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新選組・土方歳三を中心に取り上げるブログ。2004年大河ドラマ『新選組!』・2006正月時代劇『新選組!! 土方歳三最期の一日』……脚本家・制作演出スタッフ・俳優陣の愛がこもった作品を今でも愛し続けています。幕末関係のニュースと歴史紀行(土方さんに加えて第36代江川太郎左衛門英龍、またの名を坦庵公も好き)、たまにグルメねた。今いちばん好きな言葉は「碧血丹心」です。
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Mt.Raineir Hall渋谷プレジャープレジャーは初めて。ワインも含めてワンドリンク付きで客席に持ち込めるのがいいなぁ。
 広瀬和生さんプロデュースなのでトークがあるかなと思ったが、それはなかった……というより、白鳥さん熱演で終演が30分以上押していたからなぁ、よみうりホールだったらアウトでしたね。
 今回3作一挙口演なので作品間で目立つ矛盾は修正したけど細かいところは粗があるかも知れないという口上つき。まぁ『黄金餅』でQ蔵くん隣人の北朝鮮のオモニが亡くなる設定の次に『富Q』で出てくる訳にはいかんわな(苦笑)。

聖橋/白鳥
 売れない落語家のQ蔵くん、池袋の貧乏長屋(地理的には芸術劇場に近い辺り……今はずいぶんきれいだけど)でくすぶっている。彼を買っている池袋演芸場の進藤さんが何と立川談志師匠(形態模写はおそろしく似ていない……まぁ白鳥さんですから(^_^;))と『文七元結』をリレー口演できる機会を与えてくれた。
 しかし、『文七元結』作中、本所吾妻橋で身投げしようとする文七を演じるQ蔵の泥臭さにうんざりした談志師匠、身投げを止める左官屋長兵衛として出てこない。それが2日続く。
 自分の芸のまずさに絶望して、御茶ノ水の聖橋で身投げしようとするQ蔵……しかし、そこで、自殺しようとする人間の心理のヒダに気づいて開眼。それを高座で活かしたQ蔵の最終日に、談志師匠は長兵衛として高座に上がるのだった。
 ……うふふ、『文七元結』を作中に使いつつ、芸事の開眼には『淀五郎』をモチーフにした入れ子づくりがよくできている。
 今回の高座ではオチがうまく決まらず、即興で付け足してオチたところが見事。

黄金餅池袋編/白鳥
 池袋演芸場周辺の地理がわかっていると何倍か楽しめる作品。
 隣人の北朝鮮のオモニが亡くなる際に大量の金粒をトッポギに包んで呑み込むのを見たQ蔵、同じ長屋に住む中国人の楊さんの互助会組織を通じてオモニの火葬をしようとするのだが……その暗黒コネクションの火葬の釜を取り仕切るのは、何と池袋演芸場の進藤さんだった。
 オモニの遺体を焼いて黄金を取り出して自分のものにしてしまえば、落語家としては堕落してしまうと説得する進藤さんの言葉を受け容れて、黄金より自分の落語を取るQ蔵くん。でも自分の体験を落語にしたくて、舞台を江戸時代にしてしまえば……って、元ネタ『黄金餅』になるのか(汗)。

富Q/白鳥
 売れないQ蔵くん、アルバイトにうんちゃら銀行池袋支店の宝くじの売り子をしている。残りくじ一枚を吉村さんに売りつけられる。そして、その富くじが一等に。
 えーと、前作で死んだオモニそっくりの妹が出てくるんだけど、どういう経緯だっけ? そうそう、Q蔵が富くじを貧乏長屋の神棚に飾った提灯に納めるんだけど、アパートが火事で全焼するんだっけ。で、一攫千金ならずで絶望したQ蔵が首を吊って死のうと思ったところに、オモニそっくりの妹が、Q蔵の化繊の紋付きと一緒に提灯を避難させていたことがわかって一件落着って噺だった。
 ……えーと、元ネタの『富久』と『高津の富』のオチは思い出せるのだけど、どういうオチだったっけな。ともかくも、3作たっぷりで楽しかった〜。

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 ビッグコミックオリジナルで連載されている尾瀬あきら『どうらく息子』が連載100回&単行本第10集ということで記念落語会となりました。

 冒頭のトークによると、尾瀬あきらさんは友人知人を20人ぐらい集めてらくごカフェで開催する当初構想だったようですが、監修の柳家三三さん、慣習に声をかけられていたけど実現しなかったらしい談春さんのビックネームが収容千人規模のよみうりホールを満員御礼にしました。
初めて落語会にお誘いした友人、前日に『どうらく息子』10巻を読んで予習してきたとのこと。素晴らしい、そのパッションがあれば今日の落語会は十分に楽しんでいただけるでしょう。


鼎談

 当初20分の予定が50分に伸びるほどトーク炸裂。大ネタ2本を抱えている上、かの小三治師匠も超えられなかった「8時50分」終演の壁(延長できない)がよみうりホールに。トーク内容はあと1時間でも飽きなかったくらい弾けてました。

鰍沢/三三


 難易度の高い屈指の大ネタ、すでに三三師匠が何箇所かで口演していたのは知っていましたので、とても楽しみにしていました。四十代で『鰍沢』を聴かせる落語家さんは限られてます。
 突然の雪が旅人を深い山中に迷わせる情景の描写、旅人に一夜の宿を提供する苫屋の女主人がいろりの火に浮かび上がる様子、女主人が勧める玉子酒で暖を取った旅人が疲労と眠気に襲われて床をとる中で展開する、旅人に手持ちの酒を飲ませてしまったので近所に酒を買いに行くお熊→お熊とすれ違いに帰宅した亭主がお熊の不在と飲み残しの玉子酒に悪態をつきながら飲み干す→帰宅したお熊、迎え入れようとして倒れ、痙攣する亭主→お熊が旅人の旅銀を奪おうと玉子酒にしびれ薬を盛っていたことを告白、こときれる亭主→逃げ出す旅人、しびれ薬に苦労しながらも見延参りのため盛っていた毒消しでことなきを得る→しかし道に迷って鰍沢の川にそそり立つ断崖絶壁へ→亭主の仇討ちと口封じのために鉄砲を持ったお熊が旅人に照準を向ける、という火サスなみのサスペンス展開。そして、三三さん演じるところの「月輪のお熊」「鉄砲のお熊」の妖艶な悪女ぶりが際立ちます。いやー、はらはらどきどき。


 
紺屋高尾/談春

 談春版のマクラはおなじみ「日本に"I love you"という言葉が入った時、二葉亭四迷という作家は「あなたとならば死んでもいいわ」と訳したそうでございます」。
 そこまで言って突然「業務連絡」のアナウンス。トークタイムに行った抽選で案内した当選者の座席番号は実在しないものでした……(汗)。
 大爆笑させて、そこから「紺屋高尾」の世界に全員を戻してくれる談春師、いつも以上に久蔵と親方のやりとりは軽妙で、時々出てくる女将さんも久蔵の縁談を進めたがる取り持ち婆ぁで亭主に知恵をつける(でもダメだと白を切る)強烈なキャラクター。実直で働き者の紺屋の職人久蔵が、兄弟子に連れられて入った吉原で見た花魁道中で、最後に登場した当時全盛の花魁高尾に一目惚れ。現実的にあきらめさせようとする親方に失意で生きる気力をなくす久蔵。しかたなく親方は一生懸命に三年働いて金を貯めろと励ます(そのうちに忘れたりあきらめたりしてくれることを願いつつ)。しかし久蔵は三年経ったら高尾に会えるという思いだけで働きづめになり、三年で十八両二分を貯めてしまう。親方は、あと一両八分貯めたら、親元にいったん帰して晴れ姿を見せろ、それで千葉湊に住むのもいいが江戸に戻りたかったら久蔵に嫁を取らせて夫婦養子とし、店を継がせてやるという。しかし、久蔵はいまだ忘れられない高尾太夫に一目でも会えることを願って十五両を使うことを選ぶ。親方は長屋の裏手で医者としての腕は藪中の藪だが贔屓筋の付き合いで吉原は裏も表も知り尽くしているという藪井竹庵に相談する。竹庵の入れ知恵で、まげや着物を若旦那風にあらため、野田の醤油問屋の若旦那というふれこみで茶屋にあがろうということに。紺屋職人の証である藍色に染まった爪や指先は決して一目にださないこと。運よく、先客の突然のキャンセルで身が開いた高尾太夫は、いつも気の張るお客様ばかり相手をしているので「たまにはそのような初心な若旦那はんのお相手をしとおす」と久蔵に遭ってくれた上、初会は口もきかないというのが普通の作法であるにも関わらず、床をともに過ごすことに。高尾に身も心も惚れてしまった久蔵は、「今度はいつ来てくれるんざます」との問いかけに嘘がいえず、自分の身分を明かし、身を偽ったことを詫び、また働いて金を貯めて会いに来ますと頭を下げる。高尾は、嘘偽りの多い吉原に稀な純情さや一途さに心を打たれ、「来年三月十五日に年季《ねん》が明けたらぬしのもとにいきとうおざんすが、わちきのようなものでも女房はんにしてくんなますか?」と。そして年明けて三月十五日、眉を落として鉄漿《かね》で歯を染め、島田髷と質素な着物と職人の女房にふさわしい姿に身を変えた高尾が、吉原から引き手駕籠に乗って、神田お玉が池の久蔵のもとへやってくる。親方から暖簾分けしてもらい、高尾と夫婦になって紺屋をはじめた久蔵。吉原で全盛の花魁だった高尾が紺屋のおかみさんになって接客や染め物の手伝いをするという江戸中の男たちの噂になり、紺屋は大繁盛。久蔵と高尾は子宝にも恵まれ、末永く幸せに暮らしたそうです……。
 今日の談春さんはところどころに時事ネタのくすぐりを入れたり、三三「鰍沢」の出来を褒めてちょっと悔しがったり、いつもより軽めで笑いの多い仕上がりで聴かせてくれました。



 今年はまだ26席しか聴いていないのですが、トーク、両師匠の大ネタ、すべて今年一番の高座でした。会場との一体感も素晴らしく、落語の神様がどこかから下りてきたような一夜。

映画版『るろうに剣心』京都大火編と伝説の最期編を二ヶ月連続で鑑賞して楽しんだのと並行して、アニメ『幕末Rock』にすっかりはまってしまいました。

 アニメ『幕末Rock』公式

「絶叫《クライ》!熱狂《マックス》!超絶頂《エクスタシー》! 」というアオリ文句のルビにセンスがあらわれてます。

 アニメ版のオフィシャルプレリュードブックより。
 時はのちに幕末と呼ばれた時代。
 徳川幕府の天歌《ヘブンズソング》によって国と民は支配され、
天歌《ヘブンズソング》以外の歌を歌うことは
許されない時代——。

 そんな世の中に一石を投じるべく、
志士《ロッカー》たちが立ち上がる。

 坂本龍馬ら志士《ロッカー》は、
魂《ソウル》と情熱《パッション》の音楽であるRockによって
幕府へと対抗することとなる。

 一方、徳川幕府もまた
最高愛獲《トップアイドル》・新選組を率いて
志士《ロッカー》たちに立ち向かう。

 ここに、自由を求める
熱い志士《ロッカー》たちの戦いが幕を開ける!

 アニメ版で印象に残る場面をいくつか思い出すと……

 第2話では、イケダヤンという雷舞小屋《ライブハウス》でコンサートをしている新選組。その舞台に坂本龍馬が「お前たちの音は間違っているぜよ!」と異議を唱え、土方歳三・沖田総司にロックで話しかける。龍馬に加わった桂小五郎・高杉晋作のロック勢と、新選組のふたりの愛獲《アイドル》ソング勢が音楽で掛け合う。ロックを取り締まる幕府の捕方が騒ぎ出したところを、新選組局長で現在はプロデューサーとなっている近藤勇が龍馬たちを舞台裏から逃がしてやる。

 ……えーと、史実の池田屋事件とはまったく関係がありません(苦笑)。歌で張り合う感じが面白かったです。

 第4話では、幕府のロック統制が京都に及んで雷舞《ライブ》できなくなった龍馬たちが風呂屋でロック雷舞を開く話。たまたま屯所の風呂が使えなくて風呂屋に来ていた土方・沖田が、彼らを弾圧するというよりは挑発するような言動をとったせいか、龍馬たちの風呂屋雷舞は盛り上がる。

 第6話では、近藤勇・土方歳三に内緒で井伊直弼に通じていた沖田総司の歌声にかかった呪いが最高潮に達して人々をどんどん泰平化(この作品独特の用語で、幕府側に洗脳されることを称する)していってしまう。その呪いを一身に受けて浄化した近藤勇は命を落とす。

 第7話では、近藤勇を失った土方歳三と沖田総司が新選組を離れる(残りの新選組メンバーは、幕府によって近藤勇が土方・沖田と坂本龍馬らに暗殺されたと信じ込まされている)。高杉・桂の恩師であり、行方不明だった吉田松陰が雷舞を開くという布告がなされ、坂本たちが駆けつけると、かつてロックの先駆者だった松陰先生(この回で登場した勝海舟によれば、かつてはShowとKaiと呼ばれ、共にロックを追求する仲だった)は、天歌をまき散らす存在に。松陰先生はこの世のものではなく、井伊に魂を操られた悪霊になっていたことがわかり、坂本・高杉・桂は先生の魂を浄化させるためにロックを演奏する。ロックを聴くと「泰平化」された新選組隊士たちが「泰平化を解かれる」ことに気づいた土方が、沖田とともに坂本たちに加わり、ロックを演奏することでロック勢のパワーが高まり、松陰先生は成仏。新選組はじめ会場の人々は「泰平化を解かれた」状態に。

 なんと、土方歳三・沖田総司が、坂本龍馬・高杉晋作・桂小五郎と一緒にロックしちゃうという展開に。第7話では、沖田総司が白馬に乗って羽根を背負って飛んでくる(馬を吊っているワイヤーが描かれているんだけど、どんな仕掛けで飛んでいるのかは不明・汗)とか、超展開で爆笑。この辺りから、アニメ編独自らしいノリがパワーアップ。

 第10話と第11話では、バンドの方向性をめぐって分裂……じゃなくて、井伊暗殺を思い詰めるまでに過激化した高杉が超魂団《ウルトラソウルズ》を脱退し、井伊と対峙し、あえなく井伊の術中にはまって天歌《ヘブンズソング》側の一員としてバンドデビュー(ユニット名が「ザ・晋作&奇兵隊)」……ださっ)。高杉に「もうお前とはやれねぇ!」と言われてふぬけとなった龍馬が、幕府側に取り締まられる少年たちが自分のロックを口ずさんで抵抗する姿に自分を取り戻し、高杉と桂・土方・沖田が対峙する江戸の大江戸ヘブンズソングフェスティバル会場に、京都から桂小五郎発明のロケットで襲来するとか……そして最終回では、井伊直弼が心を売った徳川代々の天歌の呪術がこもった霊の塊から徳川慶喜を救うために、ロックのソウルを発動して闘う桂・土方・沖田・高杉が順に散っていくのは幕末版「リンかけ」方式……坂本龍馬がソウルを振り絞って慶喜の心を解放すると共に、仲間達のソウルは回復して生き返り、民衆がロックを歌い出して超魂《ウルトラソウルズ》が発現されて大団円……って、作品見たことのない人には私の要約ではきっとわからないだろうなぁ、私も何度かアニメ見返したけど、何度見てもぶっ飛んだ作品としかいいようがない。

 ゲーム版では、この続きとして、マシュー・カルブレイス・ペリーJrが日本に開国を求めて来襲(ただし彼の言う「開国」とは女性がシルクのすけすけドレスを着ること)し、本場のロックで日本の民衆を圧倒するところに、超魂団《ウルトラソウルズ》5人が対峙するという展開があるのだが……アニメ2期は無理としてもOVAでいいから、見たい。

 作中で使用されるロック・天歌とも音楽がいい。声優さん達みずからが歌っているのだけど、本格的に音楽活動している声優さんたちが起用されているので、プロ級。作曲・作詞も作品世界によく合っていて、聴き応えがある。
白鳥師「流れの豚次」完結とあって、池袋演芸場はほぼ満員。

遊び心を持ちましょう/歌之介
 「遊び心を持ちましょう」のキーワードが入れば、ネタとしては一応そう記録しているけど……漫談なので、二日前のものと今日のものは内容が違う。小ネタの集積なのだが、ほんと毎回爆笑してしまう。

ジャッキー・チェンの息子/彦いち
 今日は天どんさんと入れ替わって、中入り後の食いつきに彦いち師があがる。
 若旦那の噺はこれしか持ってないとか。二世として生まれた者のそれなりの悩み、というのが若旦那ねたにつながる。ついでに二世落語家、○○は応援するけど××は応援しない、とか(^_^;)。
 彦いちさんの噺に出てくるアジア人はタイでも香港でも同じような喋りになるんだとか。

蔵前駕籠/正朝
 新作落語ばかりでやりにくいとこぼす正朝師も中席最終日でほっとしたご様子。
 久しぶりに聴いた「女郎買いの決死隊」。慶応四年の春先、鳥羽伏見の戦いで負けた徳川方がまだ江戸城明け渡しを決めていない頃の騒然とした江戸を舞台にした噺。

奇術/アサダ二世
 最終日でちょっと喋りすぎてカード奇術で4分押しちゃった……(^^)。

金比羅ワンニャン獣の花道/白鳥
 雌猫マリーや虎雄が率いる千匹の野良犬が待ち受ける中、象の政五郎じいさんの牙と丹頂鶴の鶴瓶親分のくちばしを金比羅様(の近くのゴリラの次郎長親分が祀られた祠)に奉納する豚次。「雨のベルサイユ」に出てきた浜松のうさ吉親分が「寿司食いねえ」「神田の生まれよ」の代わりに「黒はんぺん食いねぇ」「ベランダ生まれよ」。
 危うし豚次、そこへ鳴戸海峡で命を救われたチワワのお菊が一言。
 豚次が虎雄との対決でギャラクティカ豚足を炸裂させ、座布団が吹っ飛ぶ(笑)。この一撃で、白鳥師は痛めていた右肩をもっと痛めたようで、ちょっと心配です。
 性悪の雌猫マリーに一目惚れしていた牛太郎の命乞いで、マリーは助けられる。ギャラクティカ豚足で牙を折られた虎雄と気を失っていたマリーは、気がついたら流山動物園の檻の中。
 「任侠流山動物園」で動物を見に来ていたお祖父ちゃんと孫が、虎とペルシャ猫が増えた動物園に大喜び。人の言葉を喋る豚次・牛太郎・チャボ子に加えて虎とペルシャ猫が増えた流山動物園、めでたしめでたしの大団円。
 圓朝落語のようにどこまで語り継がれるか、「流れの豚次」……白鳥公式ホームページによれば、来年は「任侠流山動物園」シリーズを他の落語家さんたちとかける企画が進行中のようで(喬太郎さん・三三さんと? 個人的には、白酒さんも加わって欲しいなー)楽しみ。

白鳥さんの『流れの豚次』ラス2回分を聴きに行くぞ、ということでラス前回。

勘定板/歌之介
 たっぷりマクラで漫談しているところにお邪魔。全国でさまざまに呼ばれるトイレの別称。便所、雪隠、はばかり……女子高生は「ワシントンクラブ(wcから)」、働く女性は「レコーディング(音入れ→おトイレ)」だそうな。
 そこから「勘定板」。歌之介さんたら田舎者を楽しそうに演じるなぁ。

特別研修(?)/天どん
 中入り後の「食いつき」という言葉の由来を説明して、このネタはすごく人をいらつかせるという事前説明。
 役所の窓口で愛想もサービス精神もない職員が送り出された特別研修は、とんでもなくいらつかせる人々を特に収容した施設。
 笑いがほとんどない……そしてオチは「オチはありません」(汗)。

長短/才賀
 新作ばかりの演者なんで唯一古典枠の正朝さんが逃げ出しちゃった、というマクラから。
 長さんのタバコの呑み方がとんでもなく百面相。

奇術/アサダ二世
 才賀さんがあっさり演じて下りてしまい、また白鳥さんからは時間長めでと言われていたアサダ二世さん、思い出話でつなぐ。マルセ太郎さん……パントマイム芸人として記憶がある。
 マルセ太郎さんと永六輔さんとの交友にアサダ二世さんも関わっていた、ということでした。
 トランプ当てなんだけど、木枠に入れるとカードがじわじわせり上がってくる趣向、面白かった。

人生鳴戸劇場/白鳥
 流れの豚次、街道筋を敵対する親分衆(メスネコのマリーとか、チワワのお菊とか……)に押さえられていて四国に渡れない。名古屋で世話になったアシカの文太郎に紹介され、和歌山でイルカの我太郎に援助を頼むが我太郎親分は船を貸すだけ。モグラのモグ爺さん(実はアライグマのオスカル)、流山から豚次を追いかけて合流した牛太郎とチャボ子と力を合わせて瀬戸内海を渡ろうとする豚次。
 チワワのお菊を鳴戸の渦潮から救ったのに、恩を売らずに逃がしてやる豚次、漢《おとこ》だねぇ。
映画版『るろうに剣心』の感想はどこかにアップしているはずなのだけど、どこにカテゴライズしたか忘れてしまった(汗)。志々雄真実を演じた藤原竜也さんに敬意を表して、とりあえず「『組!』『組!!』関係者その後」にカテゴライズしておくか……『組!』での沖田総司も後半では陰影が強いキャラクターだったけど、10年後に藤原竜也が演じたのは幕末維新の陰を背負って表に進出しようとするダークヒーローだった……そうそう、『組!』ではなぜか心が通じた佐藤浩市さん演じる芹沢鴨をアメコミ風に増幅させたようなキャラ。

 昨日が公開初日で、感想を書くとネタバレになるので畳んでおく。ご容赦。
大好きな明月庵ぎんざ田中屋で蕎麦を一枚たぐって早めの夕ご飯して、夜の部へ。

たらちね/緑太

加賀の千代/一之輔
 見台に膝隠し。何と、一之輔さん、奧さんに運動不足を咎められて入会したスポーツジムの初日で膝の半月板がめくれてしまったそうな。高座で胡座をかいて「金馬師の気分」だそうな。
 甚兵衛さんが大好きなご隠居さん。何かBLっぽいじゃれあいが(汗)……いや、一之輔さんなので、高校の部室でふざけてる男子たちっぱいのかも。

船徳/鯉昇
 45年ぶりに小学校の友人と再会したマクラで、「アレ」が多くなったら老化のしるし(ぎく)。最近一週間入院されたそうですが、相変わらず脱力系の鯉昇さんです。
 そこから「二階のアレ」と、遊びが過ぎて家を追い出された質屋の徳さんの話に。腕っ節のない若旦那が船頭を志願してお客二人を巻き込む騒動なのだけど、オチが「質屋(の息子)だけに客を流した」という展開の「船徳」は初めて聴いた。

目黒のさんま/市馬
 中入り後、「前半は怪我人病人が続いておりましたが後半ふたりは健康体です」と会長らしい一言で笑わせる。
 士農工商の身分について、侍とは……「首提灯」かしら。殿様は世継ぎが大事……って、え、トリじゃないから「妾馬」じゃないよね。下肥、鯛の話が入って、わーい「目黒のさんま」しかも市馬さんだと内心→\(^O^)/。
 家臣と駆け比べをした殿様、「膝の半月板を痛めた」というオチで一之輔さんのマクラからくすぐりを入れてくれました。
 「やはりさんまは目黒に限る」と王道のオチ。物流が発達した現代、最近は目黒駅周辺でさんま祭りを目黒区と品川区がそれぞれやってますから、「目黒」「さんま」の知名度はますます広まりますが、なんでこれがオチなのかわからない人も増えるだろうなぁ……。
 市馬さんのゆったりした口跡で「目黒のさんま」を聴けて幸せにございます。はぅ。

死神/白酒
 「市馬兄さんは後半健康体と言いましたが、見ての通りの身体で……」と肥満ネタをかませる。
 そして、登場した「死神」は通常版と違って肥満体。しかもタメ口。強いていえば昇太兄さんの「人生が二度あれば」に出てくる松の精の「松の精っす!」に似た口調と表現するかな。
 いいところなしの主人公に死神が肩入れしてくれる理由は「俺、お前担当だから」という白酒版。

 くすぐり多発で爆笑させられた昼席、古典を堪能させてくれた夜席、どちらも満足です。
なんつー長い表題(汗)。でもこのシリーズ、昼夜通しで見るのがすっかり習慣化してしまった。なんとなく文化祭的な雰囲気で、前後の演者をいじったり、高座に出てきた登場人物をカメオ出演させたり、アドリブの巧い落語家さんたちが次々と登場するのが毎回楽しい。

金明竹/小はぜ
 はん治師の弟子。

看板のピン/兼好
 自分の後の演者がみな自作を持つ新作派(喬太郎さんは古典も得意だけど)であることに引っかけ、「まともな落語は自分のところまで」みたいなことを言って笑いを取る。
 親分に風格があるなぁ。

紙入れ/喬太郎
 兼好さんのマクラで野球の話題が出たことを受け、「(49才の)山本昌は投げるけど、(51才の自分は)投げられない。高座は投げるけど」と応じて笑いを取る。
 結構長めのマクラで、さぁ古典で来るのか新作で来るのかとドキドキさせる。そして出た「紙入れ」は女将さんの色っぽい仕草や口調を思いっきり強調して座布団の上でしなをつくるキョン師が凄い(笑)。お腹が思いっきり臨月なキョン師が、セクシーな大年増に見えてしまう。しかも女将さんの誘惑に「中はピンだね」、新吉が後ずさりしながら「看板だけですから」みたいな会話で場内大爆笑。
 さらに、旦那が新吉を諭す場面で「しくじったら早く謝れ。そうしないと○○新聞になってしまう……ここがよみうりでよかった」と時事ネタを織り込む。

お血脈/百栄
 兼好師、キョン師が続けて年齢の話題をマクラに振ったので、百栄師も米国で寿司屋で働いていたこともあって落語家に入門したのが遅かったというエピソードを含めてマクラに。
 マクラが結構長かった(夜の部も含めてたっぷり聴いて、一晩寝たら記憶がほとんど残っていない・汗)ので何をかけるのかなと気を持たされた。
 で、かけたのは「お血脈」。兼好師のマクラに対してキョン師・百栄師は「今日は古典で行く」と逆張りしたのかな。地獄入りしている泥棒のリストに「アルセーヌ・ルパン」が入っているんだけど、孫(ルパン3世)を指導するために天国に行ってしまった、というくすぐりが入っていたのが百栄さんらしいかな。あまり面白いクスグリではなかったけど。
 外連味たっぷりの、五右衛門の仕草が笑えた。

牡丹の怪/白鳥
 白鳥さん、池袋で夜トリの最中なのに昼のこの回でもトリですか……しかも「今日は圓朝作品をやります」って宣言して、「牡丹灯籠」白鳥版をかけた。今日は池袋で「流山の決闘(任侠流山動物園)」をかける予定なのに、なかなかやるのう。
 売れない落語家Q蔵シリーズ。Q蔵が「牡丹灯籠」萩原新三郎の役回りで、病弱なお露ちゃんと恋仲になる。「牡丹灯籠」で医者の山本志丈(志の輔さんのバージョンではものすごく口が軽い幇間医者・汗)に当たる役回りで登場するのが、何とキョン師。しかもウルトラマンシリーズ大好きだということをネタにされており、ウルトラセブンのマスクのアイスラッガーがお露の念を利用した牡丹の精(その正体はウルトラセブン第2話に登場する緑の怪獣ワイアール星人だというのは、今日キョン師に知恵つけられたという楽屋話も織り込まれる)。さらに、お札に弟弟子の丈二さんがいじられてますが……(汗)。
 でもお露さんとQ蔵の儚い恋もちゃんと描かれており、白鳥版「お札はがし」はただのドタバタではないのがいい。
 

白鳥さんがネタ出ししてて、十日連続で「流れの豚次」シリーズ全編を通しでかけると知り、まずは初日に。十日連続で自作の通しものを演じるなんて、さすが現代の圓朝(それ褒めすぎ・汗)……でも、主人公は任侠に生きる豚という設定が、白鳥さんならでは。

掛け声指南/彦いち
 彦いちさんの代表的な持ちネタのひとつなのだけど、今回やっと聴けた(「にらみ合い」の遭遇率が高い)。最後の掛け声の場面は馬鹿馬鹿しくも清々しい。

フィ/小ゑん
 東京かわら版で今月号インタビューに登場していた小ゑん師。今日かけたのは圓丈さん作の「フィ」。言葉の端々に「フィ」をつける人が周りに増えて不安になって精神科に受診すると……。最後の方で「あばらかべっそん」「あじゃらかもくれん」「てけれっつのぱ」とか出てくるところは大笑い。

俗曲/東京ガールズ

遊び心を持ちましょう〜浮世根問い/歌之介
 表記の仕方がこれでいいのか迷うのだけど、前半は「遊び心をもちましょう」で、後半は「浮世根問い」。最後に「やかん」になったかどうか、翌日に昼席夜席通しでいろいろな高座を聴いちゃったせいか、記憶が飛んでしまって……。

ハーブやってるだろ!/天どん
 中入り中のアナウンスで前座さんが「浅草演芸ホール」と言っちゃって場内大爆笑。天どん師がフォローして「昨日まで浅草で前座やって今日から池袋なんで、癖で出てしまったんでしょう」というようなことを。そして、ここは思いっきり池袋であることを強調するようなネタ「ハーブやってるだろ!」……何というか、この人の新作落語も、白鳥さんとは別の方向性でぶっ飛んでいるんだよねぇ。鈴本で初トリを取るそうで、おめでとうございます。

家見舞/正朝
 唯一、新作をしない演者。顔付けについて「いじめですか」とかぼやいた後、「家見舞」で古典落語の香りを漂わせた。

奇術/アサダ二世
 トークがほとんどで、トランプ芸一個だけ。でも、この人のトーク大好きなので、満足。

豚次誕生秩父でブー!/白鳥
 聴けてよかった、「流れの豚次」第一話。養豚場で生まれ育った豚次が脱走し、秩父の山中でツキノワグマの親分の下で修業に励み、筋肉質の豚(笑)に成長する。母を養豚場から救い出せる腕っ節がついたと確信した豚次は養豚場に戻り、そこで番犬チロとガチの勝負を行う。再会した母豚は、養豚場で生まれ育って人間のために死ぬ生き方を選び、豚次は母と涙で別れ、任侠の旅に出る……って要約で合ってるかなぁ?
 犬は野生の狼が人間になついてペット化したものとか、人間の食糧として生まれ育つ家畜の宿命とか、登場「動物」にもキャラクターの描き分けがあって、ちゃんと「人情もの」ならぬ「畜情もの」となっているのが豚次ワールドの面白さ。
久々に新選組関連の史実が新たに出てきたようです。

新選組:待遇改善を直談判した土方歳三 西本願寺から文書
 浄土真宗本願寺派本山・西本願寺(京都市下京区)に残された幕末の文書から、新選組が西本願寺に駐屯した当時の様子を示す記録が見つかった。本願寺史料研究所が2日発表した。駐屯を始めた直後、寺に多額の借金を願い出たり、隊士の待遇改善を副長の土方歳三(ひじかた・としぞう)自らが寺側に直談判したりするなど、組織維持に苦心したさまが浮かび上がる。

 研究所が当時の日記やメモ書きを精査。新選組に関する記述が14カ所で見つかった。

 新選組は1865(元治2)年3月、壬生(みぶ)寺周辺から西本願寺の北集会所に移り2年余り駐屯。記録には駐屯を始めた11日後の3月21日に「金五百両也」「新撰組ヨリ拝借願ニ付、今日御貸下ニ相成候事」との記述があり、寺が200両、残りを商人から工面していた。同じ日に新選組が「相撲を開催するので見物に来ないか」と誘うなど気遣いも見せていた。ただ、当時このような借金は返されないことが多かったという。

 6月25日には土方が寺の担当者と面談し、「1人1畳くらいのスペースしかなく暑くてたまらず、隊士からも不満が出て抑えられない」とし、阿弥陀(あみだ)堂(本堂、現在は重文)を50畳ほど借りたいと要求。寺側は応じず、集会所の未使用部分に畳を敷き、壁を取り外して風通しを良くすることで対応した。その日のうちに土方から「無理な願いを早速聞いていただき、かたじけなく思う」とする礼状が届いていた。

 一方、寺側の警戒ぶりもうかがえる。新選組が来る前日の3月9日には、寺の各所に「隊士に不作法な態度は取るな」「隊士と出会っても直接に対応するな」と通達。また、寺のトップである門主の外出ルートが北集会所に近いため「(北集会所から離れた)車御門から輿(こし)を通過させる」としていた。

 同研究所の大喜(だいき)直彦・上級研究員は「西本願寺に駐屯していた頃は新選組の結束力が弱まり始める時期。土方が引き締めに必死になる様子が浮かぶ」と話している。

 研究所は今回の成果を受けた公開講座を11月11日に築地本願寺(東京都)、12月12日に聞法会館(京都市下京区)で開く。申し込み方法などは後日、本願寺史料研究所のホームページに掲載する。問い合わせは本願寺派(075・371・5181)。【花澤茂人】

 ◇「新選組」隊士たちの具体的な姿がきちんと裏付けられた

 「新選組」などの著書のある歴史家の松浦玲さん(日本近代史)の話 西本願寺側の当時の記録はこれまでほとんど知られていなかった。想像するしかなかった隊士たちの具体的な姿が時系列も含めきちんと裏付けられ、大変興味深い。

 ◇新選組の動き
1863年 2月 新選組の前身「浪士組」が京都に到着し、壬生寺の周辺を屯所とする

1864年 6月 池田屋事件。7月には禁門の変で薩摩、会津藩などとともに長州藩と戦う

1865年 3月 壬生寺周辺から屯所を南の西本願寺に移す

1867年 6月 西本願寺から現在のJR京都駅に近い不動堂村の新しい屯所へ移る

     10月 徳川慶喜が大政奉還

1868年 1月 鳥羽・伏見の戦い。旧幕府軍が薩摩、長州藩など新政府軍に敗れ、新選組も江戸へ敗走

      4月 近藤勇処刑

1869年 5月 函館・五稜郭の戦いで土方歳三戦死
 新選組が西本願寺に移転したのも、西本願寺の広い集会所に目をつけた新選組が押し借りしたという経緯なので、待遇改善を「要求」したというのはちょっと違和感ありますね。「もっとスペースを貸せ」と駄々をこねたということでしょうか。隊士たちを押さえられないと土方副長が言うのは、西本願寺に脅しをかけているように聞こえます(苦笑)。

 記事には「新選組の結束が弱まる時期」とありますが、隊士数的にも充実し、幕府に正式に取り立てられるまでになる西本願寺時代は新選組の全盛期じゃないかと思います……隊士の不行跡をめ
ぐって切腹などあったり、伊東甲子太郎ら御陵衛士派の分隊とか、後半はいろいろあるのですが。

 どんな交渉があったのか、さらに詳しいお話を伺いたいものです。
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