祭」 維新行列や土方コンなど
 箱館戦争の舞台となった五稜郭の歴史を伝える「第47回箱館五稜郭祭」(協賛会主催)が21、22の両日、特別史跡・五稜郭跡周辺などで開かれる。函館の初夏の風物詩としても親しまれ、パレードや土方歳三コンテスト全国大会などを行う。

 初日は午前10時から市内各地を巡る「碑前祭」で、午前10時に「中島三郎助父子最後之地」碑、同10時50分に「碧血碑」、同11時に「土方歳三最期之地」碑、正午に「五稜郭タワー 箱館戦争供養塔」で行う。
 午後1時から五稜郭タワーアトリウムで記念式典があり、続いて「第29回土方歳三コンテスト全国大会」。全国から集まった土方ファンがパフォーマンスを演じる。

 2日目は、箱館開港や榎本政権誕生などの歴史物語や、すべてが五稜郭へ集結する様子を表現する「維新行列・音楽パレード」から始まる。維新行列は午後1時に中島町廉売通りからスタート、音楽パレードは同1時15分に千代台公園を出発する。行啓通りの戦闘シーンパフォーマンスの後、五稜郭公園特設ステージで榎本武揚が黒田清隆に「海律全書」を手渡すシーンなどを再現する「開城セレモニー」(午後3時ごろ予定)を行う。

 22日のパレード開催時は交通規制を実施。問い合わせは実行委事務局(TEL0138・51・4785、五稜郭タワー内)へ。

「五稜郭おもてなし隊」復活 歴史実感、観光客に好評
【函館】幕末の衣装に身を包んだ函館市民による「五稜郭おもてなし隊」が大型連休中、函館・五稜郭公園内の箱館奉行所前で観光客を出迎え、人気を呼んでいる。21、22の両日、市内で開催される「箱館五稜郭祭」(箱館五稜郭祭協賛会主催)のPRを兼ねて2年ぶりに結成されたもので、外国人観光客らの記念撮影の求めにも気軽に応じている。

 おもてなし隊は2014年の五稜郭築造150年祭の目玉企画として登場。今回は大型連休が始まった4月29日に復活した。市内の会社経営者や公務員らのボランティアで組織し、ペリーや土方歳三など幕末の函館にゆかりの深い8人の歴史上の人物に扮(ふん)している。

 大型連休後半を迎えた4日も、観光客らが記念撮影を求めて列をつくった。兄弟と写真に納まった秋田市の中学1年菅野泰雅さん(12)は「ペリーの帽子がかっこいい。タイムスリップしたみたい」と笑顔を見せた。外国人観光客も幕末の衣装に興味津々で、サクラを見に初めて函館を訪れたという英国の薬剤師ジェシカ・コリングスさん(30)は「歴史を感じられておもしろい」と話していた。

 おもてなし隊の復活は、北海道新幹線で道内外から訪れる観光客に、今年で47回目の箱館五稜郭祭をPRする狙いがある。

 同祭は箱館戦争ゆかりの碑を巡る「碑前祭」、土方歳三のなりきり度を競う「土方歳三コンテスト」、幕末当時の衣装で市内を練り歩く「維新行列」など多彩な催しが市民に親しまれている。しかし、大型連休直後とあって「市外の人には祭りの存在があまり知られていない」と同祭実行委事務局の野寺正樹さん(62)。おもてなし隊を通じて函館の歴史都市としての一面を観光客に知ってもらい、再び新幹線で足を運んでもらおうという狙いだ。

 おもてなし隊は8日までの毎日と、月内の土日に箱館奉行所前で観光客を出迎える。(岩崎あんり)

坂本龍馬の手紙に貿易構想 「黒龍丸」で北海道開拓など
 坂本龍馬の貿易構想が読み取れる手紙の写しと推測される新史料が、松田和晃・杏林大学教授の調べでこのほど確認された。龍馬が外国と通商を行おうとしていたことは知られているが、その具体的な記述は珍しい。龍馬は幕船「黒龍丸」を使っての北海道開拓に加えて、さらに上海や朝鮮などを視野に入れた航海も考えていたことがうかがえる内容となっている。

 坂本龍馬は、北方を視察した土佐勤王党の北添佶磨(きつま)らに影響を受け、防衛・交易面などから北海道開発を提言した。勝海舟の日記に、尊皇攘夷派の志士たちを黒龍丸に乗せて移住させる龍馬の計画も記されている。

 しかし1864(元治元)年6月5日に新選組が尊攘派志士を襲撃した池田屋事件が起き、北添ら攘夷派が多数殺された。龍馬の支援者だった海舟の幕府内における政治的影響力も失われたことから、黒龍丸による通商計画はかなわなかった。

 新史料の手紙は池田屋事件から間もない6月29日付で、龍馬から海舟に宛てられている。松田教授が20年以上前に知人から入手した巻物の中に、西郷隆盛ら海舟宛て書簡5通とともに収められていた。松田教授が内容を分析し、論文にまとめて大学内の紀要に発表した。

 手紙の右上には、海舟と思われる筆跡で、龍馬の手紙である旨を記した紙片が貼られている。

 手紙の中で、黒龍丸を交易などに活用したい龍馬の考えに反し、幕府の中に軍艦にしたいという意見があることを指摘し、「上海朝鮮ハいふも更也、津島(対馬)箱館(函館)にさへ自由に行事を得さるべし」(そうなれば、上海や朝鮮のみならず対馬や函館へも自由に行けなくなる)と具体的な地名を挙げて警戒している。

 「先生(海舟)の龍に御委有し事(委ねてくれていること)と相違し、大に諸生の英気を挫(くじ)かむ事を恐れ、此(この)歎願を申候(もうしそうろう)」と協力を懇願している。

 そして池田屋事件で犠牲になった望月亀弥太らを「大ニ遺憾」と悼む記述もある。

 龍馬の黒龍丸に関する記述はこれまでにも見つかっていたが、龍馬の筆跡とは異なる印象もあり、手紙の写しではないかともみられている。今回の手紙も直筆ではなく写しと推測され、松田教授は以前見つかった手紙と筆跡や紙のサイズに類似点があることを指摘し、その後半部分ではないかと考えている。

 松田教授は「海商計画が頓挫した経緯に再検討が加えられる契機となれば」と期待している。

 今回の発見について、三浦夏樹・高知県立坂本龍馬記念館主任学芸員は「龍馬が書いたとは断言しにくいが、内容的に面白い。今後の研究材料になると思う」と話す。

 高知市の歴史家、松岡司さんは「龍馬が書いたものの写しだろう。龍馬は有能な志士たちを北海道へ送りたがったが、思うようにならない時期にきていた。維新史に触れる重要な史料」としている。 


◆黒龍丸◆
 米国製の木造蒸気船。幕府が1864(元治元)年7月、所有していた越前福井藩から買い上げ、勝海舟の建議によって新設された神戸海軍操練所に配置された。1864年11月、勝は軍艦奉行を罷免され、翌年、神戸海軍操練所も閉鎖。黒龍丸は民間に払い下げられた。



静岡
国際色豊かに黒船祭 22日まで下田
 ペリー艦隊の来航にちなんだ日米親善イベント「第77回黒船祭」(同執行会主催)が20日、下田市内で始まった。幕末に開国の舞台となった港町の同市で22日まで、国際色豊かな催しを繰り広げる。
 市観光交流課によると、3日間で約20万人の人出でにぎわう市内最大のイベント。初日は記念碑のある下田港のペリー上陸記念公園で、献花式が開かれた。市立下田中吹奏楽部が日本と米国の国歌を演奏し、ペリー出生地で国際姉妹都市の米国ニューポート市の訪問団や、地元の園児らが花を供えた。
 下田市の楠山俊介市長は「今後も日米の友好関係が絶え間なく続き、相互理解が深まることを祈念します」とあいさつした。
 ペリー艦隊乗組員の菩提(ぼだい)寺である玉泉寺では、米海軍主催の墓前祭が営まれた。米海軍派遣艦隊の乗組員と、ニューポート市の訪問団は下田市内の全小学校7校を訪れ、児童と交流した。夜間は海上花火大会があり、約1200発の打ち上げ花火が夜空を彩った。
 21日は記念式典や、主要行事の公式パレードなどが行われる。


鹿児島
幕末薩摩の外交資料120点 黎明館で企画展
 幕末の薩摩藩の外交に関する資料などを展示する企画展「幕末薩摩外交―情報収集の担い手たち―」が鹿児島市の県歴史資料センター黎明館で開かれている。9月11日まで。

 薩長同盟150年を記念した企画。薩長同盟の成功や薩摩藩が幕末に政治的指導力を発揮した背景に、優れた情報収集、分析の能力があったことを紹介しようと、関係資料を集めた。

 展示されているのは、資料約120点とパネル約80点。薩長同盟が締結された場所ともされる京都の近衛家別邸の絵図、薩摩藩英国留学生の町田久成が西郷隆盛と大久保利通に宛てた書簡などが並ぶ。前野良沢らが翻訳した医学書「解体新書」も来館者の目を引いている。

 灰床義博館長は、「薩摩藩は海外から直接情報を入手するなど、情報収集に力を入れていた。国内外の情報ネットワークを駆使した藩の外交について、関心を深めてもらいたい」と話している。

 月曜休館。入館料は常設展と共通で、一般310円、高校・大学生190円、小中学生120円。問い合わせは黎明館(099・222・5100)へ。



佐賀
寄稿 「幕末佐賀藩の科学技術」上巻・下巻の刊行によせて
■多くの新事項を解明

 三重津海軍所の世界遺産登録を目指して、佐賀市・佐賀県などによって幕末期の佐賀藩の科学技術に関する遺跡の発掘と分析が行われ、多くの新しい事項が解明された。これらの成果を基に「幕末佐賀藩の科学技術」上巻・下巻(岩田書院、平成28年2月)を刊行した。

 上巻は「 ...
 以下を読むには有料登録が必要だとのこと。

高知
「志国高知 幕末維新博」は2018年4月から第2幕
 2017年から高知県内各地で展開する「志国高知幕末維新博」の推進協議会の設立総会が25日、高知市内のホテルで開かれた。県内34市町村や商工、観光など各分野の関係者ら約150人が出席し、推進協議会が博覧会の運営主体となることや博覧会の実施方針などを確認した。

 2017年は大政奉還、2018年は明治維新からそれぞれ150年に当たることから、高知県は2017年3月からと2018年1月からの2部制で博覧会を企画している。...
 この続きは有料登録が必要だとのこと・汗。

栃木
ビビる大木、世界遺産・輪王寺で無料の幕末トークライブ開催
ビビる大木の無料トークライブ「TAN-SU presents ビビる大木 世界遺産で幕末のお話 in日光山輪王寺」が7月9日(土)に栃木・日光山 輪王寺 常行堂にて開催される。

大木が自身の大好きな幕末時代について語り尽くす「お寺で幕末のお話」シリーズ。普段は有料の同ライブが、今回は定員80名の無料イベントとして実施される。ゲストは歴史にも精通している精神科医の名越康文。世界遺産の輪王寺で繰り広げられる、大木と名越の幕末トークを堪能しよう。

TAN-SU presents ビビる大木 世界遺産で幕末のお話in日光山輪王寺

日時:2016年7月9日(土)16:00開場 17:00開演
会場:栃木・日光山 輪王寺 常行堂
出演:ビビる大木
ゲスト:名越康文
料金:無料
定員:80名
予約方法:専用予約フォーム(https://www.watanabepro.co.jp/enq/4KMNP/)にて申し込み。

ブックレビュー
新選組 粛清の組織論」菊地明著
  殺した敵は26人、粛清した同志は40人。幕末を駆け抜けた漢(おとこ)たちには、表に出ない内部粛清の歴史がある。司馬遼太郎の『燃えよ剣』などの小説から入った人の多くは、近藤勇や土方歳三ら“新選組内の勝者”のファンなのではないだろうか。
 一方で彼らは鉄のおきてを作り、厳しく隊内を取り締まっていた。食い詰め浪人を最強組織に育て上げたのが、世にいう「局中法度」と呼ばれるものだ。脱走や金策は厳しく処罰され、切腹に追い込まれている。本書ではその40人にスポットを当てて論じている。
 そこには近藤勇グループが覇権を掌握していくという過程が含まれており、粛清された大幹部である芹沢鴨、山南敬助、伊東甲子太郎らは、「新選組の敵」として描かれがちである。本書は“粛清された敗者”の視点、そして幕末動乱期の思想変化という視点を加えて、新しい新撰組論に挑戦している。
東京都美術館生誕300年記念 若冲展The 300th Anniversary of his Birth: Jakuchu
生誕300年記念 若冲展

 最大5時間待ちとか聞いていたので、諦めかけていたのです。

 でも、今日最終日の公式ツイッターに、チケット購入5分、入り口まで120分待ち、と流れてきたので、2時間超えるようならすっぱり諦める覚悟で行ってみました。

 そしたら、1時間ぐらい待ちで入れました。

 来てよかった。30枚の動植綵絵と3枚の涅槃図が同じフロアに並んでいる空間にいたというだけで、もう満足です……やはり激混みで、ゆっくり見られず、駆け足で回っただけですが。

若冲展、激混みで絶望。伊藤若冲 動植綵絵(どうしょく さいえ)大きな画像で見たい人用 まとめ

 印象派に影響を与えた浮世絵の流れとはまた違った、欧米人に通じる構図と色彩感覚をもっています。マンガ世代の自分としては、描き込みと省略のどちらの描き分けも凄い〜って軽い感想で。次にゆっくり見る機会が欲しい。。
この三人が出るホール落語って、素晴らしすぎる人選。よくやった、地元きゅりあん@品川区。そして、よみうりホール並みの約1000席が満杯。年齢層は60代以上が多いかな。

手紙無筆/はまぐり
 白酒さんのお弟子さん。師匠からでなければ、文左衞門師から稽古つけてもらったのかな。
 この噺をかけられるぐらいには前座さんとして経験値は積んでいるのだけど、あまり笑い処がないというぐらい、まだまだ。そして前座は笑いを取る以前にメロディとリズムで噺を自分のものにしなければならない、その点はしっかりしているように感じた。

宿屋の仇討/白酒
 あれ、最初は落語界のカーストからいって一之輔さんが最初かなと思っていたのに、白酒さん? でも、よく聞くと、浅い出番をこなして浅草でトリを取る予定だったそうだし、中入前のポジションだと思えば、ここでもおかしくはない。
 そして、一番手としては、「宿屋の仇討」なんてトリねた、楽しすぎる。修学旅行で一緒の部屋に泊まる組で、怪談や恋バナ話に花が咲くような青春時代とは無縁だったので、疑似体験と思って、楽しみます。

中入り
 え、もう中入り? ま、確かに7時開演で9時終演だと、このタイミングで中入りなんだな。。

鰻の幇間/一之輔
 やっぱり笑点で歌丸さんが司会引退して昇太さんが司会を引き継いだ後の座布団利権が話題に。芸協枠とはいえ、瀧川鯉昇さんが候補って高齢過ぎないか、とか。いくら地方での興行のギャラが上がる座布団利権の魅力があるとはいっても、あのキャラわけの中に入って演じきることを死ぬまでやる気はない、悪魔に魂は売らない、とか。新メンバー発表の29日には青森興行なので多分自分は入っていないけど、中継って手段はある、とか。
 いいですね、一之輔さん味にすっかり消化された「鰻の幇間」。鰻屋に勤続25年の店員さんが、客を小馬鹿にしたように笑うところが。

井戸の茶碗/喬太郎
 キョン師は大井町にはJRのウルトラ怪獣スタンプラリーで下車したことしかないそうです。笑
 一之輔さんと同様、29日は地方巡業中だそうです。
 そして「井戸の茶碗」。この人数の観客のせいか、地方巡業という位置づけだからか、正直言って、かなりクサイ演じ方です。そして、キョン師ナイズされています。正直清兵衛さんが、自分の欲望に「正直」清兵衛さんになってます。
 キョン師には美空ひばりメドレーの「歌う井戸の茶碗」もありますので、その日のお客さんによって自在に演じられるし、古典を古典通りに演じることも現代のテーストをどの程度ブレンドするかも自在ですね。みんなよく笑いました。
 ただ、私の好みからすると、崩したところがちょっと「地方巡業のお客様向きに変えました」的なところが鼻についた感じです。うーむ、もっとキョン師の冒険を生暖かい目で見られるようにならないといけませんね。
例年のことですが、和泉守兼定を拝観できるこの時期に日野をみつねさんと散策。

土方歳三資料館
 今回はTwitterだけで9時開館を告知していただいたため、早めに並ぶ客がやや少なめ。おかげさまで、第一陣に混じって兼定をじっくり拝見できました。ありがとうございます。

石田寺&とうかん森
 通常なら、必ず土方さんのお墓(空墓ですが)にご挨拶してから関連史跡を訪れるのですが、今回は順序が逆でも特に天候に異変は起こりませんでした(スーパー晴れ女のみつねさんパワーのおかげで、雨女な私がいても一日天気がもちました)。

佐藤彦五郎資料館
 モノレール万願寺駅から高畠不動に出て、バスで生活消費センター下車で徒歩2分。
 特別拝観で、あの、市村鉄之助が持参したという土方歳三の写真オリジナルを見ました。何度見ても、あの頃の貴重品、時と共に劣化するのを止められない、あと何度拝見できるでしょうか……これを伝えてくださる関係者の方々にお礼申し上げます。

新選組のふるさと歴史館
 「描かれた新選組Ⅲ 新選組創作温故知新」。去年に引き続き、新選組が創作作品にどう描かれたかを明治から現代にかけて。先頃亡くなった望月三起也さんの『俺の新選組』を見た時には、ちょっとしんみり。
 土方歳三にスポットを当てた『燃えよ剣』と新選組一連の群像劇『新選組血風録』によって歴史の日陰者だった新選組に注目させた司馬遼太郎の功績は大きいと思います。特に、明治維新以来、歴史的には敗者であったものの英雄だと描かれた近藤勇でなく土方歳三にスポットを当てたことの功績はあると思います……私も、この作品が入り口でしたので、否定はしません。
 でも、司馬史観で貶められた史実の人物もいるのですよね。この作品でいえば、土方歳三に祭り上げられて舞い上がる近藤勇、粛清される伊東甲子太郎、江戸から脱走した陸軍を連れて会津や箱館を連戦する大鳥圭介が割を食っています。
 それは別として、私的に好きな作品が多く取り上げられてました。『幕末Rock』はハイパーですがまだまだ面白くなりますよ。 

以下、引用は歌舞伎美人の團菊祭五月大歌舞伎「みどころ」より。
【昼の部】
一、鵺退治(ぬえたいじ)

伝説を元に描かれた時代狂言
 時の帝が、毎夜物の怪に悩まされていることから、源頼政にこれを退治する勅命が下ります。頼政が、邪気を払うために弓の弦を鳴らす鳴弦の法を行うと、凄まじい響きとともに現れたのは、頭は猿、躰は狸、尾は蛇、手足は虎に似た鵺でした。激しい闘いの末、見事鵺を退治した頼政に対し、九条関白はその武勇を愛で、勘当の身となっていた頼政を許したうえ、恋仲であった宮中の美女菖蒲の前を妻とすることを許します。そして恩賞として、皇室に伝わる宝刀を授けるのでした。
 54年ぶりの上演となる新歌舞伎をお楽しみください。
 NHK大河ドラマ史上初の続編、『新選組!!土方歳三最期の一日』で試衛館時代の土方歳三が仲間と「この世で一番強い生き物は何か」という談義でにぎわっていた時に「一番強いのは鵺だ」と結構自信たっぷりに言っていました。箱館で市村鉄之助を土方の故郷の日野に落とす際にも言っていましたが、ここでは薩長土肥を初めとする、時代の勢いで膨れあがった討幕勢力を鵺にたとえてました。「頭は猿、躰は狸、尾は蛇、手足は虎に似た鵺」を見ながら思いを巡らせてました(つなみに原田左之助は虎を退治した加藤清正が一番強いと主張してましたが、今年の大河ドラマ『真田丸』で三谷さんは加藤清正を真田信繁の大坂時代におけるキーパーソンのひとりとして描いてます……かつて土方を演じた山本耕史さんが演じる石田三成とバチバチ火花を散らす加藤清正を新井浩文さんが演じ、毎週の楽しみになっています)。

 作品を書いたのは福地桜痴なんですね。語学のスペシャリストとして幕府役人にとりたてられ、明治維新後はジャーナリストとして活躍した人です。明治になってから、かつて市谷にあった試衛館を訪ねた時の思い出話を書き残してますが、本当に面識があったのかどうかは他の資料や証言など裏付けがないのでなんとも……いずれにしても、福地桜痴作なら、史実の土方歳三がこの作品を見ることはなかったのですね。

 おっと、つい新選組絡みの話に脱線してしまいます(^_^;)。そして、本編に関していえば、スペクタクルではあるけれど、伝説のまんまやん(^_^;)。
二、寺子屋(てらこや)

忠義に苦悩する夫婦の姿
 武部源蔵は、妻戸浪と寺子屋を営みながら、菅丞相の子・菅秀才を匿っています。このことが敵の時平方に発覚し、菅秀才の首を差し出すよう命じられた源蔵は、悩んだ末、その日寺入りしたばかりの小太郎という子どもの首を検分役の松王丸に差し出します。なんとか窮地を切り抜け安堵する源蔵夫婦のもとに、小太郎の母千代が迎えに現れ、源蔵が千代に斬りかかるところに、最前の松王丸も姿を見せます。すると、松王丸は、自らが検分した菅秀才の首について語り始め…。
 重厚な義太夫狂言の一幕にご期待ください。
 海老蔵の松王丸、松緑の源蔵、菊之助の千代と、かつての「三之助」揃い踏み。歌舞伎の名作だそうですが私は初見。時代感覚の違いか、『先代萩』といい『寺子屋』といい主君のために我が子を犠牲にする価値観がしっくりしない……3人の中では、比較的に菊之助にリアリティを感じたのだけど。
三、十六夜清心(いざよいせいしん)

情緒あふれる清元と清心の名せりふ
 鎌倉極楽寺の僧である清心は、遊女の十六夜と深い仲になったため、女犯の罪で寺を追われてしまいます。清心と十六夜は心中を決意し、手を取り合って入水しますが、十六夜は舟遊びをしていた俳諧師白蓮に助け上げられてしまいます。一方の清心も、水練に堪能であったために死に損ないます。川から上がった清心が再び入水すべきかどうか思案するところへ、寺小姓の恋塚求女が通りかかり、癪を起こして苦しみます。介抱した拍子に求女の懐にある大金に触れた清心は、抵抗する求女と揉み合ううちに、はずみで求女を殺めてしまい…。
 名せりふにあふれる河竹黙阿弥の世話物をご覧ください。
 河竹黙阿弥作品って七五調の美しさもあるのだけど、市井の犯罪をリアルに描いてぐっと引きつけられる。心中を図った僧侶と遊女が死にきれなくて共に悪の道に……というのは、死んだはずだよお富さんのパターンだよね。
 菊之助さんの清心が寺小姓の松也さん演じる求女と絡む場面は美しかったです。
四、楼門五三桐(さんもんごさんのきり)

絢爛さと豪快さにあふれる一幕
 桜の咲き誇る南禅寺の山門の楼上。天下の大盗賊石川五右衛門が煙管をくゆらせながら景色を眺めていると、一羽の白鷹が血染の遺書を咥えて飛んできます。これは、大明国の宋蘇卿の遺書で、これを読んだ五右衛門は、実は自分が宋蘇卿の遺児で、宋蘇卿と、大恩ある武智光秀がともに真柴久吉のために命を落としたことを知ります。そこへ楼門の下を一人の巡礼が通りかかり、五右衛門に声をかけてきます。実はこの巡礼こそ真柴久吉で…。
 歌舞伎らしい色彩美と様式美満載の舞台をお楽しみください。
 吉右衛門の石川五右衛門、菊五郎の真柴久吉。最新入院したばかりの菊五郎さんがこの一役と夜の部の一役だけなのは仕方ないですよね。

【夜の部】
一、勢獅子音羽花籠(きおいじしおとわのはなかご)

初お目見得を祝う華やかな舞踊
 江戸庶民の憧憬の的である鳶頭や芸者たちが勢揃いし、祭りの華やかな雰囲気の中で変化に富んだ舞踊が繰り広げられます。
 尾上菊之助の長男、寺嶋和史が初お目見得し、豪華な顔ぶれが揃う賑やかな一幕です。
 豪華です。「じゅふたん」こと寺島和史くんの初お目見え。祖父が菊五郎と吉右衛門という人間国宝なんてすごい家系。
 2才6ヶ月なんで、こんなものでしょう。パパ菊之助に抱かれて花道を行き、吉右衛門さんに手伝ってもらったけど舞台で正座はできず、眩しいのか両手で両目を覆って、嫌々モード。挨拶は菊之助さんと祖父ズが仕切る。でも、三三一拍子の後、手を振ってくれました。いつか、それなりの役者となって舞台に立った時に、この場面を思い出すのが楽しみです。
二、三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)

黙阿弥の名せりふで知られる江戸情緒あふれる一幕
 節分の夜更け、大川端にやって来た夜鷹のおとせに、美しい娘姿の盗賊、お嬢吉三が近づき、おとせの懐から百両を奪い取ったうえ、大川へ突き落とします。その様子を駕籠の中から見ていたお坊吉三は、その百両を巻き上げようとしてお嬢と争い始め、そこへ通りかかった和尚吉三が、二人を仲裁します。お嬢とお坊は百両を和尚に預けることにし、互いに同じ吉三の名前を名のる三人は、この出会いをきっかけとして、義兄弟の契りを交わすのでした。
 季節感あふれる言葉が散りばめられた七五調の名せりふをお楽しみください。
 これが今日一番の楽しみだったかも知れません。菊之助のお嬢吉三の台詞。
「月も朧(おぼろ)に白魚の篝(かがり)も霞む春の空、冷てえ風も微酔(ほろよい)に心持よくうかうかと、浮かれ烏(うかれがらす)のただ一羽塒(ねぐら)へ帰る川端(かわばた)で、棹(さお)の雫(しずく)か濡手で粟、思いがけなく手に入(い)る百両、[御厄(おんやく)払いましょか、厄落し(やくおとし)、という厄払いの声]ほんに今夜は節分か、西の海より川の中、落ちた夜鷹(よたか)は厄落し、豆沢山(まめだくさん)に一文の銭と違って金包み、こいつぁ春から縁起がいいわえ」
 やはり河竹黙阿弥の七五調は素晴らしいです。たぶん私は落語を音で捉えるタイプ(とは言え、一度聴いたら覚えるという特技があるわけではありません)なので、河竹黙阿弥がはまるのでしょう。
 菊之助のお嬢吉三、海老蔵のお坊吉三、松緑の和尚吉三、全幕見たいキャストです。
三、時今也桔梗旗揚(ときはいまききょうのはたあげ)

暴君春永の恥辱に堪える光秀の忍耐と執念
 中国の毛利討伐のため出陣した小田春永は、本能寺に陣を構えています。春永をもてなすため、真柴久吉から馬盥(ばだらい)に轡(くつわ)で留めて活けた錦木が献上されていますが、春永は、武智光秀にこの馬盥で酒を呑めと突きつけます。屈辱に耐え、馬盥で酒を呑み干す光秀ですが、春永に、満座の中で生活苦にあえいでいた頃の辛い過去を暴かれ、密かに意を決して本能寺を去ります。愛宕山へ戻った光秀は、上使から切腹を申し渡され、覚悟の白装束に着替えますが…。
 重厚かつスケールの大きな時代物の舞台をご堪能ください。
 ……えーと、名作だと思うけど、ひたすら虐めに耐える光秀がつらかった(; ;)。空気が重い〜。
四、男女道成寺(めおとどうじょうじ)

大曲『道成寺』を男女二人で踊る趣向の舞踊
 かつて恋に狂った清姫が焼き尽くして以来、久しぶりに鐘が再興されることとなった道成寺。その鐘の供養に、美しい白拍子の花子と桜子が現れます。二人が奉納の舞いを舞ううちに、桜子の烏帽子が取れ、女性と見えたのが実は左近という男性の狂言師であることがわかります。そして、花子が一人踊るところへ左近が加わり、恋仲の男女の様子を艶やかに描きます。その後、二人は…。
 長唄と常磐津の掛け合いの演奏で踊る華やかな舞踊です。
 今日の出色は三人吉三と男女道成寺かな。海老菊の華やかコンビがひたすら美しかった。
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